問題
次の記述のうち、B精神保健福祉士の促しによって、グループに生まれた効果として、適切なものを2つ選びなさい。
学習会での精神保健福祉士の役割について問われています。学習会の目的や話の流れを読み取り、この学習会での精神保健福祉士の立ち位置を考えましょう。
不適切です。生活に必要な情報を共有しているわけではありません。
不適切です。社会的に必要なスキルについて話し合っているわけではありません。
適切です。Cさん、Dさん共に、「前回、生き生きと自分の体験を語っていた人の話を聞いた」ことによって、変化が生まれたと話しています。
適切です。自分以外の人から話を聞いたことによって、自分だけの問題ではないということを感じたことが伺えます。
不適切です。対人関係について学んだということは読み取れません。
精神科デイ・ケアでは、精神障害の回復期にリハビリテーションや再発防止などのため、様々なプログラムが行われます。病気・障害・生活などをテーマにして学習会がプログラムの一つとなることもあります。精神保健福祉士を交えた学習会において、精神保健福祉士の役割、参加当事者の気持ちを理解し、解答するようにしましょう。また、集団の中には必ずさまざまな力動=相互作用が生じます。そうしたグループセラピーの作用にも注目しましょう。
適切ではありません。B精神保健福祉士の促しは、参加者Dさんの不安な気持ちを受け止め、参加者Cさんの気持ちの前向きな変化についてたずねるものです。「生活に必要な生きた情報が共有」されるための発言とはとらえられません。
適切ではありません。B精神保健福祉士の促しは、参加者Dさんの不安な気持ちを受け止め、参加者Cさんの気持ちの前向きな変化についてたずねるものです。「社会的に必要なスキルを身に付ける」ための発言とはとらえられません。
適切です。B精神保健福祉士の促しは、参加者Dさんの不安な気持ちを受け止め、参加者Cさんの気持ちの前向きな変化についてたずねるものです。CさんがDさん同様、不安な気持ちを持ちつつも前回の学習会での発言者のふるまいを見て希望を抱き、Dさんも今回のCさんのように堂々生きたいと希望を述べられています。
適切です。B精神保健福祉士の促しは、参加者Dさんの不安な気持ちを受け止め、参加者Cさんの気持ちの前向きな変化についてたずねるものです。Cさんも当初はDさんと同じく不安な気持ちをもっており、問題の普遍性(「悩みで苦しんでいるのは自分だけじゃない」という気付き)を理解し、Dさんの前向きな発言を引き出しています。
適切です。B精神保健福祉士の促しは、参加者Dさんの不安な気持ちを受け止め、参加者Cさんの気持ちの前向きな変化についてたずねるものです。「他者への関わりの結果から対人関係について学ぶ」ための発言とはとらえられません。
今回の設定では、適切ではありませんでしたが、「生活に必要な生きた情報が共有される(情報の伝達)」「社会的に必要なスキルを身に付ける」「他者への関わりの結果から対人関係について学ぶ(対人学習)」もグループセラピーの目的・効果となることがあります。