問題
次のうち、この場面でE精神保健福祉士が用いた面接技法として、正しいものを1つ選びなさい。
正解は、 5 です。
精神保健福祉士が用いる面接技法についての問題です。
1.適切ではありません。
Dさんの発言に対してのE精神保健福祉士の返答は、
Dさんの心境を表したものであり、励ましではありません。
2.適切ではありません。
「要約」とは、当事者が語った経験、行動、感情の経過を要約し、
精神保健福祉士がクライエントに伝える技法です。
的確に要約された話を受けると、
当事者は精神保健福祉士が自身の話をしっかり理解してくれていることがわかり、
安心して次の話に進むことができます。
3.適切ではありません。
「言い換え」とは、当事者が語ったことの本質をフィードバックすることを意味します。
「明確化」とは、当事者がはっきりとしていないところを先取りして、
これを精神保健福祉士が言語化することを意味します。
4.適切ではありません。
「繰り返し」とは、
当事者の話のポイントを当事者が語った表現を使用してそのまま、
繰り返して伝える応答を意味します。
繰り返しによって、当事者は自分の伝えたいことが精神保健福祉士に伝わっていることを実感することができます。
5.適切です。
当事者の感情を受容し、その感情をあたかも鏡のように、例えば「辛かったのですね」
「不安なのですね」と精神保健福祉士が適切に言語化し、当事者に返す面接技法です。
感情の反映により、当事者は自身の感情に気づくと共に、
自分自身の感情が精神保健福祉士に受容されたことに安心感を覚え、
少しずつ感情表現ができるようになっていきます。
正解は、5 です。
1 不適切です。
「悔しかったですね」と話していますので、Dさんを励ましているわけではありません。
2 不適切です。
Dさんの気持ちや発言を要約しているわけではありません。
3 不適切です。
「感情の反映」と間違いやすいと思いますが、「悔しかったですね」という「感情」であることがここでのポイントです。
4 不適切です。
Dさんの発言を繰り返しているわけではありません。
5 適切です。
「悔しかったですね」という「感情」であることをこの事例から読み取ることができれば答えられる問題です。
1、不適切です。本事例ではE精神保健福祉士がDさんに共感している様子はありますが、励ましの言葉をかけている状況は見受けられません。
2、不適切です。要約とは相手の言葉を整理してまとめた言葉を返す技法です。E精神保健福祉士は、Dさんが発言していない「悔しい」という言葉を返しているため、要約の技法を使用している訳ではありません。
3、不適切です。言い換えとは、相手の話した内容を簡潔にまとめて伝え返す事を言います。E精神保健福祉士はDさんの言葉をまとめていますが、その言葉で表出されていない「悔しさ」という言葉を含めて言い換えているため、選択肢の技法とは異なります。
4、不適切です。繰り返しとは相手の言葉の一部、または全部をそのままの言葉で返す技法の事を言います。本事例においては、E精神保健福祉士はDさんの言葉をある程度まとめ、言い換えて返答を返しているため、繰り返しの技法を使用している訳ではありません。
5、適切な内容です。感情の反映とは、言葉として発された内容に加え、非言語的な表現(表情など)で表している感情を言葉にして返す事を言います。