精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
人体の構造と機能及び疾病 問2

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問題

第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 人体の構造と機能及び疾病 問2 (訂正依頼・報告はこちら)

高齢者の脱水に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
  • 体全体の水分量は、若年者と変わらない。
  • 喉の渇きを感じやすいため、脱水になりにくい。
  • 1日の水分摂取量は、若年者より多い。
  • 降圧利尿薬の服用は、脱水の原因にならない。
  • 腎臓による水の再吸収能力が、低下している。

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この過去問の解説 (3件)

01

正答【5】

1.誤答 
若年者の体全体の水分量(人体の約6割)に比べて高齢者の体全体の水分量は(人体の約5割)と少なくなります。
理由として、高齢者は細胞内や筋肉など体液をためる機能を持つ組織が減少していくため体内の水分量が少なくなります。また、体内の水分量をコントロールする腎臓の働きの低下や、感覚機能の低下も関係していきます。


2.誤答
高齢者になると感覚機能が低下(口渇中枢の減退)してきます。そのため、のどの渇きを感じにくくなり水分摂取量が大幅に減少して脱水症になるリスクが高くなります。


3.誤答 
高齢者の1日の水分摂取量は、若年者より少なくなります。
高齢者になると心身機能の低下から食欲不振などで摂取する水分量や塩分量が不足しがちです。
また、誤嚥や失禁を恐れて水分摂取を控えている、のどの渇きを感じにくくなるなど、1日の水分摂取量は少なくなっていきます。


4.誤答 
降圧利尿剤は、体内の体液量を減らす働きがあります。そのため過度の降圧利尿剤の服用は脱水の原因になります。
さらに、高血圧・糖尿病などの基礎疾患のある高齢者は、治療薬に利尿作用がある薬剤もあるので脱水になりやすい傾向になります。

高齢者は、もともと体液量をコントロールしたり貯蔵機能が低下しているため、若い頃より体液量が少なくなっています。水分摂取量も少なくなってきているので降圧利尿剤の服用には注意が必要です。


5.正答 
腎臓は、体内の余分な水分や電解質、老廃物などを尿として体外に排泄して水分量や体液の電解質のバランスを保つ働きもあります。そして、必要な水分と電解質は再吸収することで、体内を一定の環境に維持しています。
高齢者は、加齢により腎機能が低下し、再吸収能力が衰えているため、体内の水分の再吸収が少なくなってきています。

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02

正解は5です。

高齢者は腎機能が低下するため、多尿や頻尿になりやすく、脱水に繋がることがあります。

各選択肢については、以下の通りです。

1.高齢者は筋力の低下などに伴い、若年者よりも体全体の水分量は減少しています。

2.高齢者は感覚機能の低下に伴い、喉の渇きを感じにくくなるため、脱水症状になりやすくなっています。

3.高齢者は若年者に比べ、食事から摂取する水分量や、飲料として摂取する水分量も少ないことが特徴です。

4.降圧利尿薬により排尿作用が働き、脱水に繋がるおそれがあります。

この設問は一般的な視点で考えると容易に解答を導き出すことができますので、確実に正解したい問題です。

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03

正解は5です。

高齢者は加齢によって腎機能が低下し、腎臓による水の再吸収能力が低下しています。
また、再吸収できなかった水は尿として排出されるため、脱水症状を起こしやすくなります。


その他の選択肢の解説は以下のとおりです。

1→体重に対する水分の割合は年齢とともに減少し、高齢者で50%ほどと言われています。成人はおよそ60%、出生児や乳幼児はおよそ70%です。

2→加齢に伴い口渇中枢と呼ばれる感覚機能が低下し、喉の渇きを自覚しづらくなります。その結果、気づかないうちに脱水症状を招いてしまうことも珍しくありません。

3→「水分を蓄える筋肉の衰え」「食事量の減少」といった理由から、高齢者の水分摂取量は若年者よりも少なくなります。

4→降圧利尿薬によって水分の排出が促されるため、脱水症状を起こしやすくなります。

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