精神保健福祉士の過去問
第25回(令和4年度)
精神疾患とその治療 問5
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問題
第25回(令和4年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問5 (訂正依頼・報告はこちら)
次のうち、ほかの精神疾患よりも、アルツハイマー型認知症を疑う症状として、正しいものを1つ選びなさい。
- 微小妄想
- 妄想知覚
- 観念奔逸
- 連合弛緩(しかん)
- 物盗られ妄想
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この過去問の解説 (3件)
01
アルツハイマー型認知症の症状の特徴を問う問題です。アルツハイマー型認知症の特徴的な症状としては、もの忘れなどの認知機能障害、もの盗られ妄想、徘徊などがあげられます。他の認知症・精神疾患の症状も整理して覚えるようにしましょう。
正しくありません。「微小妄想」とは、過度に自分を実際より低く評価し、人より劣っていると思い込む妄想です。うつ病の患者によくみられるとされています。
正しくありません。「妄想知覚」とは、合理的にも感情的にも理解が可能な動機なしに、真の知覚に異常な意味が付与され、確信となり、訂正不可能なものになることです。統合失調症の患者によくみられるとされています。
正しくありません。「観念奔逸」とはとめどなく次々と考えがあふれだしてしまう精神状態を指します。双極性障害の患者によくみられるとされています。
正しくありません。「連合弛緩」とは、脈絡なく話の内容・ジャンルが飛んでしまうような、いわゆる支離滅裂な精神状態を指します。統合失調症の患者によくみられるとされています。
正しいです。認知症の中核症状として記憶障害や思考力の低下が起こり、失われた記憶を「取り繕う」ために、「盗まれた」という妄想を引き起こすのではないかといわれています。
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02
アルツハイマー型認知症は、認知症発症者の6~7割を占めており、非常に発症者数が多い病気です。
✕ 微小妄想とは、自分自身の価値を極端に過小評価し、価値のない人間だと思い込む妄想の事を言います。統合失調症やうつ病によく見られる症状のため、他の精神疾患よりもアルツハイマー型認知症を疑う要素とは言えません。
✕ 妄想知覚とは、五感で感じる感覚に対して、何の関連も無い妄想を持ってしまう事を言います。統合失調症などに多く見られる症状であり、他の精神疾患よりもアルツハイマー型認知症を疑う要素とは言えません。
✕ 観念奔逸とは、次から次へと言葉が出てきて、考えにまとまりがない状態の事を言います。双極性障害を発症している人に多く見られる症状であり、他の精神疾患よりもアルツハイマー型認知症を疑う要素とは言えません。
✕ 連合弛緩とは、違うテーマに次から次へと思考がとんでしまい、思考のまとまりがなくなってしまう状態の事を言います。統合失調症を発症している人に見られる症状であり、他の精神疾患よりもアルツハイマー型認知症を疑う要素とは言えません。
〇 物盗られ妄想とは、自分の大事な物(お金など)を他者に盗まれたと思い込んでしまう状態の事を言います。実際は自分自身の記憶力の低下に伴い、置いた場所を忘れてしまっている事が多いと言われています。物盗られ妄想は近くで生活を助けてくれている人に対して出現する事が多く見られます。
アルツハイマー型認知症の行動・心理症状の一つであり、他の精神疾患よりもアルツハイマー型認知症を疑う要素と言えます。
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03
現場で患者と接していると、認知症の症状からくるものなのか、精神疾患からくるものなのか迷う場合も多いです。認知症にも、脳血管性認知症やレビー小体型認知症といった種類があり、それぞれに症状や治療方法も変わってきます。特徴をおさえておきましょう。
不適切です。微小妄想が見られる場合は、うつ病といった精神疾患を疑います。
不適切です。妄想知覚が見られる場合は、統合失調症といった精神疾患を疑います。
不適切です。観念奔逸が見られる場合は、双極性障害といった精神疾患を疑います。
不適切です。連合弛緩が見られる場合は、統合失調症といった精神疾患を疑います。
適切です。物盗られ妄想は、アルツハイマー型認知症の症状として特徴的なものの一つです。
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