精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神疾患とその治療 問86
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問題
第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問86 (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(25歳、男性)は、職場でパワーハラスメントにあったことで、意欲低下や食欲低下、不眠などが続き出勤できなくなった。人事担当者は産業医及びAさんと相談し、部署を異動させたところ、Aさんの症状は7日後に改善した。
次のうち、Aさんの病名として、適切なものを1つ選びなさい。
次のうち、Aさんの病名として、適切なものを1つ選びなさい。
- 境界性パーソナリティ障害
- 適応障害
- 双極性感情障害
- 病気不安症
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は 2 です。
この事例の特徴は、
①症状の原因が明確(職場のパワーハラスメント)であること、
②症状が短期間(7日)で改善していること
が挙げられます。
各選択肢については以下の通りです。
1. 境界性パーソナリティ障害とは、ものの捉え方や考え方の偏りにより円滑に人間関係を築くことが難しくなる病気です。
他者から見捨てられることや孤独に強い恐怖を抱き、独特なコミュニケーションを取ったり自分を傷つけたりする行動が見られるようになります。
この事例においてそのような症状および出来事は含まれていません。
2. 適応障害の特徴としては、発症の原因が明確であることや、その原因を取り除くことにより6ヶ月以内に症状が改善されることが挙げられます。
今回の事例は、適応障害の症状や特徴と合致していると考えられます。
3. 双極性感情障害では、躁状態と鬱状態が繰り返されますが、今回の事例においてはそのような気分の浮き沈みについては触れられていません。
4. 病気不安症とは、自分が重い病気にかかっているのではないかと思い強い不安や苦痛を抱く精神障害です。
今回の事例ではそのような症状は見られません。
5.心的外傷後ストレス障害においては、死の危険に直面した後、その体験の記憶が自分の意志とは関係なくフラッシュバックしたり、不安や緊張のあまり現実感がなくなったりする症状が見られます。
今回の事例では死の危険に直面しているということもありませんし、そのような症状も見られません。
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02
1、✕ 境界性パーソナリティ障害は、他者から見捨てられる事によって、孤独になってしまう事に対して強い不安を感じる事が特徴です。その不安から気分の変化(他者に対する急な怒りや意欲低下など)が見られる事も多いですが、それは数時間程度の短い期間しか持続せず、その後改善される事も多いとされています。
本事例においては職場でのパワーハラスメントが原因と書かれており、症状が改善するのに7日を要している事から境界性パーソナリティ障害の症状とは異なっています。
2、〇 適応障害はストレスとなる事柄が始まってから3か月以内に発症する病気で、うつ症状や不安症状が出現する事が特徴です。ストレスの要因となる事柄が取り除かれてから、6か月以内には症状が改善されると言われています。
本事例においてはパワーハラスメントを受けた部署からAさんを異動させ、ストレスの原因から離れさせた事によって症状が7日間で改善されていると書かれていますので、適応障害の症状と合致しています。
3、✕ 双極性感情障害は、抑うつ状態と躁状態が交互に繰り返される症状が特徴として見られます。環境によるストレス等が原因で発症するとされており、症状は3~6か月くらい続く事が多く、再発もしやすいとされています。
本事例においては躁状態になっているという記載はなく、症状も7日間で改善しているため、双極性感情障害の特徴とは異なっています。
4、✕ 病気不安症は、体に病的な症状が見られず、検査の結果も病気がある事を示していないにも関わらず、自分が重篤な病気にかかっていると思い込む事が特徴として挙げられます。
本事例においてはその特徴に当てはまる症状は見られていません。
5、✕ 心的外傷後ストレス障害とは、命に危険が及ぶほどの出来事を経験した後に生じます。それによって生じるうつ症状や睡眠障害、体験のフラッシュバックによる精神的苦痛は日常生活に支障を来すレベルで出現し、その症状はストレスとなる要因が発生してから1か月以上続きます。
本事例においては短期間で症状が改善しており、心的外傷後ストレス障害の特徴には合致しません。
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03
正解は、2 です。
1 不適切です。
パワーハラスメントにあったという理由がはっきりしており、意欲低下や食欲低下の症状が出ていることからも不適切です。
2 適切です。
パワーハラスメントから症状が生じていることや、「部署の異動」という症状の原因を取り除き改善したことから適切だとわかります。
3 不適切です。
躁状態とうつ状態を繰り返しているような表現は問題文から読み取れません。
4 不適切です。
問題文から、病気にかかっていることを不安と考えている内容は読み取れません。
5 不適切です。
心的外傷後ストレス障害は、フラッシュバックなどの症状が続きます。Aさんの症状が改善していることからも不適切です。
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