精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
心理学理論と心理的支援 問11
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問11 (訂正依頼・報告はこちら)
前期高齢者(65~74歳)における認知機能や知的機能の一般的な特徴について、適切なものを1つ選びなさい。
- 作動記憶の機能は、加齢による影響が顕著にみられる。
- エピソード記憶の機能は、加齢による影響がほとんどみられない。
- 意味記憶の機能は、加齢による影響が顕著にみられる。
- 流動性知能は、加齢による影響がほとんどみられない。
- 結晶性知能は、加齢による影響が顕著にみられる。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.正答
作動記憶の機能は加齢による影響が顕著にみられます。
作動記憶(ワーキングメモリー)とは、暗算をするときのように一時的に物事を保持して処理する記憶です。50歳以降、加齢とともに作動記憶の機能が低下するといわれ、一次的に物事を保持して処理することができなくなってきます。
2.誤答
エピソード記憶の機能は、加齢による影響がみられます。
エピソード記憶とは、「昨日の夕食は〇〇」といった、個人的出来事の記憶です。加齢とともに「いつ・誰と・どこで・どのように」などの記憶があいまいになってきます。
3.誤答
意味記憶の機能は、加齢による影響がほとんど見られません。
意味記憶とは、「知識の記憶」と言われ、今までの人生で培ってきた知識の記憶は年齢を重ねても簡単には忘れません。
4.誤答
流動性知能は、加齢による影響がみられます。
流動性知能とは、物事を柔軟に対応したり迅速さといった、臨機応変に状況に対応する際に必要な知能です。高齢とともに物事を処理するスピードや柔軟性といった知能は低下していきます。
5.誤答
結晶性知能は、加齢による影響はあまり見られません。
結晶性知能は、経験によって蓄積された知能のため経験を積むほどに知能が増えるといわれています。
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02
作動記憶(ワーキングメモリー)とは、入ってきた情報を一時的に記憶し、情報の整理や処理を行う仕組みをいいます。
高齢になると、作動記憶は低下していきます。
各選択肢については、以下の通りです。
2.エピソード記憶とは、その名の通り「過去の体験や出来事(エピソード)についての記憶」のことをいいます。
エピソード記憶も、加齢とともに記憶力が低下していきます。
3.意味記憶とは、「物事の意味や知識の記憶」です。
加齢による機能の影響はほとんど受けません。
4.流動性知能とは、「物事に対する情報処理や問題解決能力のこと」を指します。
また、新たな環境への適応能力や、新しい物事を学習する能力も、流動性知能に付随したものです。
流動性知能のピークは30歳ごろまでで、それ以降は加齢とともに衰えていきます。
5.結晶性知能とは「これまでの人生経験で蓄えた知識など」を指します。
加齢による影響はほとんど受けません。
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03
作動記憶(ワーキングメモリ)とは、作業や会話、学習などにおいて必要な情報を一時的に保ち、処理する能力のこと。
「最近ひとつ覚えるとひとつ抜け落ちるようになった」などとよく言われるのは、加齢による作動記憶の低下の現れと言えます。
その他の選択肢の解説は以下のとおりです。
2→エピソード記憶とは、個人が経験した出来事にまつわる記憶のこと。
「何をしたか」だけでなく、「誰としたか」「どこに居たか」「何を思ったか」などの付随する情報とともに記憶されていることが特徴です。
エピソード記憶の機能は加齢とともに低下し、「昨日の夕飯は何を食べたかな」「眼鏡はどこに置いたかな」といった事象が現れます。
3→意味記憶は知識に相当し、歳をとっても衰えづらいとされています。
4→流動性知能とは、新しい環境やシーンに適応するために必要な知能のこと。
具体的には思考力や計算力、処理のスピードなどが挙げられ、加齢とともに低下がみられます。
5→結晶性知能は、個人が今までの経験や学習から獲得してきた知能のこと。
具体的には言語能力や洞察力、理解力などが挙げられます。
過去の経験から培われた知能のため、加齢による影響を受けづらいとされています。
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