精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問137
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問137 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、次の問題について答えなさい。
〔事例〕
P市のAスクールソーシャルワーカー(精神保健福祉士)は、U小学校の教頭から5年生のBさん(11歳、女性)と面談してほしいと依頼を受けた。教頭の話によると、Bさんは1年前に両親が離婚し、3か月前に母親と共にP市に転入して二人で暮らしている。生活費等は父親が送金しているようである。U小学校に通い始めたものの遅刻や欠席が目立ち忘れ物も多く、登校しても表情は乏しくほとんど一人で過ごしている。心配した担任が母親に連絡を取ったところ、話のつじつまが合わず、周囲に悪い人たちがいて危ないと訴えていたという。Aスクールソーシャルワーカーが面接した際、Bさんはうつむいて黙り続けていたが、徐々に、「優しかったお母さんが変わってしまった。暗い顔してすごくつらそう。突然怖い顔して外に出るなと言ったり、夜中に壁に向かって何かをずっと言ったりしてすごく怖い」と話し、「私が何かいけないことしたのかな」と泣きじゃくった。
AスクールソーシャルワーカーはBさんの意向を確認した上で、P市を管轄する保健所のC精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)に相談し、Bさんと母親への支援の協力を依頼した。C精神保健福祉相談員は、Bさんの母親に精神疾患が疑われることから、医療・教育・行政機関が連携した支援チームをつくり、訪問による支援を開始した。
母親は支援チームのスタッフが訪ねても、初めのうちは玄関を開けてくれなかったが、訪問を繰り返すうちに顔を出すようになった。母親の話は脈絡のないことも多かったが、3年前に元夫に連れられて精神科を受診するようになったが、数か月前から通院をやめていたことが分かった。その後、母親は治療を再開し、訪問看護が行われた。この間、並行してBさんへの支援も行われ、Bさんは毎日登校できるようになった。
中学校に進学すると、BさんはC精神保健福祉相談員の紹介で精神障害のある親と暮らす子どもが集う会に参加し始めた。そして、「集う会では学校の友達に言えないことも話せる」とBさんが笑顔で話す様子もみられるようになった。(※3)
次のうち、(※3)の時の話からBさんがこの会に参加することで得られていることとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
P市のAスクールソーシャルワーカー(精神保健福祉士)は、U小学校の教頭から5年生のBさん(11歳、女性)と面談してほしいと依頼を受けた。教頭の話によると、Bさんは1年前に両親が離婚し、3か月前に母親と共にP市に転入して二人で暮らしている。生活費等は父親が送金しているようである。U小学校に通い始めたものの遅刻や欠席が目立ち忘れ物も多く、登校しても表情は乏しくほとんど一人で過ごしている。心配した担任が母親に連絡を取ったところ、話のつじつまが合わず、周囲に悪い人たちがいて危ないと訴えていたという。Aスクールソーシャルワーカーが面接した際、Bさんはうつむいて黙り続けていたが、徐々に、「優しかったお母さんが変わってしまった。暗い顔してすごくつらそう。突然怖い顔して外に出るなと言ったり、夜中に壁に向かって何かをずっと言ったりしてすごく怖い」と話し、「私が何かいけないことしたのかな」と泣きじゃくった。
AスクールソーシャルワーカーはBさんの意向を確認した上で、P市を管轄する保健所のC精神保健福祉相談員(精神保健福祉士)に相談し、Bさんと母親への支援の協力を依頼した。C精神保健福祉相談員は、Bさんの母親に精神疾患が疑われることから、医療・教育・行政機関が連携した支援チームをつくり、訪問による支援を開始した。
母親は支援チームのスタッフが訪ねても、初めのうちは玄関を開けてくれなかったが、訪問を繰り返すうちに顔を出すようになった。母親の話は脈絡のないことも多かったが、3年前に元夫に連れられて精神科を受診するようになったが、数か月前から通院をやめていたことが分かった。その後、母親は治療を再開し、訪問看護が行われた。この間、並行してBさんへの支援も行われ、Bさんは毎日登校できるようになった。
中学校に進学すると、BさんはC精神保健福祉相談員の紹介で精神障害のある親と暮らす子どもが集う会に参加し始めた。そして、「集う会では学校の友達に言えないことも話せる」とBさんが笑顔で話す様子もみられるようになった。(※3)
次のうち、(※3)の時の話からBさんがこの会に参加することで得られていることとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
- 自分も誰かの役に立っているという自己肯定感
- 母親とうまく付き合っていくコツを学べた達成感
- これからなりたい自分をイメージできる充足感
- 同じ経験をしている人がいるという安心感
- 他の人たちと一緒に何かできるという期待感
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この過去問の解説 (3件)
01
1.×
誰かの役に立っているというよりも、Bさんにとって学校で言えないことも話せる場所になっていると言っているため、適切とはいえません。
2.×
母親とうまく付き合っていくコツを学んだというよりも、Bさんの気持ちを話せる場所になっていると考えられるため、適切とはいえません。
3.×
なりたい自分をイメージできる場ではなく、自分をさらけ出せる場となっていると考えられるため、適切とはいえません。
4.○
自分だけじゃないという安心感から、笑顔がみられるようになっていると考えられるため、適切といえます。
5.×
他の人たちと何かをできるという期待ではなく、他の人と共有できる安心感であると考えられるため、適切とはいえません。
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02
正解は4です。
1 ×
2 ×
3 ×
5 ×
精神障害のある親と暮らす子どもが集う会は、いわゆる家族会の一形態です。
家族会は、精神障害者を家族にもつ人たちが、お互いに悩みを共有し、お互いに支えあい、
地域で安心して生活できるための活動を行っています。
会に参加する中で、選択肢1〜3、5にあるように、
自己肯定感を得る経験や、障害を持つ母親への対応を学ぶ、
あるいはモデルとなる人物に出会ったり、仲間意識が高まる場面もあるかもしれませんが、
Bさんが「学校の友達に言えないことも話せる」と笑顔で話していることから、
これらの選択肢の優先順位は低くなるものと考えられます。
4 ○
Bさんが「学校の友達に言えないことも話せる」と話しているように、
家族会の中でも、子どもを対象とした会では、
精神障害のある親に育てられる中、学校の友達に話せないことなどを共有する場となります。
同じ経験をしている仲間の中で安心感を得られ、笑顔で話をすることができていると考えられます。
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03
(※3)の時は、Bさんが同じような境遇である人たちと関わり、自分が学校では話せないことを、集う会では「話すことができる」と実感していることが伺えます。
1→「誰かの役に立っている」という感覚は適切ではないです。
2→「うまく付き合っていくコツ」については特に話題に出ていないため適切ではないです。
3→「なりたい自分をイメージできる」という感覚は適切ではないです。
4→「話せないことも話せる」という言葉から、気持ちをオープンにできる場所と考えられます。それは安心感に結び付くものといえます。
5→「他の人たちと一緒に何かできる」=話し合える場と考えられますが、そこへの期待感の前に、今はまず「自分の気持ちを話せること」が第一にBさんが得られていることだと考えられます。
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