精神保健福祉士の過去問
第25回(令和4年度)
精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問23
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問題
第25回(令和4年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉の理論と相談援助の展開 問23 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
F精神保健福祉士が勤務する精神科病院に、10日前、アルコール依存症のGさん(52歳、男性)が入院となった。Gさんはこれまで2度入院し、その都度F精神保健福祉士が担当していた。離脱症状が治まったため、F精神保健福祉士は病棟の面接室でGさんと面接を行った。
Gさんは、「大学を出て今の会社に就職して、趣味もなく仕事ばかりの生活だった。3年前に管理職に昇進して、慣れない内容が増えてそのストレスを飲酒でごまかすようになり、そのうち時々早退して昼から酒を飲むようになった。その様子を見兼ねた妻が病院に連れて来た。今まで自分で酒を断とうとしたけど、うまくいかなかった。こんな僕だけど、家族のためにも酒のない生活に変わりたい気持ちはある。妻や社長からは、今回は入院してしっかり治して帰ってくるようにと言われているけど、迷惑をかけて、つくづく自分はだめな人間だと思う」とやっと本音を話した。F精神保健福祉士は、「そう思いつつも、Gさん自身はこれから酒のない生活に変わっていきたいんですね」と話を続けた。(※1)
翌週、妻から面談の希望があり、F精神保健福祉士が対応した。「私も仕事をしているのでお金のことは心配ない。でも、また夫が酒浸りになるんじゃないかと一人で考えていると胸が苦しくなってくる。このことは、誰にでも話せることじゃないし、どうしたらいいでしょうか」と相談された。そこで、F精神保健福祉士は、「私たちも相談に乗りますし、地域にも相談できる所がありますよ」と提案した。(※2)
入院から1か月後、Gさんを含めた病棟カンファレンスが開催された。その際、F精神保健福祉士は、Gさんが自宅へ退院しても断酒が継続できるよう、今後を見据えたGさんへの支援を提案した。(※3)
次のうち、(※1)の時にF精神保健福祉士が行った面接として、正しいものを1つ選びなさい。
〔事例〕
F精神保健福祉士が勤務する精神科病院に、10日前、アルコール依存症のGさん(52歳、男性)が入院となった。Gさんはこれまで2度入院し、その都度F精神保健福祉士が担当していた。離脱症状が治まったため、F精神保健福祉士は病棟の面接室でGさんと面接を行った。
Gさんは、「大学を出て今の会社に就職して、趣味もなく仕事ばかりの生活だった。3年前に管理職に昇進して、慣れない内容が増えてそのストレスを飲酒でごまかすようになり、そのうち時々早退して昼から酒を飲むようになった。その様子を見兼ねた妻が病院に連れて来た。今まで自分で酒を断とうとしたけど、うまくいかなかった。こんな僕だけど、家族のためにも酒のない生活に変わりたい気持ちはある。妻や社長からは、今回は入院してしっかり治して帰ってくるようにと言われているけど、迷惑をかけて、つくづく自分はだめな人間だと思う」とやっと本音を話した。F精神保健福祉士は、「そう思いつつも、Gさん自身はこれから酒のない生活に変わっていきたいんですね」と話を続けた。(※1)
翌週、妻から面談の希望があり、F精神保健福祉士が対応した。「私も仕事をしているのでお金のことは心配ない。でも、また夫が酒浸りになるんじゃないかと一人で考えていると胸が苦しくなってくる。このことは、誰にでも話せることじゃないし、どうしたらいいでしょうか」と相談された。そこで、F精神保健福祉士は、「私たちも相談に乗りますし、地域にも相談できる所がありますよ」と提案した。(※2)
入院から1か月後、Gさんを含めた病棟カンファレンスが開催された。その際、F精神保健福祉士は、Gさんが自宅へ退院しても断酒が継続できるよう、今後を見据えたGさんへの支援を提案した。(※3)
次のうち、(※1)の時にF精神保健福祉士が行った面接として、正しいものを1つ選びなさい。
- 構造化面接
- 指示的面接
- 居宅訪問面接
- 動機づけ面接
- 生活場面面接
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この過去問の解説 (3件)
01
アルコール依存症のGさんと面接を行い、本音を傾聴している場面です。信頼関係の構築も頭に入れながら、適切な面接方法で臨む必要があります。
不適切です。F精神保健福祉士は、あらかじめ決めておいた質問をしているわけではありません。きちんとGさんの話を傾聴し、その上でGさんへ声かけを行っています。
不適切です。Gさんの訴えをF精神保健福祉士は傾聴し、その上で声かけを行っています。
不適切です。事例には、F精神保健福祉士が勤務する精神科病院の面接室とあります。
適切です。Gさんが「迷惑をかけて、つくづく自分はだめな人間だと思う」という本音を話していることを受け止めつつも、Gさんの本音を捉えた声かけを行っています。
不適切です。事例には、F精神保健福祉士が勤務する精神科病院の面接室とあり、Gさんの生活場面と捉えられる記述はありません。
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02
アルコール依存症で入院中のGさんに対して、精神科病院所属のF精神保健福祉士が病棟の面接室で面接を行っている場面です。場面、発言内容、質問内容を吟味し、また選択肢の意味をよく検討し、解答するようにしましょう。
適切ではありません。構造化面接とは、一般にあらかじめ決められた質問や評価基準を通して、客観的に評価を行う面接手法です。F精神保健福祉士の発言内容があらかじめ決められている質問であったとは考えられません。
適切ではありません。指示的面接は、一般にあらかじめ質問事項とその質問の順序が決められている面接手法をいいます。F精神保健福祉士の発言内容があらかじめ決められている質問であったとは考えられません。
適切ではありません。居宅訪問面接は、一般にクライエントの居宅において行れる面接を指します。クライエントの生活全般についての情報を具体的に得ることができるとされています。
事例における面接場所は病院内です。
適切です。動機づけ面接とは、一般にクライエントの発言の中から動機づけを呼び覚まし、自ら行動を変えることを促進することを目的とした面接技法です。アメリカのウィリアム・R・ミラー、イギリスのステファン・ロルニックらによって提唱され、アルコール依存症の治療法として開発・体系化されたものです。
適切ではありません。生活場面面接とは、クライエントの生活場面で行われる面接をいいます。この場合の生活場面とは居宅のみならず、生活施設の居室、病院のベッドサイドを含むとされます。
事例における面接場所は病棟内の「面接室」です。
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03
本設問では、アルコール依存症によって自信を喪失しているGさんに対するアプローチとなります。
✕ 構造化面接とは、あらかじめ準備されている質問内容を、順序通りに行う面接方法の事を言います。F精神保健福祉士はGさん自身が発言した本音に対して、Gさんが希望する未来の姿を言語化して返答を返している事から、あらかじめ準備されている言葉であるとは言えません。
✕ 指示的面接とは、調査票に基づき口頭で相手に質問し、その質問に対する回答を得ていく面接方法の事を言います。本設問において、F精神保健福祉士が事前に調査票に基づいた質問を用意している描写は見られません。
✕ 居宅訪問面接とは、対象者の自宅へ訪問し、生活状況などを把握するために行われる面接の事を言います。本設問においてはGさんがF精神保健福祉士の勤務する精神科病院に訪れて面接が行われており、居宅訪問面接の形をとっていません。
〇 動機づけ面接とは、クライエントのやる気を高め、クライエントの行動が良い方向へ変化できるように行われる面接の事を言います。Gさんはアルコール依存症であり、その状況から抜け出したいと思っています。しかしそれが自分の思う通りの結果にならず、落ち込んでいる状況が見られています。
F精神保健福祉士は、これまでのGさんの行動を受け止めた上で、これからの未来の生活がGさんにとって望ましい物になるよう言葉をかけており、動機づけ面接を行っていると考えられます。
✕ 生活場面面接とは、クライエントが生活している場所に訪問し、生活状況などを把握するために行われる面接の事を言います。居宅訪問面接と異なる点としては、訪問場所は自宅に限らず、例えば入院している時にはベッドサイドなどに行き、聞き取りなどを行う点となります。
本設問においてはGさんの生活場所に訪問して面談を行っている訳ではないため、生活場面面接を行っているとは言えません。
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