精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
心理学理論と心理的支援 問14

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問題

第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 心理学理論と心理的支援 問14 (訂正依頼・報告はこちら)

心理療法に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 精神分析療法では、無意識のエス(イド)の活動と、意識の自我(エゴ)の活動とが適切に関連するよう援助する。
  • 家族療法は、家族問題を抱える個人を対象とする療法である。
  • 遊戯療法(プレイセラピー)は、言語によって自分の考えや感情を十分に表現する方法であり、主として心理劇を用いる。
  • 系統的脱感作法は、四肢の重感や温感、心臓調整、呼吸調整、腹部温感、額部涼感を順に得ることで、心身の状態を緊張から弛緩(しかん)へと切り替える。
  • 臨床動作法は、「動作」という心理活動を通して、身体の不調を言語化させる療法である。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は 1 です。

1.正解。精神分析療法では、無意識のエス(イド)の活動と、意識の自我(エゴ)の活動とが適切に関連するよう援助します。

2.家族療法は、家族を一つのシステムとしてとらえます。家族の一人に生じた症状を個人の問題とはせず、家族が相互に影響しあって生じるものと考え、解決を図ろうとする療法です。

3.遊戯療法(プレイセラピー)は、言語によって自分の考えや感情を十分に表現できないクライエントを対象に、遊びを主な表現、コミュニケーションの手段とする療法です。

心理劇は、即興的に行う役割演技により、自発性を図る集団療法です

4.系統的脱感作法は、個別に作成された不安階層表を基に、リラックスした状態下で、不安の誘発度の最も低い刺激から徐々に刺激が増やされ、段階的に不安を克服していきます

自律訓練法は、四肢の重感や温感、心臓調整、呼吸調整、腹部温感、額部涼感を順に得ることで、心身の状態を緊張から弛緩(しかん)へと切り替えます

5.臨床動作法は、「動作」によって、心理的な課題の改善を目指します。例えば、緊張している時、まずは、自分の緊張状態がわかるようになり、力を抜く動作を行うことで、リラックスできるようになります。

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02

正解は、 です。

1 適切です。イドとエゴがバランスを保って活動できるように、その部分への援助が重要です。

2 不適切です。家族療法は、課題を抱える個人と家族を対象として行う療法であり、家族問題に対する療法のことではありません。

3 不適切です。遊戯療法(プレイセラピー)は、言語ではなく、遊びを通して自分の考えや感情を表現していただく療法です。

4 不適切です。系統的脱感作法は、まず不安階層表を作り、不安に対して段階的に抜け出していくための方法です。

5 不適切です。身体の不調ではなく、心理的な課題を改善する療法です。

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03

心の健康を取り戻すために、心理療法を用いて治療にあたる事は少なくありません。本設問では様々な心理療法やその理論について理解する事で正答にたどりつく事が出来ます。

選択肢1. 精神分析療法では、無意識のエス(イド)の活動と、意識の自我(エゴ)の活動とが適切に関連するよう援助する。

適切な内容です。精神分析療法はフロイトによって提唱された療法です。

選択肢2. 家族療法は、家族問題を抱える個人を対象とする療法である。

不適切です。家族療法とは、心の問題について、個人ではなく家族という集団に視点を向けて治療を実施する療法の事を言います。

選択肢3. 遊戯療法(プレイセラピー)は、言語によって自分の考えや感情を十分に表現する方法であり、主として心理劇を用いる。

不適切です。遊戯療法(プレイセラピー)は言語を用いて表現する能力を十分獲得していない子どもに対して行われる療法の事を言い、その代表としては箱庭療法などが挙げられます。

選択肢にある心理劇を用いる精神療法には「サイコドラマ」があります。

選択肢4. 系統的脱感作法は、四肢の重感や温感、心臓調整、呼吸調整、腹部温感、額部涼感を順に得ることで、心身の状態を緊張から弛緩(しかん)へと切り替える。

不適切です。系統的脱感作法とは、対象者が恐怖心を持っている事象に対して、対象者の価値観に基づいて恐怖感の強さを順位付けしてもらい、恐怖感の少ない段階の対象に対してリラックス反応をぶつけ、徐々に恐怖感を消去するよう働きかけるものです。

選択肢5. 臨床動作法は、「動作」という心理活動を通して、身体の不調を言語化させる療法である。

不適切です。臨床動作法は、言語を用いず動作を通して心の動きを改善する目的で実施される療法の事を言います。

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