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精神保健福祉士の過去問 第25回(令和4年度) 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問14

問題

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次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
Mさん(30歳、男性)は、高校3年生の時に統合失調症を発症した。その後、服薬を中断し、幻聴によって大声を出し、騒ぎになっては入院することが度々あった。25歳の時に高校の同窓会の案内が届いた。高校の同級生は皆大学を出て働いており、このままでは同窓会に出られないと思い、治療を受け続ける覚悟を決めた。そして、病気で受験を諦めていたが、大学に入学し、卒業後に同級生と同じように就職したいと思うようになった。それからMさんは、服薬を継続し、予備校に通い受験勉強に取り組んだが、模擬試験で思うような成績が得られず、焦りから両親への八つ当たりが増えた。ある日、Mさんは通院先の医療相談室のA精神保健福祉士に、「両親から『受験をやめてはどうか』と言われてしまった。大学には絶対行きたいが、再発して入院にならないか心配だ」と相談してきた。(※1)
Mさんは2年後に大学に入学することができ、入学後間もなく学生支援室のBキャンパスソーシャルワーカー(以下「Bワーカー」という。)を訪ね、心配事の相談をした。Mさんは、「聞きたいことを先生にうまく伝えられない」「授業のグループディスカッションは、参加したいのに緊張して議論に加われず、休みがちになった」「頑張って同級生に話しかけても、うまくいかず自信をなくした」「関心のある授業を取りすぎたせいか、夕方の授業は疲れて内容が頭に入らない」と語った。(※2)
その後、MさんはBワーカーの支援を受け、体調の波と付き合いながらも単位を取得し、卒業の目途がついた4年次には企業のインターンシップに参加した。しかし、緊張もあって社員の指示が理解できず、簡単な書類作成をミスするなど失敗を重ね、中断となってしまった。相談を受けたBワーカーは、一緒にインターンシップの経験を振り返り、ミスを繰り返しても人に聞けなかったが、慣れるまで時間がかかるもののパソコン作業は正確にこなせることが分かった。Mさんは、「パソコン作業の仕事に就きたいが、病気があり、自信がない。学生生活やインターンシップと同じようになるのではないか。会社には相談できる場はないし」と話した。(※3)

次の記述のうち、(※1)の時のA精神保健福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
   1 .
再発が心配なため、大学受験を先延ばしにするよう勧める。
   2 .
両親に心配をかけないよう、ひそかに受験勉強することを提案する。
   3 .
服薬を忘れないように服薬管理を両親に依頼する。
   4 .
Mさんが行きたい大学のオープンキャンパスの参加を勧める。
   5 .
一緒にクライシスプランを作成することを提案する。
( 第25回(令和4年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問14 )
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この過去問の解説 (2件)

6

通院先の医療相談室勤務の精神保健福祉士として対応が問われている場面です。受験・大学進学・就職という、Mさんの希望や目標に対して、現時点ではなかなか結果が出ず、焦りから両親に八つ当たりをしてしまう状況です。Mさんの思い、希望、状況を熟慮して対応することが望まれます。

選択肢1. 再発が心配なため、大学受験を先延ばしにするよう勧める。

適切ではありません。Mさんの希望や目標として、大学受験があります。その目標に向けて、結果が出ない焦りや両親とのいさかいはありますが、再発が懸念されるほど精神症状が悪化している記述はありません。また、先延ばしという判断がMさんに良い効果のみをもたらすとは考えにくくもあります。

選択肢2. 両親に心配をかけないよう、ひそかに受験勉強することを提案する。

適切ではありません。Mさん自身は「再発は心配だが絶対に大学へ行きたい」と話しており、「両親に心配をかけない」ということが話の本旨ではありません。

選択肢3. 服薬を忘れないように服薬管理を両親に依頼する。

適切ではありません。Mさん自身に焦り・心配は見られますが、服薬できていないことが原因と判断する記述はありません。

選択肢4. Mさんが行きたい大学のオープンキャンパスの参加を勧める。

適切ではありません。Mさん自身は「再発は心配だが絶対に大学へ行きたい」と話していることから、受験に対する意志は明確です。焦りから両親に八つ当たりしてしまうこと、再発が心配なことに対して向き合った回答とはいえません。

選択肢5. 一緒にクライシスプランを作成することを提案する。

適切です。クライシスプランとは一般に、病状悪化のサインとその対処方法などを一覧にしたプランをいいます。Mさんの症状は、目標に向けての焦り・不安が見られるものの、安定した状態にあると推察され、現段階において、MさんとA精神保健福祉士がクライシスプランを共同で作成することによって、Mさんの症状悪化に対しての自己処置・周囲の対応を明確にし、不安の軽減に役立てることができます。

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2

Mさん自身の希望や目標とは逆に、結果が出ず、焦りや心配につながっている場面です。精神保健福祉士としては、Mさんの思いを傾聴し、適切な提案をすることが重要です。

選択肢1. 再発が心配なため、大学受験を先延ばしにするよう勧める。

不適切です。Mさんは「大学には絶対行きたい」と話していることからも、先延ばしにすることが解決策となるわけではありません。

選択肢2. 両親に心配をかけないよう、ひそかに受験勉強することを提案する。

不適切です。ひそかに受験勉強をすることで、焦りや両親への八つ当たりが軽減するわけではありません。

選択肢3. 服薬を忘れないように服薬管理を両親に依頼する。

不適切です。事例には、「服薬を継続し」とありますので、Mさんは服薬を忘れているわけではありません。

選択肢4. Mさんが行きたい大学のオープンキャンパスの参加を勧める。

不適切です。オープンキャンパスに参加することは大学受験の動機づけとして悪いことではありませんが、ここはMさんが心配について訴えている場面ですので、それを解消するための提案を行う必要があります。

選択肢5. 一緒にクライシスプランを作成することを提案する。

適切です。症状が悪化したときに、どうするかといったことを事前に作成しておくことは、重要です。

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