精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問121
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問題
第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問121 (訂正依頼・報告はこちら)
次の記述のうち、精神科専門療法に関する説明として、適切なものを1つ選びなさい。
- 急性期の入院患者に対する作業療法は、生活管理技能の改善を主目的とする。
- 社会生活技能訓練(SST)の基本訓練モデルは、あらかじめ獲得すべき技能が設定されている。
- アルコール専門外来で行う集団精神療法は、各回の自由参加を原則とする。
- うつ病に対する認知行動療法は、捉え方の偏りを修正して問題解決を促す。
- 統合失調症に対する心理教育は、精神分析療法を用いて展開する。
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この過去問の解説 (3件)
01
正解は、 4 です。
1.適切ではありません。
急性期における作業療法は、
病状の安定と共に遷延化を防ぎ、
社会性生活に必要な生活技能の訓練や、
就労に向けた取り組みが可能な心身の基本的機能を回復することを目的としています。
生活管理技能の改善は、回復期後期において行われます。
2.適切ではありません。
SSTは、ロールプレイ、フィードバック、モデリングなどの
認知行動療法の技法を用いて対人的技能を学習し、
更に宿題を通じて連取で身に着けたことを実生活の中でできることを目指すものです。
基本訓練モデルは、個人の希望を大切にして目標を設定し、
スモールステップで積み重ねていく方法であり、
あらかじめ獲得すべき技能が設定されている方法ではありません。
3.適切ではありません。
アルコール依存症の治療には、
本人の断酒に対する強い意志が必要です。
また、プログラムは連続性を持って行われるものもあるため、
自由参加ではなく、毎回参加を原則としています。
4.適切です。
認知行動療法は、ストレスの問題を認知と行動の側面から改善するための
考え方と方法の総称を意味します。
認知の歪み(スキーム)に焦点を当て、捉え方の偏りを修正し、
当事者が生きやすくなるよう働きかける心理的アプローチです。
SSTはその代表的な例の一つです。
5.適切ではありません。
精神分析療法は、フロイトが創始した「精神分析」を基本として、
クライエントの問題や時間、場度の等の条件に合わせて行う心理療法です。
疾病や薬物治療に関する知識伝達、
回復過程におけるリハビリテーション必要や家族対応のポイントを伝える
心理教育とは別のものです。
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02
正解は、4 です。
1 不適切です。
「急性期」ですので、生活管理技能の改善よりも症状の安定が優先されます。
2 不適切です。
あらかじめ獲得すべき技能が設定されているのではなく、その人に合わせた獲得すべき技能を訓練の中で見つけていき、それを目標に訓練していきます。
3 不適切です。
アルコール依存からの回復は、アルコールを飲まないということを継続していかなければいけません。集団精神療法に自由参加では、その継続が難しいと考えられます。
4 適切です。
当事者も自分の考えの偏りに気づき、それを修正することによって問題の解決を目指すことができます。
5 不適切です。
心理教育は、病気の理解や治療法について学ぶことによって気持ちを向上させることを目的とします。精神分析療法を用いて展開するものではありません。
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03
1、不適切です。急性期の入院患者に対する作業療法は、不安定な状況に置かれている症状の安定と悪化を防ぐ事を目的に実施されます。生活管理技能の改善を目的として行われる作業療法は回復期に入ってからとなります。
2、不適切です。既に持っている技能や興味を持つ事柄は一人ひとり異なります。獲得すべき技能をあらかじめ決めてしまうのではなく、活動を通じて興味のある事柄を見つけ、その内容を実践するために必要な技能を社会生活技能訓練で身につける事が目標として設定される事となります。
3、不適切です。アルコール依存症の治療には断酒が不可欠ですが、それを患者一人で行う事は困難です。断酒に向けた強い意志を保つために行われる集団精神療法は毎回の参加が原則になります。
4、適切な内容です。一つの物事であっても、その物事に対する捉え方は一人ひとり異なります。その捉え方の偏りに働きかけ、心にかかるストレスを軽減する事を目的として集団精神療法は実施されます。
5、不適切です。統合失調症に対する心理教育は、病気に対する正しい知識や情報を伝えたり、それによって生じる困難の解決方法などを学ぶものとなります。それに対しては認知行動療法的アプローチや解決志向的アプローチなどが活用され、精神分析療法を用いて展開する物ではありません。
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