精神保健福祉士の過去問
第25回(令和4年度)
精神疾患とその治療 問8

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問題

第25回(令和4年度) 精神保健福祉士国家試験 精神疾患とその治療 問8 (訂正依頼・報告はこちら)

次のうち、認知行動療法に関連の深い人物として、正しいものを1つ選びなさい。
  • ベック(Beck, A.)
  • ユング(Jung, C.)
  • ソーンダイク(Thorndike, E.)
  • ロジャーズ(Rogers, C.)
  • カルフ(Kalff, D.)

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この過去問の解説 (3件)

01

心理療法は試験でよく問われるテーマの一つです。各心理療法の大まかな内容と、創始者、キーワードなど学習しておきましょう。

選択肢1. ベック(Beck, A.)

正しいです。ベックは、自己評価の低さや自己否定・自己避難的な感情を変えるため、認知のゆがみを再構造化し行動を改善する「認知療法」を創始しました。現在、認知療法は、後年に登場した認知行動療法の概念の中に分類されています。

選択肢2. ユング(Jung, C.)

正しくありません。ユングは、分析心理学(ユング心理学)を創始しました。ユング心理学は、個人の無意識にとどまらず、人類に共通して存在するとする集合的無意識(普遍的無意識)を視野に入れた分析をその特徴とします。認知行動療法と直接関係はしません。

選択肢3. ソーンダイク(Thorndike, E.)

正しくありません。ソーンダイクは、教育心理学の研究者です。新しい課題・問題解決に適応するためにあれこれ試し、失敗をしながら、次第に無駄な反応が排除され、満足・効果のある反応だけが生じる学習形式「試行錯誤学習」を提唱しました。認知行動療法と直接関係はしません。

選択肢4. ロジャーズ(Rogers, C.)

正しくありません。ロジャーズは、来談者中心療法の創始者です。来談者中心療法とは、無条件の肯定的関心、共感的理解、自己一致を重視する心理療法です。認知行動療法と直接関係はしません。

選択肢5. カルフ(Kalff, D.)

正しくありません。カルフは、ユング派の心理学者で、無意識と関係する遊戯療法である「箱庭療法」の開発に尽力しました。認知行動療法と直接関係はしません。

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02

精神医学の考え方や療法を築いた人物の名前や成果、その方の国について問われる問題が出てくることがあります。頻出される人物については、覚えておく必要があります。

選択肢1. ベック(Beck, A.)

適切です。アーロン・ベックはアメリカの精神科医です。

選択肢2. ユング(Jung, C.)

不適切です。ユングはスイスの精神科医で、分析心理学で有名です。

選択肢3. ソーンダイク(Thorndike, E.)

不適切です。ソーンダイクはアメリカの心理学者で、試行錯誤説で有名です。

選択肢4. ロジャーズ(Rogers, C.)

不適切です。ロジャーズはアメリカの心理学者で、来談者中心療法で有名です。

選択肢5. カルフ(Kalff, D.)

不適切です。カルフはスイスの心理学者で、箱庭療法として有名です。

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03

本設問のように、人物名とその人物が提唱した理論を結びつける問題は頻出問題となっています。その人物が活躍した時期なども併せて覚えておく事で、正答に結びつける事が出来ます。

選択肢1. ベック(Beck, A.)

〇 適切な人物です。ベックはアメリカの精神学者です。うつ病の患者の物の考え方などに認知の歪みがある事に着目し、その歪みを修正する事がうつ病の治療に繋がると考える「認知療法」を開発しました。認知療法は認知行動療法の中に含まれる治療法であり、関連が深いと言えます。

選択肢2. ユング(Jung, C.)

✕ ユングは「分析心理学」を創設した人物であり、認知行動療法への関連が深い人物ではありません。

選択肢3. ソーンダイク(Thorndike, E.)

✕ ソーンダイクは「試行錯誤説」を唱えた人物であり、認知行動療法への関連が深い人物ではありません。

選択肢4. ロジャーズ(Rogers, C.)

✕ ロジャーズは「クライエント中心療法」を提唱した人物であり、認知行動療法に関連の深い人物ではありません。

選択肢5. カルフ(Kalff, D.)

✕ カルフは「箱庭療法」の発展に従事した人物です。認知行動療法に関連の深い人物ではありません。

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