精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
権利擁護と成年後見制度 問78

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問題

第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 権利擁護と成年後見制度 問78 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
Dさんは、アパートの1室をEさんから月額賃料10万円で賃借し、一人暮らしをしている。Dさんには、唯一の親族として、遠方に住む子のFさんがいる。また、賃借をする際、Dさんの知人であるGさんは、Eさんとの間で、この賃貸借においてDさんがEさんに対して負担する債務を保証する旨の契約をしている。
  • Dさんが賃料の支払を1回でも怠れば、Eさんは催告をすることなく直ちに賃貸借契約を解除することができる。
  • Fさんは、Dさんが死亡した場合に、このアパートの賃借権を相続することができる。
  • Gさんは、保証が口頭での約束にすぎなかった場合でも、契約に従った保証をしなければならない。
  • Fさんは、Dさんが賃料を支払わないときに、賃借人として賃料を支払う責任を負う。
  • Gさんは、この賃貸借とは別にDさんがEさんから金銭を借り入れていた場合に、この金銭についても保証をしなければならない。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は2です。

事例で、子のFさんは唯一の親族と書かれているため、相続人はFさんになります。

民法896条により、FさんはDさんが死亡した場合、アパートの賃借権を相続することとなります。

各選択肢については以下のとおりです。

1→「直ちに解除できる」とありますが、賃貸借契約解除には、一般的に3ヶ月以上の家賃滞納があることとなっています。

3→民法446条2項により、書面で契約をしないと保証契約の効力はないと定められているため誤りです。

4→Fさんは保証契約を結んでいないため、賃料を支払う責任を負うことはありません。

5→Gさんは、Dさんのアパートの保証契約を結んではいますが、DさんがEさんから金銭を借り入れていることは、アパートの保証契約とは無関係のため誤りです。

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02

この問題は事例問題です。

*この場合、各登場人物における民法上の相続関係を詳細に問われる事から、非常に難問となります。

1→✕ 催告をすることなく直ちに賃貸借契約を解除することができるのは3カ月以上の家賃滞納が相場となる為誤答となります。

2→〇 問題文の通り、Dさんが死亡した場合に、唯一の親族であるFさんはこのアパートの賃借権を相続することができます。

3→✕ この場合、書面での約束で契約に従った保証をしなければならない為、口約束では該当しません。

4→✕ この場合、Fさんは保証人として契約していないため誤答となります。

5→✕ GさんはDさんのアパートの保証人契約がありますが、Dさんの金銭借り入れに関しては保証人契約の対象外であるため誤答となります。

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03

1、不適切です。賃料の支払がなされなかった場合、相当の期間をあらかじめ契約書に定めておき、繰り返し催告を行っても支払がなされなかった(債務不履行)際には、賃貸借契約を解除する事ができます。

2、適切な内容です。民法896条により、建物の貸借権は相続の対象とされています。

3、不適切です。保証人契約は書面または電磁的記録によって行われた場合のみ有効となります。(民法446条の2、446条の3)口約束では無効となるため、Gさんは保証を行う必要はありません。

4、不適切です。Fさんは実子ではありますが、アパートの賃貸借契約の保証人となる契約は交わしていないため、Dさんの賃料を支払う義務はありません。

5、不適切です。Dさんがお金を借り入れていた場合であっても、その契約と賃貸借契約は全くの別契約となります。Gさんがその金銭について保証する義務はありません。

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