精神保健福祉士 過去問
第27回(令和6年度)
問92 (精神医学と精神医療 問8)
問題文
Aさん(30歳、女性)は、母親への殺人未遂の疑いで逮捕された。しかし、起訴前鑑定で、統合失調症に罹患(りかん)しており「母親を殺せ」という幻聴の強い影響下で犯行に及んだと示された。このため、犯行当時にAさんは心神喪失状態だったと認められて不起訴処分とされ、検察官から「医療観察法」の審判が申し立てられた。次の記述のうち、申立て後、最初に行われることとして、正しいものを1つ選びなさい。
(注)「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。
(注)「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。
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問題
精神保健福祉士試験 第27回(令和6年度) 問92(精神医学と精神医療 問8) (訂正依頼・報告はこちら)
Aさん(30歳、女性)は、母親への殺人未遂の疑いで逮捕された。しかし、起訴前鑑定で、統合失調症に罹患(りかん)しており「母親を殺せ」という幻聴の強い影響下で犯行に及んだと示された。このため、犯行当時にAさんは心神喪失状態だったと認められて不起訴処分とされ、検察官から「医療観察法」の審判が申し立てられた。次の記述のうち、申立て後、最初に行われることとして、正しいものを1つ選びなさい。
(注)「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。
(注)「医療観察法」とは、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」のことである。
- 地方裁判所が鑑定入院を命じる。
- 地方裁判所において裁判官と精神保健審判員が合議を行い、処遇を決定する。
- 精神保健参与員が意見を述べる。
- 多職種チームによる治療を行う。
- 指定入院医療機関においてCPA会議を実施する。
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この過去問の解説 (2件)
01
この問題は、医療観察法制度の実際の流れの理解を問うものです。
心神喪失等を理由に、検察官が不起訴、または裁判で無罪となった後の流れは以下になります。
①検察官による申立て
②地方裁判所が鑑定入院を命令
③鑑定医が治療の必要性などを評価
④裁判官と精神保健審判員の各1名の合議体での審判
⑤処遇決定(措置入院や通院の決定、または処遇不要)
この順番を覚えておけば正答できるかと思います。
◯
検察官から医療観察法の審判が申し立てられた後に行われるのは、地方裁判所による鑑定入院の命令です。
✕
これは鑑定入院後に鑑定医が評価をした後、審判の最終段階で行われるものです。
✕
審判の際、精神保健参与員は精神保健福祉の観点から意見を述べますが、申立て直後に行われるものではありません。
✕
処遇決定後の通院や入院治療の際には多職種の連携が求められますが、審判の申立て直後には関係ありません。
✕
CPA(ケア・プログラム・アプローチ)会議とは、治療計画の調整会議のことであり、審判の申立て直後に行うものではありません。
医療観察法とは、放火や殺人といった重大な犯罪行為を行った人が、事件の当時、心神喪失や心神耗弱等の理由から刑事責任を問えない状態であった場合に、再発の防止と社会復帰を目的として、医療機関での入院等の対応を行う制度です。
内容だけでなく、手順についても覚えておきましょう。
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02
医療観察法は、心神喪失又は心神耗弱の状態(★1)で、重大な他害行為(★2)を行った人に対して、適切な医療を提供し、社会復帰を促進することを目的とした法律です。
★1・・・精神障害のために善悪の区別がつかないなど、刑事責任を問えない状態
★2・・・殺人、放火、強盗、不同意性交等、不同意わいせつ、傷害
検察官から「医療観察法」の審判が申し立てられた場合の流れをおおまかに解説すると以下の通りです。
①鑑定を行う医療機関での入院等が行われる
②裁判官と精神保健審判員(必要な学識経験を有する医師)の各1名からなる合議体による審判で、本制度による処遇の要否と内容の決定
③医療観察法の入院による医療を決定した場合、指定入院医療機関において、手厚い専門的な医療の提供
(医療観察法の通院による医療の決定が行われる場合もあります)
④通院の決定を受けた人及び退院が許可された人については、保護観察所の社会復帰調整官が中心となって作成する処遇実施計画に基づいて、医療機関による医療を受ける
(出典元 厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/shougaishahukushi/sinsin/gaiyo.html)
正しいです。
まず、地方裁判所が鑑定入院を命じます。
正しくありません。
「地方裁判所において裁判官と精神保健審判員が合議を行い、処遇を決定」は、鑑定入院のあとに行われます。
正しくありません。
「鑑定入院後」に精神保健参与員が意見を述べ、裁判官と精神保健審判員が合議を行い、処遇を決定します。
正しくありません。
「多職種チームによる治療」も含めた、本格的な治療は、処遇に関する決定が行われたあとに開始されます。
正しくありません。
鑑定入院、処遇の決定など行われたあとに、CPA会議は開かれます。
社会復帰調整官を中心に家族を含め退院後の支援者などが集まり話し合いの機会をもつことを、一般にCPA会議といいます。
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