精神保健福祉士の過去問
第23回(令和2年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問130
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問題
第23回(令和2年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問130 (訂正依頼・報告はこちら)
事例を読んで、Lさんとその母親に対するM精神保健福祉士の対応に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
〔事例〕
Lさん( 48歳、男性)は精神科病院に入院して1年が経過している。入院して6か月の時点で退院調整を始めた矢先に同居の母親が脳梗塞で緊急入院となり、Lさんの動揺も相まって退院が遅れていた。父親は10年前に亡くなり他に家族はいない。母親は左上下肢に多少の麻痺(まひ)が残るも1か月前に自宅退院し、訪問介護を利用している。Lさんは、「自分も早く退院して苦労をかけた母親の面倒を見て恩返しがしたい」と話し、病棟のM精神保健福祉士は相談支援専門員と連携してLさんの退院支援を進めた。退院前の自宅外泊から病棟に戻ってきたLさんは、切羽詰まった様子で、「昨日の夕食後、母親が皿を片付けようとした時によろけて尻もちをついてしまった。割れた食器が床に飛び散り、自分はパニックになって何もできなかった。同じようなことがまた起きたらどうすればいいのか」とM精神保健福祉士に訴えた。
〔事例〕
Lさん( 48歳、男性)は精神科病院に入院して1年が経過している。入院して6か月の時点で退院調整を始めた矢先に同居の母親が脳梗塞で緊急入院となり、Lさんの動揺も相まって退院が遅れていた。父親は10年前に亡くなり他に家族はいない。母親は左上下肢に多少の麻痺(まひ)が残るも1か月前に自宅退院し、訪問介護を利用している。Lさんは、「自分も早く退院して苦労をかけた母親の面倒を見て恩返しがしたい」と話し、病棟のM精神保健福祉士は相談支援専門員と連携してLさんの退院支援を進めた。退院前の自宅外泊から病棟に戻ってきたLさんは、切羽詰まった様子で、「昨日の夕食後、母親が皿を片付けようとした時によろけて尻もちをついてしまった。割れた食器が床に飛び散り、自分はパニックになって何もできなかった。同じようなことがまた起きたらどうすればいいのか」とM精神保健福祉士に訴えた。
- Lさんの不安が解消されるまで入院できることを伝える。
- Lさんと昨日の夕食後に起きたことを順序立てて、一緒に振り返る。
- 母親の介護医療院の利用を担当の介護支援専門員に検討してもらう。
- Lさん、母親、M精神保健福祉士、介護支援専門員、相談支援専門員による自宅での会合を提案する。
- Lさんに相談支援専門員同行で生活介護事業所の見学を勧める。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、 2 と 4 です。
1.適切ではありません。
Lさんは、「早く退院して母親に恩返しをしたい」と話しています。Lさんは、再び入院をしたいという話をしていません。選択肢は、Lさんの思いとは違う提案をしています。
2.適切です。
Lさんの話では、何もできなかった自分を自覚したうえで、今度同じような状況になった場合にどうすれば良いかと相談しています。そのため、選択肢の「Lさんと昨日の夕食後に起きたことを順序立てて、一緒に振り返る。」ことは、Lさんの自信を回復することにもつながります。
3.適切ではありません。
介護医療院は、長期の療養が必要な要介護者を対象にしています。事例から、Lさんの母親の状況をみると、介護医療院の利用対象者の状況ではありません。
4.適切です。
自宅で会合をすることは、自宅で関係者を集めたケア会議をするようなものです。Lさんの家での状況や母親等の家族関係、Lさんを取り巻く環境の状況を確認することができます。そこから、また支援内容や役割分担を考えることも可能になります。
5.適切ではありません。
生活介護事業所は、常時介護が必要な方に対して、主に日中において、入浴や排せつ、食事などの介護や活動の機会等を提供する事業所です。事例のLさんの状況であれば、生活介護事業所の対象者にはなりません。
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02
1、不適切です。Lさんが入院してしまえば、Lさんの母親は自宅で一人残されてしまう事となり、Lさんの不安が増加してしまうと考えられます。
2、適切な内容です。母親が転倒する事は今後も予想される事であり、そのたびにパニックになってしまう事はLさんの自信喪失に繋がります。昨日起こった出来事を振り返り、再度同じ事が起こった時にどう対処するかを事前に検討しておく事で、パニックの防止に繋がると考えられます。
3、不適切です。Lさんの母親が入院や施設入所を希望しているということは事例からは読み取れず、Lさんも母親の面倒を見て恩返しがしたいと感じています。介護支援専門員に介護医療院の利用調整を依頼する行為は適切とは言えません。
4、適切な内容です。Lさんと母親が自宅で生活する中で、どのような点が障害となっているかを確認し対処方法を検討する事は、今後の在宅生活を続ける上で重要な事であると考えられます。各専門職と同じ場で顔を合わせる事で、Lさんと母親の安心感にも繋がり連携も取りやすくなります。
5、不適切です。生活介護事業所は常時介護を必要とする障がい者の方が事業所に通い、そこで入浴や排泄等の支援を受ける事が出来るサービスです。Lさんは日常生活に支援は必要としておらず、生活介護事業所の利用対象とはなりません。
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03
正解は、2・4 です。
1 不適切です。入院を継続したところで、Lさんの課題は解決しません。今は自宅で想定外のことが起こった時の対処方法をどうしたら良いのかということをLさんから投げかけられています。対応策を一緒に検討していきましょう。
2 適切です。Lさんが「切羽詰まった様子で」とありますので、具体的にどのようなことが起きたのかを傾聴し、一緒に振り返り、整理していくことは適切です。
3 不適切です。介護医療院とは、要介護者のための入所施設です。母親もLさんも施設入所を希望しているという記述はなく、「母親の面倒を見て恩返しがしたい」という意向のLさんの意向に添っていると言えません。
4 適切です。母親の介護のこともありますので、自宅でLさんが安心して過ごすためには母親と母親の介護支援専門員との話し合いや連携が欠かせません。
5 不適切です。生活介護事業所とは、介護が必要な障害者が通所で利用し、入浴や排泄、創作活動などの支援を受けられる事業所のことです。Lさんにそのような支援が必要な記述はありませんので、不適切です。
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