精神保健福祉士の過去問
第21回(平成30年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問138
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問題
第21回(平成30年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問138 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
人口8万人の地方都市Q市は、人口減に歯止めがかからず、空き家問題も顕在化し、空き家対策の担当係を設置している。J精神保健福祉士は、隣の市の精神科病院で20年間勤務していたが、数年前にQ市唯一のW精神科病院に転職した。同病院には、実家がきょうだいに代替わりし、帰る家がないなど社会的諸条件が整わないため退院できない患者が多数入院していた。J精神保健福祉士は、それらの患者の地域移行に向けて、地域の関係機関との連携づくりを始めた。(※1)
同時期に、Q市が設置する地域支援協議会では、精神障害者家族会代表者から、「親の施設入所や死亡により、一人暮らしになる精神障害者が増えつつある。その中には、症状が再燃し、入院となる人も出てきている。親亡き後のことを考えてほしい」という意見が出された。そこでQ市では、地域支援協議会に、W精神科病院、地域活動支援センターⅠ型、就労継続支援B型事業所、保健所、家族会及び当事者会を構成メンバーとする専門部会を立ち上げることとなり、J精神保健福祉士が部会長に就任した。初回の部会では、J精神保健福祉士がファシリテーターとなり、「Q市における精神障害者のニーズと対策」というテーマで、相互に批判をしないというルールの下で多様な意見を出し合った。
その後に意見を整理した結果、Q市の現状としては、受入れ条件が整えば退院可能な者の対策が進んでいないことが共有された。そのような患者が地域生活を始めるためにも、また、親との離別により単身となった精神障害者が地域での暮らしを継続していくためにも、居住支援の必要性を確認した。そこで、J精神保健福祉士は、専門部会として、空き家を活用した居住支援を行っている自治体の視察を企画した。そして、Q市の精神保健福祉担当の職員だけでなく、空き家対策を担当する職員にも同行してもらうように働き掛けた。
次のうち、(※1)の時点で、J精神保健福祉士が連携した地域の機関として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
人口8万人の地方都市Q市は、人口減に歯止めがかからず、空き家問題も顕在化し、空き家対策の担当係を設置している。J精神保健福祉士は、隣の市の精神科病院で20年間勤務していたが、数年前にQ市唯一のW精神科病院に転職した。同病院には、実家がきょうだいに代替わりし、帰る家がないなど社会的諸条件が整わないため退院できない患者が多数入院していた。J精神保健福祉士は、それらの患者の地域移行に向けて、地域の関係機関との連携づくりを始めた。(※1)
同時期に、Q市が設置する地域支援協議会では、精神障害者家族会代表者から、「親の施設入所や死亡により、一人暮らしになる精神障害者が増えつつある。その中には、症状が再燃し、入院となる人も出てきている。親亡き後のことを考えてほしい」という意見が出された。そこでQ市では、地域支援協議会に、W精神科病院、地域活動支援センターⅠ型、就労継続支援B型事業所、保健所、家族会及び当事者会を構成メンバーとする専門部会を立ち上げることとなり、J精神保健福祉士が部会長に就任した。初回の部会では、J精神保健福祉士がファシリテーターとなり、「Q市における精神障害者のニーズと対策」というテーマで、相互に批判をしないというルールの下で多様な意見を出し合った。
その後に意見を整理した結果、Q市の現状としては、受入れ条件が整えば退院可能な者の対策が進んでいないことが共有された。そのような患者が地域生活を始めるためにも、また、親との離別により単身となった精神障害者が地域での暮らしを継続していくためにも、居住支援の必要性を確認した。そこで、J精神保健福祉士は、専門部会として、空き家を活用した居住支援を行っている自治体の視察を企画した。そして、Q市の精神保健福祉担当の職員だけでなく、空き家対策を担当する職員にも同行してもらうように働き掛けた。
次のうち、(※1)の時点で、J精神保健福祉士が連携した地域の機関として、適切なものを1つ選びなさい。
- 指定一般相談支援事業所
- 指定居宅介護支援事業所
- 指定通院医療機関
- 精神保健福祉センター
- 地域包括支援センター
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この過去問の解説 (3件)
01
1.(障害者総合支援法)
指定一般相談支援事業所が担う一般相談支援は、地域相談支援と基本相談支援からなります。地域相談支援では、地域移行支援や地域定着支援を行います。J精神保健福祉士が連携する機関として適切です。
2.(介護保険法)
指定居宅介護支援事業所では、要介護の区分が決まったクライエントに対し、居宅サービス計画の作成などを行います。
3.(医療観察法)
指定通院医療機関とは、厚生労働大臣が指定する機関です。医療観察法の通院対象者とは、心神喪失などの状態で重大な他害行為を行った者で、通院処遇の決定をなされた者などです。
4.(精神保健福祉法)
精神保健福祉センターとは、精神保健及び精神障害者の福祉に関して、調査研究の実施、知識の普及、相談や指導のうち、複雑なものの実施、精神医療審査会の事務などを行う機関です。
5.(介護保険法)
地域包括支援センターとは、地域住民の心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とした機関です。市町村と市町村から委託を受けた法人が設置主体です。
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02
指定一般相談支援事業所は、都道府県・指定都市・中核市の指定により、入所施設や精神科病院等からの退所・退院にあたって支援を要する障害者に対する「地域移行支援」や、単身で生活するなど地域生活に支援が必要な障害者に対する「地域定着支援」を行います。
2. 指定居宅介護支援事業所では、都道府県または市町村の指定により、ケアマネージャーが介護サービス利用のためのケアプランを作成し事業者や関係機関との連絡・調整などを行います。
3. 指定通院医療機関は、厚生労働省の指定により、医療観察法に基づき、指定入院医療機関から退院又は通院決定を受けた心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者に対し、通院医療を提供します。
4. 精神保健福祉センターは、精神保健福祉法に基づいて設置され、精神保健及び精神障害者の福祉に関する知識の普及、調査研究、相談及び指導を行う施設です。
5. 地域包括支援センターは、地域の高齢者の総合相談、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防の必要な援助などを行い、高齢者の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的とし、地域包括ケア実現に向けた中核的な機関として市町村が設置しています。
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03
正解は、1 です。
選択肢は、それぞれ根拠法や対象者が異なります。業務上それぞれの機関との連携ももちろん大切ですが、問題では「精神科病院で働くJ精神保健福祉士が、それらの患者の地域移行に向けての連携づくり」について問われていることを意識しましょう。
1 指定一般相談支援事業所では、精神障害を持つ方の地域生活への移行を支援する業務を行なっていますので、適切です。
2 指定居宅介護支援事業所は、要介護認定を持つ、主に高齢者のケアプランを作成する事業所です。
3 指定通院医療機関とは、厚生労働省により指定された、触法精神患者などの受け入れができる医療機関のことです。
4 精神保健福祉センターは、各都道府県及び政令指定都市に設置することが定められています。事例には、地域の関係機関との連携づくりとありますので、適切ではありません。
5 地域包括支援センターは、65歳以上の高齢者の総合相談窓口です。
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