精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神保健福祉相談援助の基盤 問105

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問題

第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉相談援助の基盤 問105 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、ソーシャルワークの原理に基づく実践として、適切なものを2つ選びなさい。
  • ホームレスに至った原因を特定するため、環境要因よりも個人要因を重視し分析する。
  • 住民との協働による、課題の早期発見や見守りを推し進め、事前対応型の予防的支援を展開する。
  • 多機関に所属する専門職からなるチームを統括し、クライエントの生活を総合的かつ包括的に援助するように指揮する。
  • セルフネグレクトの状態にあり、援助を拒む住民には、相談窓口に来所するよう強く働きかける。
  • 地域の福祉ニーズを的確に把握し、必要なサービスが不足している場合にはそれらを創出する。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、2・5 です。

1 不適切です。

環境要因と個人要因両方を重視して分析することが重要です。

2 適切です。

「住民との協働」や「早期発見」「事前対応型」「予防的支援」とソーシャルワークに重要なキーワードが並んでいます。

3 不適切です。

多機関に所属する専門職との連携は重要ですが、ソーシャルワーカーは「統括」や「指揮」する存在ではありません。

4 不適切です。

相談窓口に来所するよう働きかけるだけではなく、ソーシャルワーカーが訪問するアウトリーチ型の支援が重要です。

5 適切です。

当事者に今存在するサービスを合わせるだけではなく、地域の課題を分析し、新たなサービスを創出することも重要です。

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02

1、不適切です。ホームレスに至る要因としては、クライエント本人の個人要因だけでなく、それを取り巻く環境による要因も大きな影響を与えます。個人要因、環境要因ともに分析する必要があり、どちらかを優先して分析する事は適切な実践方法とは言えません。

2、適切な内容です。その地域で発生している課題を早期発見し、その地域に住む住民と協働して課題解決に取り組む事で深刻な問題に発展する事を防止する事はソーシャルワークの原理原則に当てはまる取組と言えます。

3、不適切です。ソーシャルワーカーは他機関に所属する専門職のチームを指揮するのではなく、クライエントを取り巻く専門職はもちろんの事、クライエントの生活に必要な社会資源が活用できるよう調整を行う事が求められます。多職種の統括役や、支援チームを指揮する事は含まれておりません。

4、不適切です。セルフネグレクトの状態で、援助を拒む住民を発見した場合、その人に相談窓口までご来所頂く事は困難です。本事例においては相談窓口でクライエントの相談を待つのではなく、ワーカー自身から出向いて現状を把握するアウトリーチという実践方法を選択する事が適切と言えます。

5、適切な内容です。対象の地域に住む住民に対して調査を行い、地域における福祉ニーズを把握する事で、その地域で不足しているサービスを把握する事に繋がります。それらを創出するために、地域住民と協働して取り組む事は、ソーシャルワークの原理原則に当てはまる実践方法であると言えます。

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03

正解は 2 と 5 です。

各選択肢については以下の通りです。

1.環境要因と個人要因は絡み合って存在することも多く、どちらかを重視するということは好ましくありません。

また、ホームレスに至った原因の特定に力を注ぐというよりも、ホームレスに至ったその後どうしていくかについて検討していくことが実践としてはふさわしいと考えられます。

2.記載の通りです。

3.ソーシャルワーカーにとって多職種連携は必要不可欠ですが、多職種のチームを包括したり指揮したりすることは業務に含まれていません。

4.セルフネグレクトの状態にある方に相談窓口に来所するよう強く働きかけることは難しいことですし、適切ではありません。

そういった方には、援助者側が出向くアウトリーチのかたちを取ることが適切であると考えられます。

5.記載の通りです。

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