精神保健福祉士の過去問
第25回(令和4年度)
地域福祉の理論と方法 問8

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問題

第25回(令和4年度) 精神保健福祉士国家試験 地域福祉の理論と方法 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

災害時における支援体制に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 災害対策基本法は、国及び地方公共団体が、ボランティアによる防災活動を監督し、その指揮命令下で活動するよう指導しなければならないと規定している。
  • 災害対策基本法は、市町村長が避難行動要支援者ごとに、避難支援等を実施するための個別避難計画を作成するよう努めなければならないと規定している。
  • 災害対策基本法は、本人が同意している場合でも、市町村長が作成した避難行動要支援者の名簿情報を避難支援等関係者に提供してはならないと規定している。
  • 「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」(2021年(令和3年)改定(内閣府))は、福祉避難所は社会福祉施設でなければならないとしている。
  • 「災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドライン」(厚生労働省)は、国が主に福祉避難所において、災害時要配慮者の福祉支援を行う災害派遣福祉チームを組成するとしている。

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この過去問の解説 (3件)

01

日本は、これまで数多くの自然災害に見舞われ、高齢者・障害者・傷病者など地域の災害時要配慮者が、避難所において、長期間の避難生活を余儀なくされ、さらなる生活機能の低下や要介護度の重度化などの二次被害が生じるケースあります。災害時における福祉支援体制の整備についての施策も一通り学習するようにしましょう。

選択肢1. 災害対策基本法は、国及び地方公共団体が、ボランティアによる防災活動を監督し、その指揮命令下で活動するよう指導しなければならないと規定している。

正しくありません。災害対策基本法では、「国及び地方公共団体は、ボランティアによる防災活動が災害時において果たす役割の重要性に鑑み、その自主性を尊重しつつ、ボランティアとの連携に努めなければならない」とされています(災害基本法5条の3)。

選択肢2. 災害対策基本法は、市町村長が避難行動要支援者ごとに、避難支援等を実施するための個別避難計画を作成するよう努めなければならないと規定している。

正しいです。災害対策基本法では、「市町村長は、地域防災計画の定めるところにより、名簿情報に係る避難行動要支援者ごとに、当該避難行動要支援者について避難支援等を実施するための計画(「個別避難計画」)を作成するよ努めなければならない」とされています。なお、避難行動要支援者の同意が条件となっています(災害基本法49条の14)。

選択肢3. 災害対策基本法は、本人が同意している場合でも、市町村長が作成した避難行動要支援者の名簿情報を避難支援等関係者に提供してはならないと規定している。

正しくありません。災害対策基本法では、「市町村長は、災害の発生に備え、避難支援等の実施に必要な限度で、地域防災計画の定めるところにより、避難支援等関係者に対し、個別避難計画情報を提供するものとする」とされています。しかしその提供には、避難行動要支援者及び避難支援等実施者の同意が条件となっています(災害基本法49条の15)。

選択肢4. 「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」(2021年(令和3年)改定(内閣府))は、福祉避難所は社会福祉施設でなければならないとしている。

正しくありません。指定福祉避難所は、社会福祉施設等以外でも「一般の避難所のように、現況では指定福祉避難所としての機能を有していない場合であっても、機能を整備することを前提に利用可能な場合を含む」としています。

選択肢5. 「災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドライン」(厚生労働省)は、国が主に福祉避難所において、災害時要配慮者の福祉支援を行う災害派遣福祉チームを組成するとしている。

正しくありません。災害時要配慮者の福祉支援を行う災害派遣福祉チームを組成するのは都道府県の役割とされています。

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02

災害対策基本法では、避難行動要支援者ごとに避難支援等を実施する計画の策定の努力しなければいけないとの規定があります。

選択肢1. 災害対策基本法は、国及び地方公共団体が、ボランティアによる防災活動を監督し、その指揮命令下で活動するよう指導しなければならないと規定している。

災害対策基本法においては、「国及び地方公共団体は、ボランティアによる防災活動が災害時において果たす役割の重要性に鑑み、その自主性を尊重しつつ、ボランティアとの連携に努めなければならない。」と規定されています。

選択肢2. 災害対策基本法は、市町村長が避難行動要支援者ごとに、避難支援等を実施するための個別避難計画を作成するよう努めなければならないと規定している。

災害対策基本法に規定される個別避難計画の策定は努力義務になっています。

選択肢3. 災害対策基本法は、本人が同意している場合でも、市町村長が作成した避難行動要支援者の名簿情報を避難支援等関係者に提供してはならないと規定している。

避難行動要支援者の名簿情報は同意があれば避難支援等関係者に提供することが可能です。

選択肢4. 「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」(2021年(令和3年)改定(内閣府))は、福祉避難所は社会福祉施設でなければならないとしている。

福祉避難所は社会福祉施設が多く指定されています。しかし、バリアフリー構造などの条件をクリアすれば、その他の施設でも指定されます。

選択肢5. 「災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドライン」(厚生労働省)は、国が主に福祉避難所において、災害時要配慮者の福祉支援を行う災害派遣福祉チームを組成するとしている。

災害派遺福祉チームを組成するのは、都道府県とされています。

参考になった数2

03

近年日本では、地震や水害などの自然災害が増加しています。それら災害に被災した際に、少しでも早く元の生活に戻れるよう、対策を取っておく事が重要となります。

東日本大震災などの未曽有の災害が起きて以降、防災や被災時の対応について、より重点が置かれ、対策を取る事が重要視されています。

選択肢1. 災害対策基本法は、国及び地方公共団体が、ボランティアによる防災活動を監督し、その指揮命令下で活動するよう指導しなければならないと規定している。

✕ 災害対策基本法第5条の3に「国及び地方公共団体は、ボランティアによる防災活動が災害時において果たす役割の重要性に鑑み、その自主性を尊重しつつ、ボランティアとの連携に努めなければならない」と定められています。

指揮命令下での活動ではなく、あくまでボランティアの自主性を尊重する事が求められています。

選択肢2. 災害対策基本法は、市町村長が避難行動要支援者ごとに、避難支援等を実施するための個別避難計画を作成するよう努めなければならないと規定している。

〇 災害対策基本法第49条の10に定められています。

選択肢3. 災害対策基本法は、本人が同意している場合でも、市町村長が作成した避難行動要支援者の名簿情報を避難支援等関係者に提供してはならないと規定している。

✕ 災害対策基本法第49条の11に、本人の同意が得られる場合は避難行動要支援者の名簿情報を避難支援等関係者に提供して良いとされています。

避難支援等関係者とは、消防機関や都道府県警察、民生委員や社会福祉協議会等などに加え、地域の自主防災組織等の事を言います。

選択肢4. 「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」(2021年(令和3年)改定(内閣府))は、福祉避難所は社会福祉施設でなければならないとしている。

✕ 「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」において、福祉避難所は要配慮者(高齢者や障碍者、乳幼児等)を滞在させる事を想定とした施設と定められています。そのため、要配慮者が円滑に生活を営むことができる事や、必要な助言・相談を受けられる事が条件として挙げられていますが、社会福祉施設でなければならないという規定はありません。

選択肢5. 「災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドライン」(厚生労働省)は、国が主に福祉避難所において、災害時要配慮者の福祉支援を行う災害派遣福祉チームを組成するとしている。

✕ 災害時要配慮者の福祉支援を行う災害派遣福祉チームの組成は、各都道府県が行うものと定められています。

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