精神保健福祉士の過去問
第25回(令和4年度)
社会理論と社会システム 問1

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問題

第25回(令和4年度) 精神保健福祉士国家試験 社会理論と社会システム 問1 (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、ヴェーバー(Weber, M.)の合法的支配における法の位置づけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
  • 法は、被支配者を従わせ、超人的な支配者の権力を貫徹するための道具である。
  • 法は、伝統的に継承されてきた支配体制を正当化するための道具である。
  • 法は、支配者の恣意的な判断により定められる。
  • 法は、神意や事物の本性によって導き出される。
  • 法は、万民が服さなければならないものであり、支配者も例外ではない。

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この過去問の解説 (3件)

01

ヴェーバー(Weber,M.)はドイツの社会学者で、正統的支配をカリスマ的支配(予言者、軍事的英雄)、伝統的支配(家長制)、合法的支配(官僚制)の3つの類型に整理しました。

選択肢1. 法は、被支配者を従わせ、超人的な支配者の権力を貫徹するための道具である。

超人的な支配者の権力を貫徹するのはカリスマ的支配における法です。

選択肢2. 法は、伝統的に継承されてきた支配体制を正当化するための道具である。

伝統的に継承されてきた支配体制を正当化するのは伝統的支配における法です。

選択肢3. 法は、支配者の恣意的な判断により定められる。

支配者の恣意的な判断により定められるのは、伝統的支配もしくはカリスマ的支配における法です。

選択肢4. 法は、神意や事物の本性によって導き出される。

神意や事物の本性によって導き出されるのは、伝統的支配における法です。

選択肢5. 法は、万民が服さなければならないものであり、支配者も例外ではない。

合法的支配とは法秩序のある支配です。支配者も万民も法に従うことになります。支配者も例外ではないとされています。

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02

ヴェーバーは、社会の支配形態を3つの形態(支配の3類型)として提唱しました。その形態の一つとして、本設問に登場する「合法的支配」が挙げられます。その他の形態としては「伝統的支配」「カリスマ的支配」が挙げられています。

ヴェーバーが提唱した、合法的支配とは定められた規則に従った支配体系の事を言います。

選択肢1. 法は、被支配者を従わせ、超人的な支配者の権力を貫徹するための道具である。

✕ 選択肢の内容は「カリスマ的支配」の説明となっています。

選択肢2. 法は、伝統的に継承されてきた支配体制を正当化するための道具である。

✕ 選択肢の内容は「伝統的支配」の説明となっています。

選択肢3. 法は、支配者の恣意的な判断により定められる。

✕ 不適切です。「恣意的」とは自由気ままであるという意味です。合法的支配とは、定められた秩序や決まりに基づき、支配者も被支配者も行動する事を言うため、正反対の内容です。

選択肢4. 法は、神意や事物の本性によって導き出される。

✕ 不適切です。合法的支配における法は、定められた手順によって導き出される事になります。神意や事物の本性によって導き出されるものではありません。

選択肢5. 法は、万民が服さなければならないものであり、支配者も例外ではない。

〇 選択肢の通りです。合法的支配においては被支配者だけではなく、支配者も法を守る必要があります。

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03

ヴェーバー(Weber, M.)が3つに類型化した合法的支配・カリスマ的支配・伝統的支配の中でも合法的支配について問われています。それぞれの特徴をおさえておきましょう。

選択肢1. 法は、被支配者を従わせ、超人的な支配者の権力を貫徹するための道具である。

不適切です。記述内容は、カリスマ的支配に関することと捉えることができます。

選択肢2. 法は、伝統的に継承されてきた支配体制を正当化するための道具である。

不適切です。記述内容は、伝統的支配に関することと捉えることができます。

選択肢3. 法は、支配者の恣意的な判断により定められる。

不適切です。記述内容は、カリスマ的支配に関することと捉えることができます。

選択肢4. 法は、神意や事物の本性によって導き出される。

不適切です。記述内容は、伝統的支配に関することと捉えることができます。

選択肢5. 法は、万民が服さなければならないものであり、支配者も例外ではない。

適切です。記述の通りです。

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