精神保健福祉士の過去問
第25回(令和4年度)
精神疾患とその治療 問4
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問題
第25回(令和4年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問4 (訂正依頼・報告はこちら)
うつ病で入院中の患者が、「私はがんにかかっていて死ぬのを待っているだけだ」と訴えている。身体的な検査をしたところ、特に異常はなく、がんの所見は認められなかった。
次のうち、患者にみられる症状として、正しいものを1つ選びなさい。
次のうち、患者にみられる症状として、正しいものを1つ選びなさい。
- 妄想気分
- 心気妄想
- 注察妄想
- 罪業妄想
- 関係妄想
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この過去問の解説 (3件)
01
妄想とは、現実で起こっていない事が起こっていると思い込み、他者からそれを訂正されても受け入れる事が出来ない状態の事を言います。
✕ 妄想気分とは、根拠や理由はないのに、自分の周りで何か大きな事件が起こりそうであると考える事を言います。本事例においては患者自身、自分はがんであると思い込んでいるため、大きな事件は既に起こっている物として捉えており、妄想気分の状態であるとは言えません。
〇 心気妄想とは、実際は患っていない重病にかかっていると思い込む妄想の事を言います。本事例において、検査をして異常がないにも関わらず、がんにかかっていると思い込んでいるため、心気妄想の症状であると考えられます。
✕ 注察妄想とは、家の中などにいても周囲の人に見張られていると思い込む妄想の事を言います。本事例においては注察妄想の症状は見られていません。
✕ 罪業妄想とは、過去に自分が行った行動や言動が重大な罪になっていると思い込んでしまう妄想の事を言います。本事例においては罪業妄想の症状は見られていません。
✕ 関係妄想とは、自分の周囲で起きている出来事が、自分と関係がないにも関わらず関係があると思い込む妄想の事を言います。本事例においては関係妄想の症状は見られていません。
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02
妄想には、一次妄想(全く根拠をもたない妄想)と二次妄想(何かしらの関わりがる妄想)という区別や、内容による分類(宗教妄想、注察妄想、関係妄想、罪業妄想、心気妄想、貧困妄想など)があります。
正しくないです。妄想気分とは、周囲がなんとなく意味ありげで、ただならぬことことが起こりそうで不気味と感じる状態を指します。「私はがんにかかっていて死ぬのを待っているだけだ」との妄想は、具体性があり、「なんとなく意味ありげ」という判然としない状態ではありません。
正しいです。心気妄想とは、病気ではないのに自分は病気にかかっていると思いこむ妄想、あるいは自分の病気をより重いものと思い込む妄想です。
正しくないです。注察妄想とは、見られていないのに「誰かに見られている」、盗聴されていないのに「常に盗聴されている」と思い込む妄想です。
正しくないです。罪業妄想とは、「みんな迷惑をかけている」「自分は罰せられるべきだ」「自分は悪い存在である」と思い込む妄想です。
正しくないです。関係妄想とは、周囲で起こっている出来事を過度・過敏に自分に結び付けて考え込む妄想です。
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03
「妄想」にもさまざまな種類があります。事例をよく読み、その方が考えている状況と周りの専門職の判断から、どれが適切か選びましょう。
不適切です。妄想気分は、何かが違うといった漠然とした気分の状態です。患者は、「私はがんにかかっていて死ぬのを待っているだけだ」とハッキリと答えているので、不適切です。
適切です。心気妄想では、主に病気であることを心配してしまいます。
不適切です。注察妄想は、誰かに悪口を言われていると思い込んでしまうといった特徴があります。
不適切です。罪業妄想は、自分が悪いと自分を責めてしまうといった特徴があります。
不適切です。関係妄想は、本当は自分に関係がないことでも、本人の中では関係があると考えてしまうといった特徴があります。
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