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精神保健福祉士の過去問 第23回(令和2年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問120

問題

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人口40万人のN市では、市の自殺対策推進計画に基づいて、市保健所が中心となり自殺対策を推進している。中学生の自殺報道が続いたため、市の中学校関係者や住民より、「自殺の連鎖が起こらないよう、取組を強化してほしい」と、市保健所へ要望が相次いだ。自殺対策の担当であるG精神保健福祉相談員は、市自殺対策推進会議で、児童生徒など若年層への予防的取組の強化を提案することとした。

次の記述のうち、この時点でのG精神保健福祉相談員の提案内容として、適切なものを2つ選びなさい。
   1 .
教師を対象とした、ゲートキーパーの養成研修を開催する。
   2 .
自殺の相談は、保健所での来所面接で一括して対応する。
   3 .
自殺の危険性が高い人の早期発見は、精神保健福祉士の固有の役割であることを広報する。
   4 .
メディアリテラシー教育とともに、情報モラル教育及び違法・有害情報対策に協力する。
   5 .
自殺の連鎖を防ぐため、自殺の場所や手段などの詳細を繰り返し伝える。
( 第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問120 )
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この過去問の解説 (3件)

26

正解は、 1 と 4 です。

1.適切です。「ゲートキーパーの養成研修を開催する」ことは、自殺総合対策大綱のなかの重点施策の一つになっています。また、2016年、都道府県・指定都市に置かれた地域自殺対策推進センターの業務の一つにもなります。

2.適切ではありません。「自殺の相談は、保健所での来所面接で一括して対応する」ことは、適切ではありません。厚生労働省における自殺・うつ病等への対策5本柱の一つに、「アウトリーチ(訪問支援)の充実」があります。来所相談だけでは支援が行き届かない可能性があります。地域の様々な方たちと連携しながら支援や体制を作っていく必要があります。

3.適切ではありません。「自殺の危険性が高い人の早期発見は、精神保健福祉士の固有の役割」ではありません。厚生労働省における自殺・うつ病等への対策5本柱の一つに、「ゲートキーパーの充実と地域連携体制の構築」があります。また、自殺総合対策大綱のなかの重点施策の一つに、「国民一人ひとりの気づきと見守りを促す」ことがあります。そのため、専門職以外にも地域の様々な人たちが早期発見でき、必要な支援につなげるように研修や啓発活動、連携が必要になってきます。

4.適切です。「メディアリテラシー教育」とは、メディアからの情報をうのみにせず、主体的に、または批評的に読み解いていく力や、目的に応じてメディアから効果的に情報を発信する力を育てていくことを言います。過剰な自殺報道や、有名人の自殺報道で自殺模倣も起きる事例、近年の若年層の自殺率増加の傾向もあり、「予防的取組の強化」の一つとして、メディアリテラシーが大事になります。

5.適切ではありません。World Health Organization (WHO) 自殺総合対策推進センター訳「自殺対策を推進するために メディア関係者に知ってもらいたい 基礎知識 2017年 最新版」に、報道の仕方が項目ごとに書かれてあります。その項目に、「自殺に用いた手段について明確に表現しないこと」、「自殺が発生した現場や場所の詳細を伝えないこと」、「報道を繰り返さないこと」が書かれてあります。そのため、選択肢の「自殺の場所や手段などの詳細を繰り返し伝える」ことは、自殺の連鎖を防ぐことにはなりません。

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3

1、適切な内容です。厚生労働省ホームページによれば、ゲートキーパーとは「自殺の危険を示すサインに気づき、適切な対応(声掛け等)をはかる事が出来る人」の事を指します。若年層に対する自殺の予防的取組の強化を行うに当たって、教師に対してゲートキーパーの養成研修を行う事は、児童生徒の身近に存在する大人がその役割を担う事に繋がるため、有効な提案内容であると考えられます。

2、不適切です。自殺の相談をするにあたって、相談場所や相談方法を限定する事は相談の間口を狭めてしまう事になります。幅広く相談を受け付けるためには、相談方法や場所などを複数設定するなど工夫が必要であると考えられます。また、相談を待つだけではなく、時には地域に出向き、自ら情報収集を行うアウトリーチを織り交ぜた実践がより効果的であると言えます。

3、不適切です。自殺の危険性が高い人の早期発見は、精神保健福祉士はもちろんの事、その人を取り巻く人達の協力を得ながら行う必要があります。早期発見の役割を精神保健福祉士固有の役割とせず、様々な関連分野の専門職やその人の家族など身近な人の協力を得ながら行う活動であると考えられます。

4、適切な内容です。「メディアリテラシー」とはメディア(新聞やラジオ、インターネット等)からの情報をそのまま信用するのではなく、自らその情報の意味を考えて判断する能力の事を言います。現代では情報があふれており、それらを得る方法も過去と比較して容易となっています。児童生徒を傷つける有害な情報から児童生徒を守るために、自ら力をつけられるよう働きかける事は、自殺対策の予防的取組の一環として有効であると考えられます。

5、不適切です。自殺の場所や手段などの詳細を広く伝えれば、自殺を考えている児童生徒がそれを容易に実践する事が出来る知識がついてしまいます。その結果、自殺者数の増加に繋がりかねないため、精神保健福祉士の自殺予防の取組の提案内容として適切ではありません。

2

正解は、1・4 です。

1 「ゲートキーパー」とは門番を意味し、職場や学校などで悩んでいる人に気づき、必要な声かけや支援につなげる人のことを指します。「児童生徒など若年層への予防的取組の強化」とありますので、教師を対象として養成研修を開催することは、適切です。

2 不適切です。「来所面接」や「一括して」のみではなく広義に捉え、アウトリーチを行うことや、教師・地域住民など身の回りの人と一緒に自殺対策に取り組んでいくことが重要です。

3 不適切です。早期発見は、精神保健福祉士固有の役割ではなく、当事者の家族や友達、教師など身の回りの人の気づきが重要です。

4 自殺には様々な要因があり、その一つとしてメディアからの情報も含まれるため、提案内容として適切です。

5 不適切です。自殺の場所や手段などを繰り返し伝えることは、自殺を防ぐことにつながりません。

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