精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神疾患とその治療 問87
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問題
第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問87 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述のうち、特に誘因なく発症したうつ病の患者への、急性期における家族からの声かけとして、適切なものを1つ選びなさい。
- 「早く治ってくれないと困る」
- 「仕事は辞めた方がよい」
- 「あなたはうつ病ではないと思う」
- 「旅行をして気分転換しましょう」
- 「大切なことを決めるのは後にしましょう」
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この過去問の解説 (3件)
01
うつ病の急性期は、症状が一番重い時期であり、患者自身のつらさの訴えが多くなったり、治療に対して否定的になる事も少なくありません。その際、患者に対して家族は休息を取り、ストレスの要因から離れるよう働きかける事が大切であるとされています。無理に外出などを促したりせず、日常生活で本人が負担と感じる事(家事など)からも離れられるように調整する必要があります。重要な事を決断する事についても、症状が回復するまでは控えるようにする事も大切になります。
1、✕ 早く治したいと一番感じているのは患者自身です。選択肢のような言葉掛けは、患者に焦りを感じさせてしまい、症状の悪化を引き起こす要因となると考えられます。
2、✕ 本題ではうつ病の誘因は明確になっていません。ストレスの原因となる事柄から離れる事はうつ病を改善するためには重要な事ですが、それを仕事と決めつけてしまう言葉は適切な内容とは言えません。
3、✕ うつ病の患者に対しては、患者のつらさを理解し、寄り添う姿勢で関わる事が大切です。選択肢にあるような、うつ病である事を否定する発言は患者の事を理解しようとする姿勢が見えず、患者の心を追い詰めてしまうため適切とは言えません。
4、✕ うつ病の急性期は休息を取る事が大切であり、患者にとって負担となる行為からはなるべく離れられるようにする事が必要です。旅行による気分転換を図るのは病状が改善してから検討する事が適切であり、現時点での声掛けとしては不適切です。
5、〇 重要な決断をする(仕事の継続等)事はうつ病の急性期の患者にとってストレスとなってしまい、適切な決断が行えない場合も多いです。病状が落ち着いてから決断しようと声をかける事は適切な行為であると言えます。
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02
正解は 5 です。
うつ病は、生きていくためのエネルギーが枯渇している状態です。
抑うつ気分が長く続いたり、意欲が低下したり、不安や焦りを強く感じたりといった心の症状に加え、眠れなくなってしまったり食べられなくなってしまったりといった体の症状も出現します。
急性期は、エネルギーが最も枯渇し、様々な症状が出現している時期です。
この時期は投薬治療などに加え、エネルギーを回復させるための十分な休養が必要になります。
うつ病は治る病気ではありますが、治療には時間がかかることがあります。
本人が確実に回復に向かっていけるよう、家族は焦ることなく本人を受け入れる姿勢で接する・声がけをする必要があります。
各選択肢については以下の通りです。
1.うつ病の患者に対し、焦りを感じさせるような声がけをするのは不適切です。
2.仕事が原因であるうつ病であれば、仕事を辞めることはよいことかもしれませんがこの段階で仕事を辞めることを勧めるのは時期尚早です。
また、急性期において自分の生き方や進退を決めるような決断をすることは適切ではありません。
3.現にうつ病で苦しんでいる患者を否定するような言葉がけは不適切です。
4.旅行は非日常的なイベントであり、非日常的なイベントをこなすことには多大なるエネルギーが消費されます。
今は非日常的なイベントや場面に身を投じるよりも、日常生活の範囲内で十分な休養を取り、心のエネルギーの回復を試みることが適切です。
5.心のエネルギーが枯渇している状態では、思考力や判断力もいつもより鈍っているため、適切な判断をできる状態であるとは言えません。
大切なことを決めるのはもう少し心のエネルギーが回復してきてからのほうがよいと考えられます。
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03
正解は、5 です。
1 不適切です。
患者自身が焦りや不安を抱えている状況の中、周りから急かすように「治ってくれないと困る」と声をかけるのは、逆に病気を悪化させかねません。
2 不適切です。
環境を変化させることや大きな決断をさせることは、逆に病気を悪化させかねません。
3 不適切です。
患者自身が病気を受け入れていない場合も多い中、混乱させるような声かけは不適切です。
4 不適切です。
気分転換についての声かけは不適切とも言えませんが、提案よりもまずは患者に寄り添うことが大切です。
5 適切です。
患者に寄り添った適切な声かけであると言うことができます。
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