精神保健福祉士の過去問
第22回(令和元年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問139
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問題
第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問139 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、次の問題について答えなさい。
〔事例〕
Q市の地域若者サポートステーション(以下、「Qステーション」という。)で働くD相談員(精神保健福祉士)のところへ、抑うつ傾向にあるEさん(32歳、女性)の母親が、娘の将来を案じ相談に訪れた。話を聴くと、Eさんは1年間の浪人生活の後に大学へ進学した。卒業後は、希望する職業はなく有期雇用の採用であった。デザイン会社、IT企業、不動産会社などを転々として働いたが、この半年間はあまり外出もせず、自宅で過ごす日々が続いている。
D相談員は、母親を通じEさんから了解を得て自宅を訪問した。数回の訪問の中で、Eさんから、「卒業後はリーマン・ショックによる就職難」「そして、結局有期雇用」「資格を取っても意味がなかった」といった傷ついた自尊心などが語られた。同世代のD相談員は、Eさんの話に共感し、「厳しい環境の中でも働けてきたこと」「働きながら資格を取り、様々な業種でキャリアを積んできたこと」「社会とつながろうとする気持ちがあったこと」などといったメッセージを返した。
その後、EさんはQステーションを訪れるようになり、再び就職してみたいと考え始め、「無理しない程度で、若い人たちと会えるような職場があれば」とD相談員に話した。D相談員は自分の出身大学に隣接した、学生に人気があるカフェで求人が出ていたことを思い出し、Eさんの自宅から近いことや土日が休みであることなど、Eさんの希望とも合うことから、求人面接にチャレンジしてみるよう話した。
その後、Eさんは無事に採用され、時には気分が落ち込むこともあったものの、D相談員との面談などにより支えられ、1年以上働き続けている。D相談員は、「働くことの息苦しさや困難さがあってもどうにかやってきたのですから、ここまでのことを誰かに伝えてみませんか」とEさんに提案してみた。「自分の体験が役に立つのなら、挑戦してみようかな」とEさんは話した。そこでD相談員は、このカフェを時々利用している自分のゼミの指導教員を訪ね、Eさんと大学生との交流ができないか相談した。
次の記述のうち、Eさんに求人面接を受けるように促したD相談員の意図として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Q市の地域若者サポートステーション(以下、「Qステーション」という。)で働くD相談員(精神保健福祉士)のところへ、抑うつ傾向にあるEさん(32歳、女性)の母親が、娘の将来を案じ相談に訪れた。話を聴くと、Eさんは1年間の浪人生活の後に大学へ進学した。卒業後は、希望する職業はなく有期雇用の採用であった。デザイン会社、IT企業、不動産会社などを転々として働いたが、この半年間はあまり外出もせず、自宅で過ごす日々が続いている。
D相談員は、母親を通じEさんから了解を得て自宅を訪問した。数回の訪問の中で、Eさんから、「卒業後はリーマン・ショックによる就職難」「そして、結局有期雇用」「資格を取っても意味がなかった」といった傷ついた自尊心などが語られた。同世代のD相談員は、Eさんの話に共感し、「厳しい環境の中でも働けてきたこと」「働きながら資格を取り、様々な業種でキャリアを積んできたこと」「社会とつながろうとする気持ちがあったこと」などといったメッセージを返した。
その後、EさんはQステーションを訪れるようになり、再び就職してみたいと考え始め、「無理しない程度で、若い人たちと会えるような職場があれば」とD相談員に話した。D相談員は自分の出身大学に隣接した、学生に人気があるカフェで求人が出ていたことを思い出し、Eさんの自宅から近いことや土日が休みであることなど、Eさんの希望とも合うことから、求人面接にチャレンジしてみるよう話した。
その後、Eさんは無事に採用され、時には気分が落ち込むこともあったものの、D相談員との面談などにより支えられ、1年以上働き続けている。D相談員は、「働くことの息苦しさや困難さがあってもどうにかやってきたのですから、ここまでのことを誰かに伝えてみませんか」とEさんに提案してみた。「自分の体験が役に立つのなら、挑戦してみようかな」とEさんは話した。そこでD相談員は、このカフェを時々利用している自分のゼミの指導教員を訪ね、Eさんと大学生との交流ができないか相談した。
次の記述のうち、Eさんに求人面接を受けるように促したD相談員の意図として、適切なものを1つ選びなさい。
- Eさんに労働の意味を理解してもらうため。
- Eさんの働く意欲を喚起するため。
- Eさんが人を相手にした職場で働けるかどうかを判断するため。
- Eさんに自分の可能性に気付いてもらうため。
- Eさんとカフェを経営する事業所との関係を深めてもらうため。
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この過去問の解説 (3件)
01
Eさんは労働の意味を理解していないわけでないため、適切とはいえません。
2.×
Eさんは再び就職しようと考え始めていることから、働く意欲はあるといえます。
3.×
Eさんは自尊心が傷ついたとは話していますが、人を相手にした職場で働けるか不安に思っていると見受けられないため、適切とはいえません。
4.○
Eさんは自尊心が傷ついたと話していることから、自分の可能性に気づくことが大切であるため、適切といえます。
5.×
Eさんが事務所との関係を深めることよりも、まずはEさん自身のやってみたいと思う気持ちに寄り添った支援が必要です。
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02
Eさんが自ら「再び就職してみたい」と考え始めた時に、D相談員は求人面接を受けるように促しました。
1→労働の意味を理解してもらうために求人面接を促したと考えるのは適切とはいえません。Eさんは労働の経験がありましたが、その中で「傷ついてしまったこと」が大きく心の中にある状態と言えます。
2→Eさん自ら「再び就職してみたい」という相談があったので、意欲を喚起するために求人面接を促したと考えるのは適切とはいえません。
3→仕事の適性を知ることも大切ですが、現段階ではEさんの仕事の適性(人を相手にした職場)を確かめることが、求人面接の目的であるとは考えにくいです。
4→就労経験はあるが過去の経歴から「傷ついてしまったこと」が大きくEさんの心の中にあります。Eさんに、自分の可能性に気づいてもらうため求人面接を促したといえます。
5→カフェを経営する事業所との関係を深めてもらうために、求人面接を促したと考えるのは適切とはいえません。
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03
正解は4です。
1 ×
Eさんは大学卒業後、仕事を続けてきており、労働の意味については理解されているものと考えられます。
2 ×
Eさんは、「再び就職してみたいと考えはじめている」ので、働く意欲があるものと考えられます。
3 ×
Eさんはこれまでいくつかの会社で働いた経験があり、人を相手にした職場での仕事に支障がないものと考えられます。
4 ○
Eさんは自尊心が傷ついていることを表現しており、自分の能力や可能性に自信がないことが考えられます。
また、Eさんは「無理しない程度で若い人たちと会えるような職場」なら就職したいと考えていました。
その希望に沿った求人があり、これをきっかけに、Eさんが自分の能力や可能性に気づけるよう、面接へのチャレンジをすすめたものと考えられます。
5 ×
Eさんは傷ついた自尊心などについて語っています。
カフェを経営する事業所との関係を深めることがEさんへの支援につながる可能性は低いと考えられます。
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