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精神保健福祉士の過去問 第23回(令和2年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問128

問題

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事例を読んで、次の記述のうち、精神保健福祉士が面接場面でKさんの母親に提案したこととして、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Kさん( 28歳、男性)は、大学在学中に統合失調症と診断され、卒業後は就職せずに自宅療養が続いていた。半年前から精神科デイケアを利用している。Kさんはデイケア担当の精神保健福祉士との面接で、「やっとデイケアに慣れたところなのに、父にも母にも『世間体が悪いので、早く働け』と毎日言われ、まいっている」と話した。精神保健福祉士は、Kさんの了解を得て母親と面接することになった。面接で母親は、「Kはデイケアに行く以外は寝てばかり。近所の目も気になり、ついイライラして小言を言ってしまう。もう28歳にもなるのに仕事もせず、親戚の集まりで肩身が狭い。父親はもうすぐ60歳になるし、早く働いてほしい」と畳み掛けるように話していた。
   1 .
「病気の経過や治療方針について主治医から改めて説明してもらってはどうでしょうか」
   2 .
「世間の人はあまり見ていないので、気にしないようにしてください」
   3 .
「心配事を話せる場として家族教室に参加してはどうでしょうか」
   4 .
「Kさんを毎朝起こし、生活リズムを管理しましょう」
   5 .
「Kさんにはデイケアをやめて就労移行支援事業所に通所してもらいましょう」
( 第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問128 )
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この過去問の解説 (3件)

11

正解は、 1 と 3 です。

1.適切です。

母親との面接で、自宅の生活状況の情報を知ることができました。また、母親から心配している心境もうかがうことができました。精神保健福祉士は、Kさんの状態を診断することはできないため、自宅の生活状況を主治医に相談して頂くことを提案します。

2.適切ではありません。

「世間の人はあまり見ていないので、気にしないようにしてください」という説明は、精神保健福祉士の価値観の押し付けになりそうな内容です。援助姿勢のなかに、バイスティックの7原則がありますが、そのなかの「非審判的態度」(道徳的な考え方や援助者の価値観で相談者を裁いてはならない)や「受容」(道徳的な批判をせずに、相談者のあるがままを受け入れる態度)に関わる内容です。

3.適切です。

「心配事を話せる場として家族教室に参加してはどうでしょうか」という説明は、母親の心配を伺ってからの情報提供になります。

4.適切ではありません。

Kさんの支援において、「Kさんを毎朝起こし、生活リズムを管理しましょう」という提案は、選択肢の1で、主治医に相談したり、Kさんの思いを確認したうえで行うのが良いのではないかと考えます。Kさん自身は、「やっとデイケアに慣れた」と話しており、今の状況はデイケアに通うだけでも相当の心身的な負担がかかっていると見立てることもできます。

5.適切ではありません。

Kさんは、「半年前から精神科デイケア」に通い、「やっとデイケアに慣れた」と話しています。また、設問のやり取りでは、Kさんからは父母からの言葉かけにストレスを感じていることが見られます。デイケアを止めたいという話もKさんからはありません。そのため、デイケアを止めるという提案よりは、家族間調整でKさん、家族の思いを伺っていく必要があるのではないかと考えます。

付箋メモを残すことが出来ます。
3

1、〇 Kさんは統合失調症と診断されており、自宅療養を続けています。デイケアにも慣れ、少しずつ進もうとしているKさんに対して母親は就職に繋がらない焦りの気持ちを持ち、その気持ちをKさんにぶつける事を毎日続けている事が事例から読みとる事が出来ます。そのような母親の言葉にKさんはネガティブな感情を持っている事がうかがえ、Kさんに良い影響を与える言葉とは言えません。主治医からKさんの病気の経過や治療方針について主治医に説明してもらう事で、Kさんの母親の病気に対する理解が深まったり、将来に対する不安を軽減できる可能性も高まるため、適切な提案であると言えます。

2、✕ 母親は近所の方が自分達一家をどのように見ているかを非常に気にしており、そのことがKさんに対して小言を言ってしまうような状況にも繋がってしまっています。「気にしないように」と母親の気持ちを遮るのではなく、まずは共感しその辛さを受け止める姿勢で接する必要があると考えられます。

3、〇 同じ悩みを持つ人達に対してKさんの母親が自分自身の気持ちを話す事で、自分自身の考えが整理出来たり、気持ちを受け止めてもらえる人がいる安心感を得る事に繋がる可能性があります。また、同じ病気を患っている家族の関わり方や考えを聞く事で自分の関わり方を見直す事に繋げる事も出来ると考えられます。

4、✕ Kさんの母親はKさんがデイケア以外の時間を寝て過ごしていることではなく、Kさんの就労が決まらない事に対して焦りを感じている事が読み取れます。Kさんの生活リズムを整えるような助言内容は母親の思いを汲み取れておらず、適切な対応とは言えません。

5、✕ Kさんがやっと慣れてきたデイケアをやめてしまえば、Kさんの居場所がなくなり現状が悪化してしまう可能性が考えられます。Kさんの気持ちを確認せず、支援者や家族の思いだけを優先して就労移行支援事業所への通所を決定してしまうような発言であり、適切な支援とは言えません。

2

正解は、1・3 です。

1 適切です。母が統合失調症の症状や治療過程について理解不足なことが伺えます。なぜデイケアに行く必要があるのか、病気にどのような効果があるのか、今後の見通しはどうなのかなどの方針を母にも伝える必要があります。

2 不適切です。精神保健福祉士としては家族にも寄り添う必要があります。「気にしないように」とアドバイスするのではなく母の気持ちも理解した上で、本人・家族両者にとって良い選択を提案することが重要です。

3 適切です。母が統合失調症の病気のことや家族としての対応方法について理解不足なところがあることが伺えますので、家族教室に参加し、他の家庭ではどうしているのかなどを聞いたり、話したりすることは良い機会になると考えられます。

4 不適切です。Kさんが「寝てばかり」ということが一番の課題となっているわけではありません。そのことに焦点を当てるのではなく、母のKさんに対する関わり方について検討する必要があります。

5 不適切です。「やっとデイケアに慣れたところ」という記述がありますので、今環境を変えることは望ましくありません。またKさんの意向を尊重することが大切ですので、母と勝手に決めることは不適切です。

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