問題
〔事例〕
Lさん( 48歳、男性)は精神科病院に入院して1年が経過している。入院して6か月の時点で退院調整を始めた矢先に同居の母親が脳梗塞で緊急入院となり、Lさんの動揺も相まって退院が遅れていた。父親は10年前に亡くなり他に家族はいない。母親は左上下肢に多少の麻痺(まひ)が残るも1か月前に自宅退院し、訪問介護を利用している。Lさんは、「自分も早く退院して苦労をかけた母親の面倒を見て恩返しがしたい」と話し、病棟のM精神保健福祉士は相談支援専門員と連携してLさんの退院支援を進めた。退院前の自宅外泊から病棟に戻ってきたLさんは、切羽詰まった様子で、「昨日の夕食後、母親が皿を片付けようとした時によろけて尻もちをついてしまった。割れた食器が床に飛び散り、自分はパニックになって何もできなかった。同じようなことがまた起きたらどうすればいいのか」とM精神保健福祉士に訴えた。