精神保健福祉士の過去問
第25回(令和4年度)
精神保健福祉に関する制度とサービス 問10
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問題
第25回(令和4年度) 精神保健福祉士国家試験 精神保健福祉に関する制度とサービス 問10 (訂正依頼・報告はこちら)
次の事例を読んで、問題について答えなさい。
〔事例〕
地元の中小企業で正社員として勤務するJさん(55歳、男性)は、学生時代に統合失調症を発症し、入院をした。退院後に、症状はほぼ消失したため、現在の会社に就職し、何度か再発の危機はあったが、その都度外来治療で乗り越えてきた。ある日、勤務中に、「誰かが自分の命を狙っている」「窓の外に誰かがいる」などの発言がみられるようになり、心配した勤務先の同僚に付き添われてY精神科病院を受診した。
Jさんは支離滅裂なことを言ったり、大きな声で叫んだことから、診察したK医師(精神保健指定医)は直ちに入院を必要とする状態と判断した。入院を勧めたが、Jさんは拒否したため、K医師は本人の意思によらない入院の手続を進めることとした。なお、Jさんの両親はすでに他界しており、兄弟等の親族もいない。(※1)
入院後間もなく、Jさんは徐々に落ち着きを取り戻した。ある日、Jさんは相談室のL精神保健福祉士に対して、「給与が出なくなり、経済的に不安だ」と訴えた。そこで、L精神保健福祉士は、Jさんに対して、健康保険法に基づく制度を紹介し、申請方法について説明した。その後のJさんは、この制度を利用できたことにより経済的な不安が解消し、退院後の自分の生活について考えられるようになった。(※2)
3か月後、JさんはY精神科病院を退院した。その後、外来時にJさんは相談室に寄りL精神保健福祉士に対し、「しばらくは働かずに、自宅で療養して過ごそうと思います。ただ、家に一人でいるのも不安があるので、誰かと話したり、趣味である絵を描いたりする場所が欲しいと思っています」と相談してきた。そこで、L精神保健福祉士は、「障害者総合支援法」において、創作的活動や生産活動の機会の提供、社会との交流の促進等を行うZセンターの紹介を検討した。(※3)
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
次のうち、(※1)におけるJさんの入院の同意者として、正しいものを1つ選びなさい。
〔事例〕
地元の中小企業で正社員として勤務するJさん(55歳、男性)は、学生時代に統合失調症を発症し、入院をした。退院後に、症状はほぼ消失したため、現在の会社に就職し、何度か再発の危機はあったが、その都度外来治療で乗り越えてきた。ある日、勤務中に、「誰かが自分の命を狙っている」「窓の外に誰かがいる」などの発言がみられるようになり、心配した勤務先の同僚に付き添われてY精神科病院を受診した。
Jさんは支離滅裂なことを言ったり、大きな声で叫んだことから、診察したK医師(精神保健指定医)は直ちに入院を必要とする状態と判断した。入院を勧めたが、Jさんは拒否したため、K医師は本人の意思によらない入院の手続を進めることとした。なお、Jさんの両親はすでに他界しており、兄弟等の親族もいない。(※1)
入院後間もなく、Jさんは徐々に落ち着きを取り戻した。ある日、Jさんは相談室のL精神保健福祉士に対して、「給与が出なくなり、経済的に不安だ」と訴えた。そこで、L精神保健福祉士は、Jさんに対して、健康保険法に基づく制度を紹介し、申請方法について説明した。その後のJさんは、この制度を利用できたことにより経済的な不安が解消し、退院後の自分の生活について考えられるようになった。(※2)
3か月後、JさんはY精神科病院を退院した。その後、外来時にJさんは相談室に寄りL精神保健福祉士に対し、「しばらくは働かずに、自宅で療養して過ごそうと思います。ただ、家に一人でいるのも不安があるので、誰かと話したり、趣味である絵を描いたりする場所が欲しいと思っています」と相談してきた。そこで、L精神保健福祉士は、「障害者総合支援法」において、創作的活動や生産活動の機会の提供、社会との交流の促進等を行うZセンターの紹介を検討した。(※3)
(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
次のうち、(※1)におけるJさんの入院の同意者として、正しいものを1つ選びなさい。
- 市町村長
- 都道府県知事
- Jさんの勤務先の同僚
- Y精神科病院の管理者
- 保健所長
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この過去問の解説 (3件)
01
K医師が入院が必要と判断したにも関わらず、Jさんは拒否、Jさんには親族がいない、事例に書かれている症状から、今回は、医療保護入院について問われていることがわかります。
適切です。親族がいない場合、市町村長の同意による入院となります。
不適切です。措置入院の場合は、都道府県知事の権限で入院となります。
不適切です。医療保護入院には、基本的に家族等の同意が必要なため、勤務先の同僚は同意者になることができません。
不適切です。医療保護入院には、基本的に家族等の同意が必要なため、精神科病院の管理者は同意者になることができません。
不適切です。医療保護入院には、基本的に家族等の同意が必要なため、保健所長は同意者になることができません。
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02
K医師が入院医療が必要と判断したにも関わらず、Jさんは入院を拒否しています。「本人の意思によらない入院の手続を進めることとした。なお、Jさんの両親はすでに他界しており、兄弟等の親族もいない」との記述から医療保護入院について問われていると判断できます。
医療保護入院とは、入院させなければ自傷他害のおそれのある者を精神保健指定医(又は特定医師)の診察及び家族等(配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人)の同意を経て行う、本人の意思にもとづかない入院形態です。家族等がいない場合は、市町村長が同意の判断を行います。なお、令和5年4月から同意のできる「家族等」からDVや虐待の加害者が除かれました。また、令和6年4月から「家族等」がどうしても判断できない場合には、家族等は意思表示を行わないことができるようになります。
適切です。家族等(配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人)がいない場合は、市町村長が同意の判断を行います。
適切ではありません。家族等(配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人)がいない場合は、市町村長が同意の判断を行います。
適切ではありません。家族等(配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人)がいない場合は、市町村長が同意の判断を行います。
適切ではありません。家族等(配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人)がいない場合は、市町村長が同意の判断を行います。
適切ではありません。家族等(配偶者、親権者、扶養義務者、後見人又は保佐人)がいない場合は、市町村長が同意の判断を行います。
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03
本設問では、Jさん本人が入院に同意しておらず、本人が希望した入院ではありません。本人が同意しない際の入院は、指定医の診察に基づき、入院が必要と判断され、かつ家族等の同意が得られれば「医療保護入院」として行う事ができます。家族等がいない場合は、市町村長がその役割を担う事ができると定められています。
医療保護入院については精神保健福祉法第33条に規定されています。
よって、本設問の答えは「市町村長」になります。
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