精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問106

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問題

第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問106 (訂正依頼・報告はこちら)

事例を読んで、この時点で、サービス管理責任者であるB精神保健福祉士がCさんに行うべき対応として、適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
就労移行支援事業所を利用しているCさん( 47歳、男性)は、企業への就職を目標としている。支援を受けながら就職活動を続けているが、採用面接を受けてもなかなか決まらないでいる。最近では、イライラを募らせ物に当たったり、反対に塞ぎ込んだりする様子が見られていた。昨日、Cさんは感情を抑えることができず、若い職員に対して、「なぜ、他の人には良い職場を紹介するんだ」「どうせ俺は働けないと馬鹿にしているんだろう」「お前は素人か」と語気を強めた。そこでB精神保健福祉士は、今後のことについてCさんと話合いをすることにした。
  • 就職に結び付かない現状を受け止められるよう、つらさをくみとる。
  • 若い職員であっても、十分な知識や技術を持っていることを説明する。
  • これからはCさんと同年代の職員が、常に担当することを提案する。
  • 求職活動を一旦中断し、趣味の時間を増やすことを勧める。
  • 感情を抑えることができなければ、利用中止になることを伝える。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、相談援助の場面です。相談援助には、以下のような「バイスティックの7原則」というものがあります。

①個別化 ②意図的な感情表出 ③統制された情緒的関与 ④受容 ⑤非審判的態度 ⑥自己決定 ⑦秘密保持

これを元にする事で、正答を選びやすくなります。

1. ○です。Cさんの思考や感情を受容しましょう。

2.×です。まずは、Cさんの思いを受容する所から始めます。

3.×です。この設問は今後のCさんへの支援においての支援方法の一つですが、まずはCさんの気持ちを汲み取る所から始めます。

4.×です。Cさんは「企業への就職を目標」としており、「採用面接を受けてもなかなか決まらない」とされています。働く意志や能力は持っているため、Cさんの意向に沿った支援を展開する必要があります。

5.×です。バイスティックの7原則の1つに「意図的な感情表出」がありますが、これは利用者の色々な感情(表現)を認める事を指します。そのため、「感情を抑える事ができなければ…」と利用者の表出する感情に制限をかけてはいけません。

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02

1、〇 本事例において、Cさんのイライラの原因は採用面接を受けても就職に結びつかない事にあると考えられます。その現状を受け止められるよう関わる事は、適切な支援方法であると言えます。

2、✕ 若い職員が担当した事で就職に結びつかないとCさんが考えている可能性があります。しかし、その職員の知識や技術を保障する言葉を最初からCさんに伝えれば、自分の思いを否定されたように感じてしまい、ますます関係性が悪くなることが考えられます。まずはCさんの思いを受容するよう関わる事が求められると考えられます。

3、✕ Cさんの担当を変更するようCさん自身が希望しているわけではありません。同年代の職員を担当させるのではなく、Cさんと信頼関係を築いていけるよう関わる必要があると考えられます。

4、✕ Cさんの目標は企業への就職であり、それが決定しない事によって感情が不安定になっている様子が事例から読み取れます。求職活動を中断する事は、Cさんの目標から遠ざかってしまい、Cさんの意向とは異なるため、適切な支援内容とは言えません。

5、✕ Cさんが感情を表出している事を止めるのではなく、表出している感情からCさんの気持ちを汲み取り、Cさんが抱えている問題を知るよう関わりを持つ必要があります。支援者として感情表出を止めるような言動は適切とは言えません。

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03

正解は、 1 です。

相談援助の原則の一つに、「バイスティックの7原則」があります。1.個別化、2.意図的な感情表出、3.統制された情緒的関与、4.受容、5.非審判的態度、6.自己決定、7.秘密保持があります。これらの原則から問題を考えます。

1.〇

選択肢は、バイスティックの7原則の「受容」になります。

2.✕

選択肢は、若い職員をかばうような説明をしていると、Cさんが受け取る可能性があります。

3.✕

Cさんの思いを十分に聞いていない状況で職員を変更することは、Cさんとの関係づくりにおいても良くないと考えられます。Cさんが設問で語気を強めた理由や状況、Cさんの思いを知る必要があります。

4.✕

選択肢3と同様に、Cさんの思いを十分に聞けていない状況での提案は逆効果になる可能性があります。

5.✕

感情を抑えることは、バイスティックの7原則の「意図的な感情表出」に反することです。Cさんの思いやなぜ設問のような言葉を発したのか聴いたり、一緒に考えて行く姿勢が大事です。利用中止を伝える権限は、サービス管理責任者にはありません。

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