精神保健福祉士の過去問
第24回(令和3年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問131

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問題

第24回(令和3年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問131 (訂正依頼・報告はこちら)

グループホームを運営しているH精神保健福祉士のところへ、近所でアパート経営をしているJさんが相談に来た。内容は、アパートの空き家対策としてのグループホームへの転用と、それによる利用者と地域住民とのトラブルの心配についてであった。H精神保健福祉士はJさんとの話から、不動産関係者が精神障害者について理解すれば、空き家をグループホームとして活用でき、精神障害者が地域住民の一員として溶け込んで、コミュニティケアが進むのではないかと考えた。そこでH精神保健福祉士は、自身の参加している支援協議会でアパート経営者や不動産関係者向けの精神障害者支援セミナーの開催を提案した。
次のうち、H精神保健福祉士が提案する際に意図した精神障害者支援の理念として、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • ソーシャルインクルージョン
  • ソーシャルロール・バロリゼーション
  • ソーシャルジャスティス
  • ソーシャルイクオリティ
  • ソーシャル・コンストラクショニズム

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、 です。

1 適切です。

「インクルージョン」は「包含」を意味します。H精神保健福祉士は精神障害者を地域に包含し、コミュニティケアの推進を目指していることから、この選択肢が適切であることがわかります。

2 不適切です。

「ソーシャルロール・バロリゼーション」は、価値のある社会的役割の獲得を意味します。この場面では、そのようなことを考えたという記述はありません。

3 不適切です。

「ジャスティス」は、正義を意味します。この場面では、そのようなことを考えたという記述はありません。

4 不適切です。

「イクオリティ」は、平等を意味します。この場面では、そのようなことを考えたという記述はありません。

5 不適切です。

「ソーシャル・コンストラクショニズム」とは、社会構成主義を意味します。そのようなことを考えたという記述はありません。

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02

本事例ではH精神保健福祉士がJさんの相談をきっかけとして、精神障害者の方がより地域住民の輪の中に溶け込めるよう、支援している様子が見られます。

1、〇 ソーシャルインクルージョンは「社会的包摂」と訳されます。全ての人が社会から排除される事無く、社会の一員として生活する事ができるよう働きかける事を指します。本事例においては精神障害があるという理由で地域から排除される事が無いよう、地域住民に理解を深めてもらう事を目的に関わりを持っています。

2、✕ ソーシャルロール・バロリゼーションとは、社会から価値を低められている人達が価値のある社会的役割を獲得し、さらにそれが維持できるよう関わる事を言います。

3、✕ ソーシャルジャスティスは「社会的正義」と訳されます。全ての人々に平等に権利や機会が与えられるような社会を目指す活動の事を言います。

4、✕ ソーシャルイクオリティとは、社会に存在する不平等性をただし、全ての人が平等な存在として生活が出来るような権利を保障するよう働きかける事を言います。

5、✕ ソーシャル・コンストラクショニズムは「社会構成主義」などと訳されます。全ての物事は全ての人の「語り」により作り上げられ、その作り上げられた物事により社会全体が構成されるという考え方の事を言います。

以上の内容から、この設問の答えは選択肢1となります。

参考になった数11

03

正解は、 1 です。

1.適切です。

ソーシャルインクルージョンは、社会的包摂と訳され、

「福祉サービスが十分に行き届いていない人、社会的に孤立・疎外・排除された人々を社会の構成員として包み込み、誰もが共に生きる社会の創造を目指す考え方

を意味します。

2.適切ではありません。

ソーシャルロールバロリゼーションは、価値のある社会的役割の獲得と訳され、

社会的マイノリティに変化を求めるのではなく、

社会の在り方そのものを変えることで、

社会的マイノリティが生きがいを見つけ、

役割を担っていける社会を作り上げる必要があるという発想です。

3.適切ではありません。

ソーシャルジャスティスは、「社会正義」と訳され、

社会的マイノリティに十分に支援を提供することを意味します。

社会的公正としても訳され、

例としては法の下の平等や同一労働同一賃金が挙げられます。

4.適切ではありません。

ソーシャルイクオリティとは、社会的不平等を是正しようとするアクションを意味します。

個人が社会における社会的地位・社会階級に等しく属していない状況を打開しようとする動きです。

5.適切ではありません。

ソーシャル・コンストラクショニズムとは、社会構成主義を意味します。

現実の社会主義や社会に存在する事実や実態であり、

それを離れては存在しないという考え方です。

ソーシャルワークにおいては、

ナラティブ・アプローチがこの考え方を応用したものとして有名です。

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