精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問127

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問題

第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問127 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、グループワークにおいて精神保健福祉士が行うこととして、適切なものを1つ選びなさい。
  • グループ内の規範を定めずに、メンバーの自由な活動を推進する。
  • メンバーの役割を固定して、効率的にプログラムを進行する。
  • メンバーの体験談を活用して、社会的スキルの獲得を促進する。
  • メンバー間の葛藤を回避して、グループ活動が円滑に進むようにする。
  • 終結期では、メンバー間の凝集性を強化する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、 3 です。

1.適切ではありません。

グループワークでは、開始期の契約段階で「グループ内の規範」、基本的な約束事を確認する作業があります。コノプカのグループワークの14の原則に、①「制限の原則」があります。

2.適切ではありません。

「メンバーの役割を固定して、効率的にプログラムを進行」するのではなく、メンバー同士の協力関係を強めたり、必要に応じてグループ過程を変更させたりします。コノプカのグループワークの14の原則の、②「メンバー同士の協力関係の促進」、③「必要に応じたグループ過程の修正」などが当てはまります。

3.適切です。

「メンバーの体験談を活用し、社会的スキルの獲得」を行うことは、グループワークに有効です。メンバーの体験談という強みを活かし、他のメンバーとつながりや協力関係を作る、体験談を使って社会的スキルを獲得するという問題解決に役立てる、それらをグループで共有し体験をする、これらは、コノプカのグループワークの14の原則の、②「メンバー同士の協力関係の促進」、④「問題解決過程へのメンバー自身の関与」、⑤「経験の原則」などが当てはまります。

4.適切ではありません。

コノプカのグループワークの14の原則に、⑥「葛藤解決の原則」があります。葛藤が起きた時に、メンバー間で葛藤解決の方法を経験するように援助をすることが大事です。

5.適切ではありません。

終結期では、グループワークを終わりにする段階です。グループで経験したことを次に活かすことをメンバーが考えられるように援助者は働きかけていきます。そのため、移行期とも言われています。

コノプカのグループワークの14の原則には、上記以外に、⑦メンバーの個別化、⑧グループの個別化、⑨受容の原則、⑩ワーカーとメンバーの援助関係の構築、⑪参加の原則、⑫プログラムの活用、⑬継続的評価、⑭グループワーカー自身の活用、があります(順不同)。

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02

1、不適切です。グループワークにおいては、そのプログラム活動の目標や目的を外れる事が無いように援助者が働きかける事が前提となります。そのため、開始期の段階で精神保健福祉士はグループメンバーへルールなどの説明を行う必要があります。

2、不適切です。グループワークはグループメンバー同士の力を高め、協力関係を築く事も目的の一つとしています。精神保健福祉士がグループメンバーの役割を固定してしまうのではなく、メンバー相互で役割分担を行えるよう働きかける必要があります。

3、適切な内容です。同じ悩みを持つグループメンバーの体験談を通して、メンバーの課題解決能力を高め、グループワーク終了後の社会的スキル獲得に繋げる事が期待できます。

4、不適切です。グループワークにおいてはメンバー同士に生まれた適度な葛藤は避けません。それを活用することでグループの力を高める事にも繋がります。精神保健福祉士は、葛藤が生じた場合、それをグループメンバーが活用できるよう支援する必要があります。

5、不適切です。「凝集性の強化」とは集団の力の事を指します。メンバー間の凝集性の強化を図る段階は終結期ではなく作業期に行う必要があります。

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03

正解は、 です。

1 グループ内で約束事や規範を決めることは重要です。

2 グループワークは、役割を固定したり効率的に行うことを目的とするものではありません。メンバー間の相互作用から効果が生まれます。

3 適切です。それぞれ課題を持つメンバーがグループワークを行うことにより、次の一歩へ進むことを目的とします。

4 葛藤を良い機会と捉え、葛藤が生まれてもそれに対処することができるように支援することが大切です。

5 終結期では、それぞれのメンバーが次のステップへ向けて移行できるよう支援することが重要です。

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