精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問136
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問136 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、次の問題について答えなさい。
〔事例〕
P市のAスクールソーシャルワーカー(精神保健福祉士)は、U小学校の教頭から5年生のBさん(11歳、女性)と面談してほしいと依頼を受けた。教頭の話によると、Bさんは1年前に両親が離婚し、3か月前に母親と共にP市に転入して二人で暮らしている。生活費等は父親が送金しているようである。U小学校に通い始めたものの遅刻や欠席が目立ち忘れ物も多く、登校しても表情は乏しくほとんど一人で過ごしている。心配した担任が母親に連絡を取ったところ、話のつじつまが合わず、周囲に悪い人たちがいて危ないと訴えていたという。Aスクールソーシャルワーカーが面接した際、Bさんはうつむいて黙り続けていたが、徐々に、「優しかったお母さんが変わってしまった。暗い顔してすごくつらそう。突然怖い顔して外に出るなと言ったり、夜中に壁に向かって何かをずっと言ったりしてすごく怖い」と話し、「私が何かいけないことしたのかな」と泣きじゃくった。
AスクールソーシャルワーカーはBさんの意向を確認した上で、P市を管轄する保健所のC精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)に相談し、Bさんと母親への支援の協力を依頼した。C精神保健福祉相談員は、Bさんの母親に精神疾患が疑われることから、医療・教育・行政機関が連携した支援チームをつくり、訪問による支援を開始した。
母親は支援チームのスタッフが訪ねても、初めのうちは玄関を開けてくれなかったが、訪問を繰り返すうちに顔を出すようになった。母親の話は脈絡のないことも多かったが、3年前に元夫に連れられて精神科を受診するようになったが、数か月前から通院をやめていたことが分かった。その後、母親は治療を再開し、訪問看護が行われた。この間、並行してBさんへの支援も行われ、Bさんは毎日登校できるようになった。(※2)
中学校に進学すると、BさんはC精神保健福祉相談員の紹介で精神障害のある親と暮らす子どもが集う会に参加し始めた。そして、「集う会では学校の友達に言えないことも話せる」とBさんが笑顔で話す様子もみられるようになった。
次のうち、(※2)の時点で支援チームが活用したBさんに対する支援として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
P市のAスクールソーシャルワーカー(精神保健福祉士)は、U小学校の教頭から5年生のBさん(11歳、女性)と面談してほしいと依頼を受けた。教頭の話によると、Bさんは1年前に両親が離婚し、3か月前に母親と共にP市に転入して二人で暮らしている。生活費等は父親が送金しているようである。U小学校に通い始めたものの遅刻や欠席が目立ち忘れ物も多く、登校しても表情は乏しくほとんど一人で過ごしている。心配した担任が母親に連絡を取ったところ、話のつじつまが合わず、周囲に悪い人たちがいて危ないと訴えていたという。Aスクールソーシャルワーカーが面接した際、Bさんはうつむいて黙り続けていたが、徐々に、「優しかったお母さんが変わってしまった。暗い顔してすごくつらそう。突然怖い顔して外に出るなと言ったり、夜中に壁に向かって何かをずっと言ったりしてすごく怖い」と話し、「私が何かいけないことしたのかな」と泣きじゃくった。
AスクールソーシャルワーカーはBさんの意向を確認した上で、P市を管轄する保健所のC精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)に相談し、Bさんと母親への支援の協力を依頼した。C精神保健福祉相談員は、Bさんの母親に精神疾患が疑われることから、医療・教育・行政機関が連携した支援チームをつくり、訪問による支援を開始した。
母親は支援チームのスタッフが訪ねても、初めのうちは玄関を開けてくれなかったが、訪問を繰り返すうちに顔を出すようになった。母親の話は脈絡のないことも多かったが、3年前に元夫に連れられて精神科を受診するようになったが、数か月前から通院をやめていたことが分かった。その後、母親は治療を再開し、訪問看護が行われた。この間、並行してBさんへの支援も行われ、Bさんは毎日登校できるようになった。(※2)
中学校に進学すると、BさんはC精神保健福祉相談員の紹介で精神障害のある親と暮らす子どもが集う会に参加し始めた。そして、「集う会では学校の友達に言えないことも話せる」とBさんが笑顔で話す様子もみられるようになった。
次のうち、(※2)の時点で支援チームが活用したBさんに対する支援として、適切なものを1つ選びなさい。
- 児童発達支援センターにおける心理的サポート
- U小学校におけるTEACCHプログラムの導入
- 保健所における精神障害を理解するための心理教育の実施
- 医療機関における内観療法による治療的アプローチ
- 放課後等デイサービスにおける交流の機会の提供
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この過去問の解説 (3件)
01
1.×
Bさんは、児童発達支援センターの対象になるとは見受けられないため、適切とはいえません。
「児童発達支援センター等は、主に未就学の障害のある子ども又はその可能性のある子どもに対し、個々の障害の状態及び発達の過程・特性等に応じた発達上の課題を達成させていくための本人への発達支援を行うほか、子どもの発達の基盤となる家族への支援に努めなければならない。また、地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進するため、保育所、認定こども園、幼稚園、小学校、特別支援学校(主に幼稚部及び小学部)等(以下「保育所等」という。)と連携を図りながら支援を行うとともに、専門的な知識・経験に基づき、保育所等の後方支援に努めなければならない。」としています。
2.×
TEACCHプログラムは、主に自閉症スペクトラムの児・者を対象とした療育方法のことで、Bさんはこの対象ではないため、適切ではありません。
3.○
保健所で心理教育を実施することで、母親やBさんの障害に対する理解が深まり、心身共に安定した生活を送れるよう支援することは、適切といえます。
4.×
内観療法とは、自分自身のことを観察し、見つめなおす精神療法のことですが、Bさんに必要であるとは見受けられないため、適切とはいえません。
5.×
Bさんは放課後等デイサービスの対象となるとは見受けられないため、適切ではありません。
放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害のある子どもに対して、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の子どもの状況に応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図る事業です。
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02
正解は3です。
1 ×
児童発達支援センターは、児童福祉法第四十三条に定められています。
障害児に対し、日常生活における基本的動作の指導、
独立自活に必要な知識技能の付与又は集団生活への適応のための訓練や治療を行う施設です。
Bさんが障害を持っているとの情報はなく、この施設の対象ではないと考えられます。
2 ×
T E A C C Hプログラムは、自閉症スペクトラムの療育方法の一つです。
Bさんが自閉症であるとの情報はなく、このプログラムを実施する必要性がないものと考えられます。
3 ○
精神保健及び精神保健福祉に関する法律 第二節 相談指導等 によると、
都道府県や保健所等において、精神障害者や家族等の相談指導が行われることとなっています。
Bさんが心理教育を受け、母親の疾患を理解し、対応することができると、
Bさんや母親が安定した生活を送ることができるようになっていきます。
保健所における精神障害を理解するための心理教育の実施は、
Bさんに対する支援として適切であると考えられます。
4 ×
内観療法は、過去の自分の行動や生活態度を対人関係を通して振りかえることを通して行われる治療の一つです。
事例の内容から、Bさんは治療の必要性はないと考えられます。
5 ×
放課後等デイサービスは、児童福祉法第六条によると、幼稚園及び大学を除く学校に就学している障害児に、
授業の終了後又は休業日に、生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進などを実施する施設です。
Bさんが障害を持っているとの情報はなく、この施設の対象ではないと考えられます。
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03
(※2)の時点では、Bさんの母親が治療を再開しました。そしてBさんも学校へ登校できるようになっています。
1→「児童発達支援センター」とは、身体、知的または精神に障害を持つ未就学の子どもに対する通所訓練施設です。現段階でBさんにそのような状態は話にでていないので、Bさんに対する支援として適切ではないです。
2→「TEACCHプログラム」とは、自閉症児支援のプログラムです。現段階でBさんにそのような状態は話にでていないので、Bさんに対する支援として適切ではないです。
3→「心理教育」とは、精神保健問題を抱える患者本人および家族に対して行う教育のことです。
Bさんが母親のことを理解していくうえで必要な支援といえます。
4→「内観療法」とは、精神療法です。Bさんに対する支援として適切ではないです。
5→放課後等デイサービスとは、障害のある学齢期児童を対象とした福祉サービスです。現段階でBさんにそのような状態は話にでていないので、Bさんに対する支援として適切ではないです。
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