精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
精神疾患とその治療 問85
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問題
第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問85 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん( 68歳、男性)は脳梗塞の既往がある。日常生活は支障なく、自立していた。慢性腎不全の治療で入院中、3日前から38℃の発熱があり昨夜に解熱鎮痛薬を服用したところ、出勤すると言って深夜に着替えて出掛けようとした。今朝は傾眠状態である。
次のうち、この患者に疑われる疾患又は病態として、適切なものを1つ選びなさい。
次のうち、この患者に疑われる疾患又は病態として、適切なものを1つ選びなさい。
- 急性ストレス反応(急性ストレス障害)
- 身体症状症(身体表現性障害)
- 統合失調症
- せん妄
- アルツハイマー型認知症
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この過去問の解説 (3件)
01
1、不適切です。急性ストレス反応(急性ストレス障害)は、強い精神的なストレスがかかる事によって引き起こされます。本事例の場合、それに該当するような記載は見受けられません。
2、不適切です。身体症状症(身体表現性障害)は、体に痛みやだるさなどの症状が出ているのに、検査しても病気が見つからない状態が長期間継続する事を言います。本事例においてAさんに自覚症状がある心身の不調は記載されていません。
3、不適切です。統合失調症では「他者から悪口を言われている」などの妄想や、実際には聞こえていない声が聞こえるなどの幻聴が特徴的な症状です。しかし、本事例においてそのような症状は見られていません。
4、適切な内容です。せん妄は環境の変化や薬剤の影響などにより、見当識障害を引き起こしたり、活動性の低下が急に起きる事などが特徴として挙げられます。本事例においては発熱による鎮痛剤を服用した後に症状が出現しているため、せん妄の特徴に合致します。
5、不適切です。アルツハイマー型認知症においては物忘れの症状が特徴的ですが、本事例においてはそのような記載はありません。
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02
正解は、4 です。
1 不適切です。「急性ストレス障害」とは、強いストレスを感じたことにより引き起こされます。問題文からそのようなことは読み取れません。
2 不適切です。「身体症状症」とは、継続的に身体症状がみられ、その症状によって心配や日常的な生活動作に問題が生じてくることを言います。問題文から継続的な症状ではないことが読み取れます。
3 不適切です。「統合失調症」では、幻覚や妄想の出現や意欲の低下がみられます。問題文からそのような症状は読み取れません。
4 適切です。「せん妄」では、場所や時間を認識する見当識に障害が生じます。深夜に出勤しようとしたことから、「せん妄」が適切です。
5 不適切です。「アルツハイマー型認知症」は、徐々に脳が萎縮することによって症状が現れる病気です。問題文では、急に起こったことが読み取れますので、不適切です。
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03
正解は、 4 です。
1.×
急性ストレス障害のように、身体や精神に強いストレス負荷を受けていません。
2.×
本人の様子から、心理的な要因がはっきりせず、日常生活は自立していることから身体症状症はみられません。
3.×
本人の様子から、統合失調症のような幻覚などの陽性症状や、感情が鈍るなどの陰性症状がみられません。
4.〇
本人の様子から、年齢や脳梗塞の既往歴により、脳の機能に何らかの影響を受けていると考えられます。せん妄は、そのような脳の機能の影響により、軽度から中度の意識の混濁や幻覚、錯覚、不安、興奮がみられる状態があります。
5.×
設問により、本人の様子からアルツハイマー型認知症のような認知機能の低下は見られません。
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