精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
権利擁護と成年後見制度 問79

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問題

第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 権利擁護と成年後見制度 問79 (訂正依頼・報告はこちら)

遺言に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 公正証書遺言は、家庭裁判所の検認を必要とする。
  • 聴覚・言語機能障害により遺言の趣旨を公証人に口授することができない場合は、公正証書遺言を作成することができない。
  • 法定相続人の遺留分を侵害する内容の遺言は、その全部について無効となる。
  • 前の遺言が後の遺言と抵触している場合、その抵触する部分について、後の遺言で前の遺言を撤回したものとはみなされない。
  • 被保佐人が遺言を作成するには、保佐人の同意は不要である。

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この過去問の解説 (3件)

01

民法第973条にて、民法第13条(保佐人の同意を必要とする9条がさだめられています)の規定が遺言については適用されないとあります。

各選択肢については以下のとおりです。

選択肢1. 公正証書遺言は、家庭裁判所の検認を必要とする。

遺言には、「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」「公正証書遺言」の3つがあり、そのうち、「自筆証書遺言」と「秘密証書遺言」は家庭裁判所の検認(遺言書を確認し、偽造の疑いをなくすこと)が必要ですが、「公正証書遺言」は検認が不要のため誤りです。公正証書とは、公証人法に基づき法務大臣に任命された公証人が作成する公文書です。

選択肢2. 聴覚・言語機能障害により遺言の趣旨を公証人に口授することができない場合は、公正証書遺言を作成することができない。

民法第969条2項により、聴覚・言語機能障害がある遺言者でも、通訳人を通しての申述や、自筆により、公正証書遺言の作成が可能なため誤りです。

選択肢3. 法定相続人の遺留分を侵害する内容の遺言は、その全部について無効となる。

遺留分(法定で定められた、受け取ることができる遺産のことです。)を侵害する遺言であっても、その遺言自体は有効となるため誤りです。遺留分侵害の限度で、贈与や遺贈された財産の返還を請求することができます。

選択肢4. 前の遺言が後の遺言と抵触している場合、その抵触する部分について、後の遺言で前の遺言を撤回したものとはみなされない。

民法第1023条1項により、前の遺言が後の遺言と抵触するときは、前の遺言の抵触部分は撤回されたものとみなされるため誤りです。

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02

この問題は遺言に関して、法律の観点からその詳細を問われます。

選択肢1. 公正証書遺言は、家庭裁判所の検認を必要とする。

✕ 公正証書遺言作成の場合は検認は不要のため誤答となります。

選択肢2. 聴覚・言語機能障害により遺言の趣旨を公証人に口授することができない場合は、公正証書遺言を作成することができない。

✕ 聴覚・言語機能障害により遺言の趣旨を公証人に口授することができない場合でも、通訳人を通しての申述や自筆により公正証書遺言を作成することができるため誤答となります。

選択肢3. 法定相続人の遺留分を侵害する内容の遺言は、その全部について無効となる。

✕ 法定相続人の遺留分を侵害する内容の遺言でも有効となるため誤答となります。

選択肢4. 前の遺言が後の遺言と抵触している場合、その抵触する部分について、後の遺言で前の遺言を撤回したものとはみなされない。

✕ 前の遺言が後の遺言と抵触している場合、民法第1023条第1項においてその抵触する部分について後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなされます。

選択肢5. 被保佐人が遺言を作成するには、保佐人の同意は不要である。

〇 問題文の通り、被保佐人が遺言を作成するには保佐人の同意は不要となります。

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03

正解は「被保佐人が遺言を作成するには、保佐人の同意は不要である。」です。

選択肢1. 公正証書遺言は、家庭裁判所の検認を必要とする。

不適切です。公正証書遺言および法務局に保管されている自筆証書遺言は検認の必要はありません。

選択肢2. 聴覚・言語機能障害により遺言の趣旨を公証人に口授することができない場合は、公正証書遺言を作成することができない。

不適切です。聴覚・言語機能障害があり公証人に遺言の趣旨を口授できなくても、筆記や手話などで遺言者の意思を公証人に正確に伝達する事が出来れば公正証書遺言を作成する事は可能です。

選択肢3. 法定相続人の遺留分を侵害する内容の遺言は、その全部について無効となる。

不適切です。法定相続人の遺留分を侵害する遺言であったとしても、無効となる事はありません。ただし、遺留分を侵害された相続人は受け取れるはずであった遺産を受け取るために、遺留分減殺請求を行うことが可能です。

選択肢4. 前の遺言が後の遺言と抵触している場合、その抵触する部分について、後の遺言で前の遺言を撤回したものとはみなされない。

不適切です。後遺言優先の原則に基づき、後の遺言書と前の遺言書が抵触する部分は後の遺言書の内容が有効となります。

選択肢5. 被保佐人が遺言を作成するには、保佐人の同意は不要である。

適切な内容です。被保佐人は遺言を作成出来る意思能力を有している人であれば遺言を作成する事が可能であり、保佐人の同意は必要ありません。

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