精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
現代社会と福祉 問24
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 現代社会と福祉 問24 (訂正依頼・報告はこちら)
1950年代から1970年代にかけての社会福祉の理論に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 木田徹郎は、社会事業を、資本主義の維持という側面から、賃金労働の再生産機構における「社会的問題」の緩和・解決の一形式と捉えた。
- 三浦文夫は、政策範疇(はんちゅう)としての社会福祉へのアプローチの方法として、ニード論や供給体制論を展開した。
- 岡村重夫は、生活権を起点に据えた実践論・運動論を組み入れた社会福祉学が総合的に体系化されなければならないと論じた。
- 孝橋正一は、社会福祉の固有の機能を、個人とそれを取り巻く環境との間の不均衡を調整し、環境への適応を促すことと論じた。
- 一番ヶ瀬康子は、政策論よりも援助技術論を重視すべきと論じた。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.誤答
木田徹郎は、『社会福祉事業』(1967年)を著し、制度と専門行動(技術)の統合を論しています。
社会事業を、資本主義の維持という側面から、賃金労働の再生産機構における「社会的問題」の緩和・解決の一形式と捉えたのは「孝橋正一」です。
孝橋正一は、資本主義を維持・存続させるためには、社会政策が対応すべきである社会問題への対策に限界があって機能しない場合には、それに代わって社会事業が対応する社会事業の補充性・代替性によって緩和・解決することが可能であると主張しました。
2.正答
三浦文夫は、政策論と技術論の対立構造を克服するために、ニード論や供給体制論を展開しています。
ニード論は、金銭給付によって充足されるニードの「貨幣的ニード」と金銭給付によっても充足されないニードの「非貨幣的ニード」の2つに分類しています。
供給体制論は、社会福祉の供給組織を、行政型供給組織・認可型供給組織・市場型供給組織・参加型供給組織に区分し、社会福祉の供給主体の多元化を主張しました。
3.誤答
生活権を起点に据えた実践論・運動論を組み入れた社会福祉学が総合的に体系化されなければならないと論じたのは、一番ケ瀬康子です。
4.誤答
社会福祉の固有の機能を、個人とそれを取り巻く環境との間の不均衡を調整し、環境への適応を促すことと論じたのは、岡村重夫です。
5.誤答
政策論と援助技術論の論争は、孝橋正一の孝橋理論といわれる「社会事業論(政策論)」と岡村重夫の岡村理論といわれる「社会福祉理論(技術論)」のことです。
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02
正解は2です。
三浦文夫は供給体制論において、社会福祉の供給組織を「行政型」「認可型」「市場型」「参加型」の4つに分類しています。
またニード論では、社会福祉ニードを「貨幣的」「非貨幣的」に分類し、貨幣的ニードから非貨幣的ニードへの変化を説明しています。
各選択肢については、以下の通りです。
1.選択肢の説明内容は、「孝橋正一」が論じたものです。
木田徹郎氏は制度と専門的技術の統合について論じています。
3.選択肢の内容は、「一番ケ瀬康子」が論じたものです。
4.選択肢の内容は、「岡村重夫」が論じたものです。
5.一番ケ瀬康子ではなく、「岡村重夫」が論じた内容の説明です。
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03
三浦文夫は、人々のニーズを貨幣的ニードと非貨幣的ニードに分類する「ニード論」や、福祉サービスの供給体制を多元化する「供給体制論」を唱えた社会福祉学者です。
その他の選択肢の解説は以下のとおりです。
1→『社会福祉事業』の著者である木田徹郎は、社会福祉学者として制度と技術の統合を論じています。
3→設問は一番ヶ瀬康子が論じた内容です。
4→設問は岡村重夫が論じた内容です。
5→一番ヶ瀬康子は、社会福祉を生活問題の解決を図る「目標としての福祉」と、目標達成に必要な政策・運動といった「手段としての福祉」に区分しました。
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