精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問131
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問131 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述のうち、ソーシャルインクルージョンの理念に基づいた精神保健福祉士の活動として、適切なものを1つ選びなさい。
- 生活困窮者の生活支援では、まずは救護施設への入所を勧める。
- 障害福祉サービスの利用相談では、病状の改善を前提とする。
- 就労準備支援では、就労先との面接で病名を開示しないよう助言する。
- ひきこもりの相談支援では、医療を提供することから始める。
- 施設開設の準備会の役員に、地域組織の代表の参加を依頼する。
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この過去問の解説 (3件)
01
1.×
生活困窮者自立支援法により、生活困窮者の自立の促進を図ることを目的として、生活困窮者が生活保護になる前の段階で早期に対応し、自立支援の強化を図ることとしているため、まず救護施設への入所を勧めることは、適切とはいえません。
また、救護施設は、身体上又は精神上著しい障害があるために日常生活を営むことが困難な要保護者を入所させて、生活扶助を行うことを目的とする施設です。
2.×
障害者サービスの利用相談は、病状の改善を前提とするものではなく、個々の障害のある人々の障害程度や勘案すべき事項(社会活動や介護者、居住等の状況)を踏まえ、個別に支給決定が行われるためであり、適切とはいえません。
3.×
就労先との面接で病名を開示しないよう助言するのではなく、本人の意思を尊重した支援が必要です。
就労準備支援は、生活リズムが崩れている、社会との関わりに不安がある、就労意欲が低いなどの理由で、就労に向けた準備が整っていない者に対し、就労に向けた準備としての基礎能力の形成からの支援を、計画的かつ一貫して実施する事業です。生活習慣の形成等、個人の状況に応じた支援を行うことで、一般就労に就くための基礎的な能力の習得を目指します。
4.×
ひきこもりの相談支援では、医療を提供することから始めるのではなく、自立に向けて早期に適切な機関につなぐことが必要です。
ひきこもり地域支援センターでは、ひきこもり支援コーディネーター(社会福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士等)が、ひきこもりの状態にある本人、家族からの電話、来所による相談や、家庭訪問を中心とした訪問支援を行うことにより、早期に適切な機関につなぐこと(自立への支援)を目的としています。
5.○
施設開設の準備会の役員に、地域組織の代表の参加を依頼することは、社会構成員としての責任を果たすことを実現できるよう支援することにあたるため、適切といえます。
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02
ソーシャルインクルージョンとは「全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」という理念のことをいいます。「社会的包摂」ともいいます。
1→まずはじめに施設への入所を勧めることは「社会の中に包摂すること」というソーシャルインクルージョンの理念において適切でないといえます。
2→病状の改善を前提とするのではなく、病状があってもサービスを利用し、地域の中で生活できることが大切です。
3→病名を開示しないよう助言するのではなく、開示については本人の意思であるといえます。
4→医療を提供することから始めることは適切ではないです。
5→地域組織の代表の参加を依頼することは適切といえます。
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03
正解は、5 です。
1 まずは当事者との面接から、当事者の意向や訴えを聴くことが大切であり、救護施設への入所を勧めることは不適切です。
2 病状だけではなく、当事者の置かれている環境や地域性などさまざまな要素に同時に目を向ける必要があります。利用相談の段階では、病状を考えながらも、どのような社会資源が適しているかなど「地域で暮らしていくこと」について考えていくことが大切です。
3 病名を開示するかしないかは、本人の意向をまず聴くことが大切です。
4 ひきこもりは、過去の生活歴や環境など、さまざまな要因が絡み合っている場合が多いので、医療が必要であるとは言い切れません。まずは本人との対話から始め、意向を聴くことが大切です。
5 ソーシャルインクルージョンは、「社会的包摂」と訳されます。専門職や当事者だけではなく、地域住民や民生委員など、地域全体で考えていくことが重要になります。そのため、地域組織の代表の参加を依頼することは適切です。
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