精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神疾患とその治療 問88
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問題
第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問88 (訂正依頼・報告はこちら)
Bちゃん(3歳、男児)は、同年代の子どもと一緒に遊べないことと、言葉の遅れがあるために病院を受診し、自閉スペクトラム症と診断された。お気に入りのぬいぐるみが複数あり、どこに行くにもそのぬいぐるみを持って行かないと気が済まない。帰宅すると、ぬいぐるみを決まった順番で、壁際に並べる。
次のうち、Bちゃんに認められる症状として、適切なものを1つ選びなさい。
次のうち、Bちゃんに認められる症状として、適切なものを1つ選びなさい。
- こだわり
- 妄想
- 自我障害
- 分離不安
- 身体依存
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、1 です。
1 適切です。
問題文に「どこに行くにもそのぬいぐるみを持って行かないと気が済まない」「ぬいぐるみを決まった順番で、壁際に並べる」とあることから、こだわりがあることが読み取れます。
2 不適切です。
問題文からは、妄想の症状は読み取れません。
3 不適切です。
問題文からは、自分と他人との境界が分かりづらくなるといった自我障害の症状が読み取れません。
4 不適切です。
分離不安とは、母親など本人が愛着を持っている人から離れることに不安を感じることです。問題文からは、そのような症状は読み取れません。
5 不適切です。
身体依存は、アルコールや薬物を摂取している人に考えられる症状です。問題文からは、そのような内容は読み取れません。
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02
1、〇 こだわりとは、特定の事柄に対して自分なりのルールを持ち、それを強く守ろうとする事を言います。そのルールを他者から変更されるとパニックを起こしたり、強い拒否反応を示したりします。Bちゃんはぬいぐるみをどこに行くときにも持参し、自宅に持ち帰った際は特定の順番で並べるといった行為を行っており、その行動は「こだわり」であると言えます。
2、✕ 妄想とは、明らかに誤った内容の事柄を信用し、それが事実でない事を周囲の人が訂正しても受け入れられず、誤った内容の事柄を信じ続ける事を言います。本事例においてそのような内容は見受けられず、適切な選択肢ではありません。
3、✕ 自我障害とは、自分と他人との境界が分からなくなり、自分の自我が他者に乗っ取られ、行動を他者に操られていると感じる症状を指します。本事例においてそのような内容は見受けられず、適切な選択肢とは言えません。
4、✕ 分離不安は愛着のある人(母親など)からの分離に対して、発達段階にそぐわない強い不安を感じる様子を見せ、その行為を回避しようとする状態の事を指します。本事例からは人と離れる事に対する不安を読み取る事はできず、選択肢の内容は適切ではありません。
5、✕ 身体依存は治療などのために使用される薬物の摂取を止めた時に、離脱症状(気分のイライラや脈拍の乱れなど)が現れる状態の事を言います。本事例からはそのような状態が見られている記載はなく、適切な選択肢とは言えません。
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03
正解は 1 です。
各選択肢については以下の通りです。
1.ぬいぐるみを持って行かないと気が済まないことや、順番通りに壁際に並べるということはBちゃんのぬいぐるみへの「こだわり」であると考えることができます。
2.DSM-5によると、妄想とは、
「外部の現実に関する不正確な推論に基づく誤った信念 (belief) であり、他のほとんどの人が信じていることに反しているにもかかわらず、また議論の余地のない明白な証拠や反証にもかかわらず、強固に維持される」
と定義されています。
Bちゃんにはこのような内容の症状は認められません。
3.自我障害とは、自分が自分であるという感覚が失われる症状です。
Bちゃんにはこのような内容の症状は認められません。
4.分離不安とは、子どもが愛着の対象から離れたときに感じる不安のことです。
Bちゃんにはこのような内容の症状は認められません。
5.身体依存とは、アルコールや薬物などの物質を長期間摂取することにより禁断症状が起こることです。
Bちゃんにはこのような内容の症状は認められません。
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