精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問121

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問121 (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、アンソニー( Anthony, W.)らの提唱した精神科リハビリテーションの基本原則に関する記述として、適切なものを1つ選びなさい。
  • 様々な技法を駆使するよりも、特定の技法を適用する。
  • 障害のレベルに応じて、本人の参加の可否を判断する。
  • 生活能力の向上よりも、症状の軽減を優先する。
  • 熟慮した上で依存を増やすことは、結果的には本人の自立につながる。
  • 本人の技能開発の積み重ねが、回復の十分条件となる。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (3件)

01

正解は、 4 です。

アンソニーらは、精神科リハビリテーションの9つの基本原則(以下、基本原則)をあげています。

1.適切ではありません。基本原則の一つに「さまざまな技法を駆使して臨機応変に対応すること」とされています。

2.適切ではありません。基本原則の一つに「当事者の参加」があります。すべての過程で本人の参加を保障する必要があります。

3.適切ではありません。基本原則に「障がいを抱えた人の能力の改善」、「当事者の必要とする環境における行動の改善」、「薬物療法」があります。そのため、「薬物療法」による症状の改善だけではなく、生活する能力や取り巻く環境の整備など、多面的に行われる必要があります。

4.適切です。基本原則に「熟慮した上でのケア提供者への依存は、本人の自立につながる」とあります。

5.適切ではありません。基本原則に「当事者の技能開発と環境的支援開発」があります。当事者が個人的・身体的・社会的に持つ肯定的な部分の活用と、当事者の周りにある家族や友人、知人、専門職、関係機関等のインフォーマルやフォーマルな資源をつないだり、見つけたりしながら支援に活かすことが大事になります。当事者自身と環境の開発を両輪で行っていくことが大事になります。

上記以外の基本原則には、「職業上の予後を改善すること」、「希望は不可欠な構成要素であること」があります。

参考になった数24

02

1、不適切です。アンソニーの9原則においては「多様な技術の駆使」が挙げられています。特定の技法にこだわるのではなく、クライエントの状況に応じて臨機応変に対応する事が必要と考えられます。

2、不適切です。アンソニーは「当事者の参加」を原則として挙げています。障害のレベルに応じて参加の可否を支援者が勝手に判断してはいけません。

3、不適切です。アンソニーは「障害を持つ当事者の能力改善」「環境における当事者の行動の改善」を原則として挙げています。原則には薬物療法も挙げられていますが、病状の回復のみならず、当事者が置かれている生活環境や保有能力の向上なども重要であると定義しています。

4、適切な内容です。アンソニーは熟慮した上での依存は自立に繋がる事を原則の中で挙げています。過度な依存は自立を阻害してしまいますが、全てを一人で行う事は難しく、本人が熟慮した結果で他者に頼る事は自分自身の生活の意思決定を自分で行う事にも繋がり、結果的に自立を促進する事に繋がります。

5、不適切です。アンソニーの原則として「当事者の技能開発と環境的支援開発」が挙げられています。当事者の技能開発だけでは不十分であり、それらを支援する人的、環境的な社会資源を開発したり、当事者を取り巻く環境の中で活用できる社会資源と結びつける事が当事者の支援に必要であると考えられています。

参考になった数7

03

正解は、 です。

1 不適切です。特定の技法ではなく様々な技法を駆使し臨機応変であることとされています。

2 不適切です。当事者の参加が必要であるとされています。

3 不適切です。生活環境における本人の行動や能力が改善することとされています。

4 適切です。

5 不適切です。当事者の技能開発のみではなく、フォーマル・インフォーマルを含めた社会資源の開発など環境的支援の開発も重要であるとされています。

参考になった数2