精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神保健の課題と支援 問103
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問題
第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健の課題と支援 問103 (訂正依頼・報告はこちら)
WHO(世界保健機関)の取組に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
- 国際疾病分類の改訂版では、DSM-5を採用している。
- オタワ憲章は、障害を3次元で分類している。
- メンタルヘルスアトラスプロジェクトは、構造化面接法を用いて世界各国における精神疾患の罹患(りかん)率を調査した研究事業である。
- 「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」は、世界の酒類の製造又は販売を行う事業者に向けた警告のための広告戦略である。
- メンタルヘルスギャップアクションプログラム(mhGAP)は、特に中低所得国における精神・神経・物質使用の障害へのケアを拡充することを目的にしている。
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この過去問の解説 (3件)
01
1、✕ 国際疾病分類はWHOによる世界中の疾病、傷害および死因の統計・分類の事を言います。DSM-5はアメリカの精神医学会が出版している精神疾患の基本的な定義を示した資料であり、国際疾病分類が採用している物ではありません。
2、✕ オタワ憲章は1986年WHOによって作成された、初めてヘルスプロモーションが定義された憲章となります。障害を3次元で分類しているのは国際生活機能分類(ICF)です。
3、✕ メンタルヘルスアトラスプロジェクトとは、メンタルヘルスに関する政策や法律、サービス利用状況などを国ごとのデータとしてまとめ発表する事、それによってWHOが立案した「包括的メンタルヘルス行動計画」の進捗状況をモニタリングする役割を持っています。各国の精神疾患の罹患率を調査したものではありません。
4、✕ アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略では、アルコールに関連する健康被害が世界中で増大している事を受け、その被害を減らし人の命を守る事を目的として発行されました。酒類の販売者においては酒の安売りや飲み放題を控えたり、禁止する事などの協力を要請していますが、警告をしている訳ではありません。
5、〇 メンタルヘルスギャップアクションプログラムは、精神・神経・物質使用による障害の大半が中低所得国で起こっており、それらの国々で十分なケアが出来ない事を問題視しています。中低所得国のケアの拡充を行う事で、高所得国との格差を是正する事も目的の一つとされています。
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02
正解は、5 です。
1 不適切です。
DSM-5は、「精神疾患の診断・統計マニュアル」のことであり、国際疾病分類とは対象とする疾患が異なります。
2 不適切です。
障害を3次元で分類しているのは、ICF(国際生活機能分類)です。
3 不適切です。
メンタルヘルスアトラスプロジェクトは、世界各国のメンタルヘルスに関する取り組みを把握するなどの役割があります。
4 不適切です。
「アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略」は、アルコール関連の問題を少なくするための取り組みのことであり、事業者に向けた警告のための広告戦略ではありません。
5 適切です。
記述の通りです。
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03
正解は 5 です。
各選択肢については以下の通りです。
1.DSM-5は、アメリカ精神医学会が2013年に出版した、精神障害の診断と統計マニュアルの第5版です。
国際疾病分類(ICD)は、WHOが国際的に統一した疾病や傷害の統計分類です。
この2つは定めた機関も違いますし、対象とする障害(病理)も異なります。
2.オタワ憲章とは、1986年にWHOが作成した健康づくりについての憲章です。
この憲章において障害の分類はなされていません。
3.メンタルヘルスアトラスプロジェクトにおいては、国ごとにメンタルヘルスに関する政策や取り組みがどのように行われているか(どのくらい有効か)について把握することが目的とされています。
精神疾患の罹患率を調査するものではありません。
4.アルコールの有害な使用を低減するための世界戦略では、アルコールの有害な使用の防止やアルコール使用障害の治療を強化することを目的としています。
事業者に向けた警告ではありません。
5.記載の通りです。
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