精神保健福祉士 過去問
第27回(令和6年度)
問90 (精神医学と精神医療 問6)

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問題

精神保健福祉士試験 第27回(令和6年度) 問90(精神医学と精神医療 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

次の記述のうち、社会生活技能訓練(SST)の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
  • 精神分析の考え方を応用したプログラムの一つである。
  • 絶対臥褥(がじょく)により活動意欲を高める。
  • 自己認識を深める心理劇である。
  • 認知行動療法の考えを取り入れている。
  • 絵画や音楽を通じた表現的精神療法の一つである。

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この過去問の解説 (2件)

01

社会生活技能訓練(Social Skills Training)は、主に精神疾患の治療に用いられるもので、人との接し方や感情表現のしかたと言った社会的なコミュニケーションスキルを習得するためのトレーニングです。

指導者がお手本を見せ、ロールプレイやフィードバックを通して、日常生活で起こりうる様々な状況に対処するスキルを養うことができます。

選択肢1. 精神分析の考え方を応用したプログラムの一つである。

精神分析は被験者の無意識や自由連想を重視するもので、社会生活技能訓練の説明としてはふさわしくありません。

 

選択肢2. 絶対臥褥(がじょく)により活動意欲を高める。

「臥褥」とは寝床で安静にすることを意味し、病気やケガなどで安静が必要な患者に対して行われるものです。

社会生活技能訓練の説明にはふさわしくありません。

選択肢3. 自己認識を深める心理劇である。

心理劇(サイコドラマ)は感情表現を目的としており、新たなスキルを得るための社会生活技能訓練とは異なるものです。

選択肢4. 認知行動療法の考えを取り入れている。

日常における様々な状況に対し、自分の認知や行動の適応を目指すものが社会生活技能訓練であり、認知行動療法の考えが取り入れられています。

選択肢5. 絵画や音楽を通じた表現的精神療法の一つである。

選択肢はアートセラピーと呼ばれ、自己表現や心の整理を目的としますが、社会生活技能訓練の説明にはふさわしくありません。


 

まとめ

語句の意味の理解が問われる問題です。

社会生活のためには、様々な場面での対応やコミュニケーションが求められます。

不適切な対応は、社会から孤立する原因にもなりかねません。

他者との適切な接し方を学ぶことは、患者の認知におけるバイアスを修正していく作業でもあります。

これは、人の認知や行動パターンを適切なものに修正していく認知行動療法の一つとされています。

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02

社会生活技能訓練(SST)とは、人との上手な接し方や自分の気持ちの伝え方などの社会的なスキルを習得するためのトレーニングとして精神科領域だけでなく、教育領域などでも広く採用されています。

 

一般的に

5~8人程度の少人数のグループ

・日常生活の中で起こり得る、人とのかかわりの場面を想定

・指導者が手本を見せたり、参加者が相手役に対して実際に練習してみたりして実施

などの特徴をもっています。

 

(出典元 「ここくら」https://cocokura.ncnp.go.jp/recurrence/technique-sst/

 

他の心理療法との違いをイメージしながら解答するようにしましょう。

選択肢1. 精神分析の考え方を応用したプログラムの一つである。

正しくありません。

 

社会生活技能訓練(SST)は、認知行動療法の考え方を応用したプログラムとされています。

 

選択肢2. 絶対臥褥(がじょく)により活動意欲を高める。

正しくありません。

 

絶対臥褥(がじょく)により活動意欲を高める」は、森田療法の考え方です。

 

 

選択肢3. 自己認識を深める心理劇である。

正しくありません。

 

「自己認識を深める心理劇である」は、サイコドラマ(心理劇)の説明です。

選択肢4. 認知行動療法の考えを取り入れている。

正しいです。

 

社会生活技能訓練(SST)は、認知行動療法の考え方を応用したプログラムとされています。

 

 

選択肢5. 絵画や音楽を通じた表現的精神療法の一つである。

正しくありません。

 

絵画や音楽を通じた表現的精神療法の一つである」は、芸術療法の説明です。

 

 

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