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精神保健福祉士の過去問 第22回(令和元年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問143

問題

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次の事例を読んで、次の問題について答えなさい。
〔事例〕
精神障害者雇用トータルサポーターのFさん(精神保健福祉士)は、ある日、従業員1,000名超の食品製造会社であるV社の人事課長の訪問を受けた。話を聞くと、障害者法定雇用率の達成には7名足りず、新たに法定雇用率の算定が見直されたこともあり、現在雇用していない精神障害者も雇用することで達成したいとのことであった。そして、障害者や高齢者や外国人など様々な従業員が活躍することで多様性のある企業として発展していきたいと話した。そこでV社としては、まず精神障害者の雇用に重点的に取り組みたいと考え、何から始めればよいか教えてほしいとのことであった。

半年後、V社が精神障害者雇用を進める中で人事課長からFさんに相談があった。話を聞くと、新たに雇用した精神障害者のGさん(40歳、女性)が、仕事で小さなミスが続いた後に出社できなくなり、退職を申し出たとのことであった。対応を依頼されたFさんはV社を訪問し、相談室でGさんと会った。Gさんは緊張した表情を見せながら、自分は会社の役に立っていないこと、仕事に自信がなくなったこと、会社に迷惑を掛けるから辞めたいことを小声で話した。Fさんは面接の中で、Gさんは無遅刻・無欠勤であったこと、部署では昼食弁当の注文係を自らやっていたことを引き出した。また、Fさんの問いかけに対してGさんは、来月には父親が定年退職なので、自分が無職になった後の生活が不安であることなどを語った。

そこで、Fさんの提案で、訪問型職場適応援助者を活用することとし、H職場適応援助者(精神保健福祉士)がGさんの支援に入った。(※3)

1か月後にFさんがV社を訪れると、Gさんは笑顔で仕事をしており、人事課長も喜んでいた。Fさんの援助もあり、人事課長は、「障害者の雇用継続に取り組むことで、従業員全体の退職者数も減り、社の雰囲気が変わり、働きやすい職場になった」と笑顔で話してくれた。

次の記述のうち、(※3)の時のH職場適応援助者が行った支援として、適切なものを2つ選びなさい。
   1 .
Gさんがミスをした作業の課題分析を行い、手順書を作成する。
   2 .
昼食弁当の注文係を他の職員に担当してもらい、Gさんの負担を減らす。
   3 .
Gさんの優れている点を伝えてもらうよう上司に依頼する。
   4 .
Gさんの経済的不安を解消するために、障害年金の申請準備をする。
   5 .
作業能力の低い人も働けるように、障害者専用の職務を作成する。
( 第22回(令和元年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問143 )
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この過去問の解説 (3件)

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 職場適応援助者(ジョブコーチ)とは、障害者に対しては、職場の人との関わり方や、効率の良い作業の進め方などを支援し、事業主に対しては、本人が力を発揮しやすい作業の提案や、障害特性を踏まえた仕事の教え方を支援します。職場適応援助者(ジョブコーチ)は、配置型、訪問型、企業在籍型の3つがあります。

1.○
 Gさんがミスをした作業の課題分析を行い、手順書を作成することは、効率が良くなるとともに、Gさんが仕事をしやすい環境に整える支援となるため正解となります。

2.×
 昼食弁当の注文係はGさんが自ら進んで行っている仕事であり、その役割を奪うことは適切ではありません。

3.○
 Gさんの優れている点を伝えてもらうよう上司に依頼することは、本人が力を発揮しやすい環境づくりの提案をアドバイスしていることから、適切といえます。

4.×
 Gさんの経済的不安を解消するために、障害年金の申請準備をすることは、職場適応援助者(ジョブコーチ)が行う支援とはいえません。

5.×
 作業能力の低い人も働けるように、障害者専用の職務を作成するのではなく、一人ひとりに合った仕事環境を整えていくことが大切です。

付箋メモを残すことが出来ます。
3

正解は1と3です。

職場適応援助者(ジョブコーチ)は、障害者の雇用の促進等に関する法律にもあるように、知的障害者等が職場に適応することを容易にするための援助を行う者をいいます。

配置型、訪問型、企業在籍型の3つの形があります。

1 ○

Gさんが出社できなくなり、退職を申し出る原因となったのは、仕事で小さなミスをしてしまったことでした。

Gさんのミスの原因を分析し、手順書を作成しておくことで、いつでも作業手順を確認することができ、安心して仕事ができる環境を整えることとなります。

2 ×

昼食の弁当の注文係については、Gさんが自ら行い始めたことであり、職場に馴染もうという気持ちの表れと考えられます。

3 ○

Gさんは、自分は会社の役に立っていない、自信がない、会社に迷惑をかけていると思っていますが、無遅刻・無欠勤であり、自分から昼食の弁当の注文を取っています。

こうした点を踏まえて、Gさんの優れている点を上司から伝えてもらえると、自信がもてたり、力を発揮していけるようになるものと考えられます。

4 ×

Gさんは、自分が退職した後の経済的な不安について話していますが、退職を申し出る原因が解消されたら、出社して仕事を続けることができる可能性があります。

また、障害年金の申請を準備するのであれば、まずGさんに確認する必要があります。

5 ×

Gさんの仕事上のミスは、作業能力の低さを表しているとは判断し難いです。

また、「障害者専用」という括りではなく、個々の力を発揮しやすいよう支援を行うことが大切です。

3
正解は1,3です。

1→Gさんは、小さなミスが続いた後に出社できなくなりました。その小さなミスを分析していくことは働く上での不安を解消する動きといえます。

2→注文係は、Gさんが自ら行っていた役割であったともいえます。「できていること」を取り除いてしまうことは支援として適切とはいえません。

3→Gさんは自信をなくしてしまっています。上司からGさんの優れているところを伝えることにより、Gさんの自信や肯定感をあげられると考えられます。

4→経済的不安があることは事実ですが、障害年金の申請準備をするかどうかはGさんの意思を確認する必要があります。準備の前に提案をすることが大切です。

5→Gさんのミスが続いたことや、働くことに自信がなくなったという言葉だけで「作業能力の低い人」と判断することは間違いです。

また障害者専用の職務を作成するというより、Gさんに合った働き方や働く上での問題点を考えることが職場適応援助者の求められる役割といえます。

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