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精神保健福祉士の過去問 第25回(令和4年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問15

問題

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次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Mさん(30歳、男性)は、高校3年生の時に統合失調症を発症した。その後、服薬を中断し、幻聴によって大声を出し、騒ぎになっては入院することが度々あった。25歳の時に高校の同窓会の案内が届いた。高校の同級生は皆大学を出て働いており、このままでは同窓会に出られないと思い、治療を受け続ける覚悟を決めた。そして、病気で受験を諦めていたが、大学に入学し、卒業後に同級生と同じように就職したいと思うようになった。それからMさんは、服薬を継続し、予備校に通い受験勉強に取り組んだが、模擬試験で思うような成績が得られず、焦りから両親への八つ当たりが増えた。ある日、Mさんは通院先の医療相談室のA精神保健福祉士に、「両親から『受験をやめてはどうか』と言われてしまった。大学には絶対行きたいが、再発して入院にならないか心配だ」と相談してきた。(※1)
Mさんは2年後に大学に入学することができ、入学後間もなく学生支援室のBキャンパスソーシャルワーカー(以下「Bワーカー」という。)を訪ね、心配事の相談をした。Mさんは、「聞きたいことを先生にうまく伝えられない」「授業のグループディスカッションは、参加したいのに緊張して議論に加われず、休みがちになった」「頑張って同級生に話しかけても、うまくいかず自信をなくした」「関心のある授業を取りすぎたせいか、夕方の授業は疲れて内容が頭に入らない」と語った。(※2)
その後、MさんはBワーカーの支援を受け、体調の波と付き合いながらも単位を取得し、卒業の目途がついた4年次には企業のインターンシップに参加した。しかし、緊張もあって社員の指示が理解できず、簡単な書類作成をミスするなど失敗を重ね、中断となってしまった。相談を受けたBワーカーは、一緒にインターンシップの経験を振り返り、ミスを繰り返しても人に聞けなかったが、慣れるまで時間がかかるもののパソコン作業は正確にこなせることが分かった。Mさんは、「パソコン作業の仕事に就きたいが、病気があり、自信がない。学生生活やインターンシップと同じようになるのではないか。会社には相談できる場はないし」と話した。(※3)

次の記述のうち、(※2)の時のBワーカーの支援として、適切なものを2つ選びなさい。
   1 .
同級生に話しかける場面を設定し、ロールプレイを行う。
   2 .
グループディスカッションを免除してもらうよう教員に働きかける。
   3 .
卒業を最優先と考え、出席するよう励ます。
   4 .
履修状況を確認し、必要な見直しを行う。
   5 .
授業後に聞きたい点について、Mさんの代わりに教員に聞きに行く。
( 第25回(令和4年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問15 )
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この過去問の解説 (2件)

3

大学に配置されている相談員が精神障害を持つ学生から相談を受けている場面です。学生相談室の相談員の仕事の一つに、学生が抱える問題に対して、心理的な援助・助言を提供し、学生の健康的な成長を促すことがあげられます。学生相談室の相談員として、どのように心理的な援助・助言を行い、あるいは介入を行うか、具体的に検討します。

また、Mさんが障害を持つ学生であることから、大学における「合理的配慮」の観点からも事例を見る必要あります。

選択肢1. 同級生に話しかける場面を設定し、ロールプレイを行う。

適切です。授業のグループディスカッションを苦手とするMさんに対する適切な心理的な援助と考えられます。

選択肢2. グループディスカッションを免除してもらうよう教員に働きかける。

適切ではありません。Mさんは「グループワークには参加したい」と意志表示しています。また、大学における障害に対しての「合理的配慮」は、原則的には学生側からの申し出によるものとされています。教員にグループワークの免除を働きかける行為は、相談員としての職域を超えていると思われます。

選択肢3. 卒業を最優先と考え、出席するよう励ます。

適切ではありません。「休みがち」になり、卒業が危ぶまれる状況との記述がなく、また「卒業最優先」という方針も、Mさん自身の思いからは判断できません。また、症状の改悪につながる可能性もあり、慎重な検討が必要です。

選択肢4. 履修状況を確認し、必要な見直しを行う。

適切です。Mさん自身の発言に「関心のある授業を取りすぎた」との記述があることから、休みがちにならない・夕方につかれてしまわないよう履修状況についてアドバイスすることは、相談員として適切な助言ということができます。

選択肢5. 授業後に聞きたい点について、Mさんの代わりに教員に聞きに行く。

適切ではありません。相談員としての任務の範囲を超えており、また、危機介入と評価することもできない事項です。

付箋メモを残すことが出来ます。
3

大学に入学し、新たな心配事が生じている場面です。一つ一つの心配事に対し、どのような支援内容が適切か、Mさんの話をよく傾聴して考えましょう。

選択肢1. 同級生に話しかける場面を設定し、ロールプレイを行う。

適切です。「同級生に話しかけても、うまくいかず自信をなくした」とあるので、ロールプレイを行うことで次に繋げることができます。

選択肢2. グループディスカッションを免除してもらうよう教員に働きかける。

不適切です。グループディスカッションについて「参加したいのに緊張して議論に加われず」とあることから、どうすれば緊張せずに議論に加わることができるかを検討する必要があります。

選択肢3. 卒業を最優先と考え、出席するよう励ます。

不適切です。Mさんは、心配事を具体化して語っています。一つ一つについて傾聴し、どのような支援が適切かを考える必要があります。

選択肢4. 履修状況を確認し、必要な見直しを行う。

適切です。「関心のある授業を取りすぎたせいか、夕方の授業は疲れて内容が頭に入らない」とありますので、スケジュール管理も含め、履修状況について見直しを検討する必要があります。

選択肢5. 授業後に聞きたい点について、Mさんの代わりに教員に聞きに行く。

不適切です。ソーシャルワーカーが当事者の代弁者となることもありますが、まずは、なぜ聞きたいことを先生に伝えられないのか、伝えられるためにはどうすれば良いかといった検討が必要になります。

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