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精神保健福祉士の過去問 第25回(令和4年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問16

問題

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次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Mさん(30歳、男性)は、高校3年生の時に統合失調症を発症した。その後、服薬を中断し、幻聴によって大声を出し、騒ぎになっては入院することが度々あった。25歳の時に高校の同窓会の案内が届いた。高校の同級生は皆大学を出て働いており、このままでは同窓会に出られないと思い、治療を受け続ける覚悟を決めた。そして、病気で受験を諦めていたが、大学に入学し、卒業後に同級生と同じように就職したいと思うようになった。それからMさんは、服薬を継続し、予備校に通い受験勉強に取り組んだが、模擬試験で思うような成績が得られず、焦りから両親への八つ当たりが増えた。ある日、Mさんは通院先の医療相談室のA精神保健福祉士に、「両親から『受験をやめてはどうか』と言われてしまった。大学には絶対行きたいが、再発して入院にならないか心配だ」と相談してきた。(※1)
Mさんは2年後に大学に入学することができ、入学後間もなく学生支援室のBキャンパスソーシャルワーカー(以下「Bワーカー」という。)を訪ね、心配事の相談をした。Mさんは、「聞きたいことを先生にうまく伝えられない」「授業のグループディスカッションは、参加したいのに緊張して議論に加われず、休みがちになった」「頑張って同級生に話しかけても、うまくいかず自信をなくした」「関心のある授業を取りすぎたせいか、夕方の授業は疲れて内容が頭に入らない」と語った。(※2)
その後、MさんはBワーカーの支援を受け、体調の波と付き合いながらも単位を取得し、卒業の目途がついた4年次には企業のインターンシップに参加した。しかし、緊張もあって社員の指示が理解できず、簡単な書類作成をミスするなど失敗を重ね、中断となってしまった。相談を受けたBワーカーは、一緒にインターンシップの経験を振り返り、ミスを繰り返しても人に聞けなかったが、慣れるまで時間がかかるもののパソコン作業は正確にこなせることが分かった。Mさんは、「パソコン作業の仕事に就きたいが、病気があり、自信がない。学生生活やインターンシップと同じようになるのではないか。会社には相談できる場はないし」と話した。(※3)

次の記述のうち、(※3)後のBワーカーの支援として、適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
緊張を克服できるように、アルバイトを幾つもやってみることを勧める。
   2 .
就職時のジョブコーチの利用について情報を提供する。
   3 .
パソコンスキル向上のために、就労移行支援事業所につなげる。
   4 .
自信を付けるために、就労継続支援B型事業所の利用を提案する。
   5 .
事務に限らず、営業や販売などにも広げて就職活動することを勧める。
( 第25回(令和4年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問16 )
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この過去問の解説 (2件)

6

Mさんが卒業を前に、インターンシップに参加し、そこで自信を失いかけている場面です。しかし、Mさんは自分の意向を話すことができていますので、その意向に沿うための支援を検討するようにしましょう。

選択肢1. 緊張を克服できるように、アルバイトを幾つもやってみることを勧める。

不適切です。学生であるMさんにアルバイトを幾つもやってみることを勧めることは体調の悪化にも繋がる恐れがあります。また、アルバイトを幾つもやってみることが緊張の克服になるとは限りません。

選択肢2. 就職時のジョブコーチの利用について情報を提供する。

適切です。インターンシップにて自信を失いかけているMさんにとって、ジョブコーチの支援を受けられるよう情報を提供することは適切です。

選択肢3. パソコンスキル向上のために、就労移行支援事業所につなげる。

不適切です。事例に、Mさんは「パソコン作業は正確にこなせることが分かった」とあります。パソコンスキル向上といった技術面ではなく、自信を失いかけているMさんへの支援ということがポイントとなります。

選択肢4. 自信を付けるために、就労継続支援B型事業所の利用を提案する。

不適切です。事例に「パソコン作業は正確にこなせることが分かった」「パソコン作業の仕事に就きたい」とあることから、まずはMさんの意向を尊重できるよう支援策を考えることが適切です。

選択肢5. 事務に限らず、営業や販売などにも広げて就職活動することを勧める。

不適切です。Mさんは「パソコン作業の仕事に就きたい」と話していることから、他の職種に広げて就職活動をするのではなく、どうすればMさんの意向に沿うことができるかを考える必要があります。

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1

学生支援室のBキャンパスソーシャルワーカーが就職についての具体的悩みを持つMさんの相談にのる場面です。選択肢の中には、障害者の就労に関するさまざまなサービスが記載されています。それぞれの内容をよく整理して、理解するようにしましょう。

選択肢1. 緊張を克服できるように、アルバイトを幾つもやってみることを勧める。

適切ではありません。Mさんの悩み・不安は「緊張があること」が主訴ではありません。「アルバイトを幾つもやってみる」ことによって、病気・障害を抱えながら就労することへの不安を軽減するものではありません。

選択肢2. 就職時のジョブコーチの利用について情報を提供する。

適切です。ジョブコーチ(職場適応援助者)とは、障害者の職場適応に課題がある場合に、職場にジョブコーチが出向いて、障害特性を踏まえた専門的な支援を行い、障害者の職場適応を図ること目的に設けられている制度です。厚生労働省の職場適応援助者(ジョブコーチ)支援事業として制度化されています。Mさんが「会社には相談できる場はない」と発言し、不安を吐露したことに対する適切な助言です。

選択肢3. パソコンスキル向上のために、就労移行支援事業所につなげる。

適切ではありません。「就労移行支援」とは、障害のある人が一般企業に就職するために職業的な訓練や職場実習、就職活動などをサポートする障害福祉サービスの一つです。現状、Mさんは、Bキャンパスソーシャルワーカーの支援を受けつつ、就職活動を行っている段階と推察されるので「就労移行支援」の利用は時期尚早と考えられます。また、「パソコンスキル向上」ためであれば、パソコン教室などが第一選択肢となるはずです。

なお、大学在学中の「就労移行支援」の利用については、①大学等による支援が困難、②卒業年度で卒業に必要な単位の取得が見込まれている、③本人が利用を希望し、その利用によって就職につながることが可能であると市町村が判断した場合のいずれの要件も満たす場合に利用することができます。

選択肢4. 自信を付けるために、就労継続支援B型事業所の利用を提案する。

適切ではありません。「就労継続支援B型」とは、障害等を持つ人のうち、体力や年齢などの理由により一般企業や就労継続支援A型の事業所を利用することが困難な人が、自分の体調や体力に合わせて働くための場を提供する障害福祉サービスの一つです。Mさんは、体力・能力の面で一般企業で働くのが難しいと判断するには時期尚早ですし、現段階では、就労継続支援B型を利用することは適切ではないと判断できます。

選択肢5. 事務に限らず、営業や販売などにも広げて就職活動することを勧める。

適切ではありません。パソコンを使う職に就きたいという本人の希望、病気・障害を抱えながら就労することへの不安に対する適切な助言とはいえません。

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