精神保健福祉士 過去問
第26回(令和5年度)
問89 (精神疾患とその治療 問6)

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問題

精神保健福祉士国家試験 第26回(令和5年度) 問89(精神疾患とその治療 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

Cさん(26歳、男性)は、仕事上のささいなミスを上司に注意されてから、職場の雰囲気が変わったように感じ、漠然とした不安を抱くようになった。通勤の時の風景もいつもと違って見え、何か不吉なことが起きるのではないかと怖くなって外に出ることができなくなった。自室にひきこもってさかんに、「怖い」と訴えるため、心配した両親に連れられて精神科を受診した。
次のうち、Cさんの精神症状として、正しいものを1つ選びなさい。
  • 関係妄想
  • 妄想気分
  • 罪業妄想
  • 抑うつ気分
  • 広場恐怖

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この過去問の解説 (2件)

01

選択肢で示されいる用語はいずれも重要なものばかりです。

どのような心理の状態・行動の状態を指す用語なのか、正確に理解しておきましょう。

選択肢1. 関係妄想

正しくありません。

 

関係妄想とは、「まわりのできごとが全部自分に関係している」と思い込む妄想す。

 

Cさんの状態とは合致しません。

選択肢2. 妄想気分

正しいです。

 

妄想気分とは、何か不気味な感じや異変が起こる予感がするが、明確な理由がない状態をいいます。

 

Cさんの症状「何か不吉なことが起きるのではないかと怖くなって外に出ることができなくなった」と合致します。

選択肢3. 罪業妄想

正しくありません。

 

罪業妄想とは、自分は「罰を受けるべきだ」「としかえしのつかない重大な罪を犯した」などと思い込む妄想です。

 

Cさんの状態とは合致しません。

選択肢4. 抑うつ気分

正しくありません。

 

抑うつ気分とは、気分が落ち込んでふさぎこみ、何もしたくないという状態を指します。

 

Cさんの主訴は、恐怖・不安であり、抑うつ気分を示す記載は事例中にはありません。

選択肢5. 広場恐怖

正しくありません。

 

広場恐怖とは「助けが得られない状況」「逃げ場がない状況」など自分がコントロールできない状況に対して恐怖を感じる状態です。

 

Cさんが感じる恐怖は、「通勤電車に閉じ込められることに対する恐怖」などと評価できないため、この選択肢を不正解としました。

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02

Cさんの言葉や生活の様子から考えられる、精神症状について考える必要があります。選択肢に登場する症状について、覚えておくようにしましょう。

選択肢1. 関係妄想

✕ 関係妄想とは、自分の周囲で起きている事が全て自分に関係していると思い込む事を言います。例えばテレビなどで放送している内容が自分をバカにしている、周囲の人が話している姿を見て自分を責めているなどと思い込んでしまいます。

関係妄想で出現する妄想は、具体的な内容であるため、Cさんが持っている漠然とした不安は関係妄想に当てはまりません。

選択肢2. 妄想気分

〇 妄想気分とは、自分の身の回りが何となく変わったと感じ、それに対して不安を感じる状態の事を言います。Cさんは自分の職場の雰囲気が変わったように感じ、それに対して不安を感じている事から、妄想気分の状態であると言えます。

選択肢3. 罪業妄想

✕ 罪業妄想は、自分が起こした些細な出来事を、非常に大きな問題のように感じてしまう事を言います。その出来事がきっかけとなって「自分は警察に捕まる」などの妄想に繋がる事もあります。

Cさんは自分の些細なミスがきっかけで周囲が変わってしまったように感じていますが、それを大きな問題と捉えているような様子はありませんので不適切です。

選択肢4. 抑うつ気分

✕ 抑うつ気分とは、気分の落ち込みや意欲低下、無関心などの憂鬱な気持ちが見られる事を言います。

Cさんは閉じこもりの状態になっていますが、それは周囲の環境が変化したと感じた事からの恐怖心が原因となっています。抑うつ気分が原因とは言えないため、適切な内容ではありません。

選択肢5. 広場恐怖

✕ 広場恐怖とは、助けが求められないかもしれない場所であったり、逃げる事が困難な場所に行く事に対して恐怖を感じる状態の事を言います。

Cさんは両親に助けを求められる自室でも「怖い」と恐怖心を訴えているため、広場恐怖の状態とは異なります。

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