精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
精神保健の課題と支援 問95
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問題
第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健の課題と支援 問95 (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、予防精神医学の概念を提唱した人物として、適切なものを1つ選びなさい。
- ソンダース( Saunders, C.)
- カプラン( Caplan, G.)
- 呉秀三
- ピアジェ( Piaget, J.)
- フロイト( Freud, S.)
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この過去問の解説 (3件)
01
1.×です。ソンダースは末期癌患者とのやり取りを通して、「全人的苦痛」を提唱した人物です。この「全人的苦痛」とは身体的苦痛、精神的苦痛、社会的苦痛、スピリチュアル的な苦痛といった4つの苦痛から形成されるものであり、末期癌等予後不良の患者が体験している苦痛の事です。
2.○です。カプランは予防について、一次予防、二次予防、三次予防と3つのカテゴリーに区分しました。
3.×です。呉秀三はクレペリン学派の精神病学を通じて、精神病者監護法を改正する働きをしました。当時の被監置精神病者の実態調査を行っていき、その実情を明らかにしていった人物であります。
4.×です。ピアジェは人の発達段階について研究し、提唱した人物です。子どもの認知機能は感覚運動期、前操作期、具体的操作期、形式的操作期を経て、発達していくと考えました。
5.×です。フロイトは各発達段階における執着や固着等によって、性格や病理を考えていった人物であります。その他にも口唇期、肛門期、男根期、潜伏期、性愛器の5つをまとめた発達理論を提唱しています。
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02
1、不適切です。ソンダースは末期がん患者等が経験する苦痛を全人的苦痛と表現し、それらを「身体的苦痛」「精神的苦痛」「社会的苦痛」「スピリチュアルな苦痛」の4つに分類しました。また、ソンダースはホスピス運動の先駆者として有名です。
2、適切な内容です。カプランは病気の発生自体を予防する一次予防、病気をなるべく早めに発見する事や病気の早期治療を実施する二次予防、病気の再発防止や治療後の社会復帰を行う三次予防の3段階に分けた「予防的介入」を提唱し、予防精神医学の概念を提唱しました。
3、不適切です。呉秀三は精神病学の基礎を築き、精神病者監護法に基づく私宅監置の実態調査を実施した人物です。
4、不適切です。ピアジェは子どもの認知機能は外界の様々な刺激を受け、それを取り入れる事で成長するという思考発達段階説を提唱しました。
5、不適切です。フロイトは患者の心に焦点を当て、その心理を把握する事で病気の治療に活かす「精神分析」を体系化しました。
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03
正解は、 2 です。
1.✕
ソンダースは、終末期のがん患者の医療に関わる中で、患者が体験する複雑な苦痛のことを、全人的苦痛と呼ばれる概念を提唱しました。ホスピスの創始者でもあります。
2.〇
カプランは、精神障害の予防及び管理に関する地域プログラムを予防精神医学と呼びました。
3.✕
呉秀三は、私宅監置の実態調査を行いました。
4.✕
ピアジェは、認知発達理論を提唱しました。
5.✕
フロイトは、精神分析を提唱しました。
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