精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問140
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問140 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、次の問題について答えなさい。
〔事例〕
Q市の地域若者サポートステーション(以下、「Qステーション」という。)で働くD相談員(精神保健福祉士)のところへ、抑うつ傾向にあるEさん(32歳、女性)の母親が、娘の将来を案じ相談に訪れた。話を聴くと、Eさんは1年間の浪人生活の後に大学へ進学した。卒業後は、希望する職業はなく有期雇用の採用であった。デザイン会社、IT企業、不動産会社などを転々として働いたが、この半年間はあまり外出もせず、自宅で過ごす日々が続いている。
D相談員は、母親を通じEさんから了解を得て自宅を訪問した。数回の訪問の中で、Eさんから、「卒業後はリーマン・ショックによる就職難」「そして、結局有期雇用」「資格を取っても意味がなかった」といった傷ついた自尊心などが語られた。同世代のD相談員は、Eさんの話に共感し、「厳しい環境の中でも働けてきたこと」「働きながら資格を取り、様々な業種でキャリアを積んできたこと」「社会とつながろうとする気持ちがあったこと」などといったメッセージを返した。
その後、EさんはQステーションを訪れるようになり、再び就職してみたいと考え始め、「無理しない程度で、若い人たちと会えるような職場があれば」とD相談員に話した。D相談員は自分の出身大学に隣接した、学生に人気があるカフェで求人が出ていたことを思い出し、Eさんの自宅から近いことや土日が休みであることなど、Eさんの希望とも合うことから、求人面接にチャレンジしてみるよう話した。
その後、Eさんは無事に採用され、時には気分が落ち込むこともあったものの、D相談員との面談などにより支えられ、1年以上働き続けている。D相談員は、「働くことの息苦しさや困難さがあってもどうにかやってきたのですから、ここまでのことを誰かに伝えてみませんか」とEさんに提案してみた。「自分の体験が役に立つのなら、挑戦してみようかな」とEさんは話した。そこでD相談員は、このカフェを時々利用している自分のゼミの指導教員を訪ね、Eさんと大学生との交流ができないか相談した。
次のうち、D相談員がEさんに対する一連の支援の中で意識して取り組んだものとして、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Q市の地域若者サポートステーション(以下、「Qステーション」という。)で働くD相談員(精神保健福祉士)のところへ、抑うつ傾向にあるEさん(32歳、女性)の母親が、娘の将来を案じ相談に訪れた。話を聴くと、Eさんは1年間の浪人生活の後に大学へ進学した。卒業後は、希望する職業はなく有期雇用の採用であった。デザイン会社、IT企業、不動産会社などを転々として働いたが、この半年間はあまり外出もせず、自宅で過ごす日々が続いている。
D相談員は、母親を通じEさんから了解を得て自宅を訪問した。数回の訪問の中で、Eさんから、「卒業後はリーマン・ショックによる就職難」「そして、結局有期雇用」「資格を取っても意味がなかった」といった傷ついた自尊心などが語られた。同世代のD相談員は、Eさんの話に共感し、「厳しい環境の中でも働けてきたこと」「働きながら資格を取り、様々な業種でキャリアを積んできたこと」「社会とつながろうとする気持ちがあったこと」などといったメッセージを返した。
その後、EさんはQステーションを訪れるようになり、再び就職してみたいと考え始め、「無理しない程度で、若い人たちと会えるような職場があれば」とD相談員に話した。D相談員は自分の出身大学に隣接した、学生に人気があるカフェで求人が出ていたことを思い出し、Eさんの自宅から近いことや土日が休みであることなど、Eさんの希望とも合うことから、求人面接にチャレンジしてみるよう話した。
その後、Eさんは無事に採用され、時には気分が落ち込むこともあったものの、D相談員との面談などにより支えられ、1年以上働き続けている。D相談員は、「働くことの息苦しさや困難さがあってもどうにかやってきたのですから、ここまでのことを誰かに伝えてみませんか」とEさんに提案してみた。「自分の体験が役に立つのなら、挑戦してみようかな」とEさんは話した。そこでD相談員は、このカフェを時々利用している自分のゼミの指導教員を訪ね、Eさんと大学生との交流ができないか相談した。
次のうち、D相談員がEさんに対する一連の支援の中で意識して取り組んだものとして、適切なものを1つ選びなさい。
- 機能的アプローチ
- エンパワメントアプローチ
- エコロジカルアプローチ
- 問題解決アプローチ
- ユニタリーアプローチ
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この過去問の解説 (3件)
01
1.×
機能的アプローチとは、クライエント中心の立場で考えながらクライエントの成長や変化の過程を重視し、機関の機能を重視した方法です。
2.○
エンパワメントアプローチとは、クライエントの持っている力に着目し、その力を引き出すような支援をする方法です。
3.×
エコロジカルアプローチとは、人と環境による相互作用に着目して援助する方法です。
4.×
問題解決アプローチとは、人の生活は問題解決過程であるという視点で、自我心理学を導入した方法です。
5.×
ユニタリーアプローチとは、ソーシャルワークを問題解決として把握し、社会的学習に結びつける方法です。
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02
正解は2です。
1 ×
機能的アプローチとは、クライエントは潜在的な可能性を持つ存在であるととらえ、その社会的機能を高めることで問題解決を図る支援のことです。
2 ○
エンパワメントアプローチとは、クライエントが持っている力に着目し、その力を引き出して問題解決を図る支援のことです。
事例では、D相談員は、抑うつ状態にあるEさんと面接を行う中でEさんが持っている能力を引き出そうと試みています。
3 ×
エコロジカルアプローチとは、クライエントを家族、近隣、職場などの地域の中の一員としてとらえ、このクライエントと関わりのある環境との相互関係をもとにして援助を行うことです。
4 ×
問題解決アプローチとは、クライエントが本来持っている能力を活用して、部分化した問題の解決を図る支援のことです。
5 ×
ユニタリーアプローチは、一般システム理論を基盤として、クライエントの生活課題を統合的に捉えようとするアプローチのことをいいます。
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03
1→「機能的アプローチ」とは、社会的機能を高めるためのアプローチです。
2→「エンパワメントアプローチ」は、クライエントが持っている力や可能性に着目するアプローチのことをいいます。
D相談員はEさんのものの見方を再構築していくことを助け、自分の可能性に気づいてもらうため面接を受けるよう促すことをしました。
3→「エコロジカルアプローチ」は、人間と環境との相互作用に介入し課題解決を図るアプローチのことをいいます。
4→「問題解決アプローチ」は、問題解決の主体はクライエントであるとして問題解決能力を重視したアプローチのことをいいます。
5→「ユニタリーアプローチ」は、ゴールドシュタインが提唱したアプローチです。
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