精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
現代社会と福祉 問27

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問題

第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 現代社会と福祉 問27 (訂正依頼・報告はこちら)

各国の社会福祉や社会保障の現状に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • アメリカの公的医療保障制度には、低所得者向けのメディケアがある。
  • スウェーデンの社会サービス法では、住民が必要な援助を受けられるよう、コミューンが最終責任を負うこととなっている。
  • ドイツの社会福祉制度は、公的サービスが民間サービスに優先する補完性の原則に基づいている。
  • 中国の計画出産政策は、一組の夫婦につき子は一人までとする原則が維持されている。
  • 韓国の高齢者の介護保障(長期療養保障)制度は、原則として税方式で運用されている。

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この過去問の解説 (4件)

01

正解は2です。

スウェーデンでは、1980年に制定された「社会サービス法」により、福祉サービスを、ランスティング(県自治体)からコミューン(基礎自治体)に移行し、保健医療ケアはラスティング、高齢者や障害者などの福祉サービスをコミューンが実施することとなりました。

各選択肢については以下のとおりです。

1→アメリカのメディケアは、高齢者や障害者向けの公的医療保険です。低所得者向けの公的医療扶助としてメディケイドがあります。

3→ドイツの社会福祉制度は、民間サービスが公的サービスに優先する補完性の原則に基づくため誤りです。

4→中国は、人口増加を防ぐため2014年まで一人っ子政策を行なっていましたが、2016年より1組の夫婦につき子どもは2人までとする「二人っ子政策」が行なわれています。

5→韓国の高齢者の介護保障は、社会保険方式で運用されています。

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02

この問題は諸外国の社会福祉や社会保障の現状を詳細に問う問題です。

1→✕ アメリカの公的医療保障であるメディケアは高齢者を対象としている為誤答となります。

2→〇 スウェーデンの社会サービス法では、ランスティングと呼ばれる広域自治体が保健・医療サービスを提供し、コミューンと呼ばれる基礎自治体が高齢者・障害者サービスを提供します。そしてコミューンがそのサービス提供の最終責任を負うこととなっています。

3→✕ 補完性の原則では社会保障は国民の連帯によって成立し、国家の介入を避けるとあります。よって民間サービスが公的サービスより優先される為誤答となります。

4→✕ 計画出産政策は人口増加を防ぐために「一人っ子政策」を平成26年まで行っていましたが、平成28年より1組の夫婦につき子ども2人までとする「二人っ子政策」に切り替わりました。よって誤答となります。

5→✕ 韓国の高齢者の介護保障(長期療養保障)制度は保険料国庫支援利用者の自己負担で運用されている為誤答となります。

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03

1、不適切です。メディケアは65歳以上の高齢者や身体障害者、重度の慢性腎臓病等で透析が必要な方などが対象となります。低所得者向けの公的扶助としては「メディケイド」があります。

2、適切な内容です。スウェーデンではコミューンと呼ばれる自治体が福祉サービスの整備について責任を担っています。

3、不適切です。ドイツの社会福祉制度は補完性の原則に基づいており、民間サービスが公的サービスよりも優先される形をとっています。

4、不適切です。設問は中国におけるいわゆる「一人っ子政策」の事を指していますが、一人っ子政策は2016年に撤廃されています。

5、不適切です。韓国の高齢者の介護保障制度は、公的医療保険の被保険者から徴収した保険料、国庫からの負担金、利用者負担金を用いて運用されています。

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04

正解は2です。

1 ×

アメリカの公的医療保障制度のうち、低所得者を対象としているのは、メディケイドです。

メディケアは、高齢者等を対象としています。

2 ○

スウェーデンでは、福祉サービスは、コミューンが担当することとなっています。

3 ×

ドイツの社会福祉制度は、補完性の原則に基づいており、民間のサービスが公的なサービスに優先されます。

4 ×

中国の計画出産政策は、見直しがすすめられ、2016年には、1組の夫婦に子どもは2人までとの政策になりました。

5 ×

韓国の高齢者の介護保険制度は、公的医療保険の被保険者全てを対象として徴収した保険料、国庫負担と、自己負担により運用されています。

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