精神保健福祉士 過去問
第27回(令和6年度)
問93 (精神医学と精神医療 問9)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

精神保健福祉士試験 第27回(令和6年度) 問93(精神医学と精神医療 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

精神医療と保健、福祉との連携に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • 精神保健福祉センターは、主に精神科医療機関への技術協力を行う機関として位置づけられる。
  • 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムは、認知症の高齢者が地域で自立した生活を可能にすることが目的である。
  • 精神科病院の主な役割は、精神疾患への早期介入である。
  • 精神科救急情報センターは、精神科救急に関する文献検索サービスを関係機関に提供する。
  • 認知症初期集中支援チームは、在宅の認知症が疑われる人や認知症の人に対して、多職種で集中的に支援し、地域で暮らし続けられるようにすることを目指す。

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

地域における精神医療や福祉との連携に関する問題です。

平成16年に策定された「精神保健医療福祉の改革ビジョン」における「入院医療中心から地域生活中心」という理念を実現するため、精神保健福祉センターや精神科病院、保健所、障害者福祉サービス事業者や地域の自治会、ボランティアなどの連携が重要視されています。

選択肢1. 精神保健福祉センターは、主に精神科医療機関への技術協力を行う機関として位置づけられる。

精神保健福祉センターの役割は、地域住民の精神的健康の保持促進や、精神障害者の社会復帰促進といった住民に対する相談支援や行政支援です。

精神科医療機関への技術協力を行うこともありますが、主たる位置づけとは異なります。

選択肢2. 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムは、認知症の高齢者が地域で自立した生活を可能にすることが目的である。

「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」は精神障害者の地域での自立を目的にしていますが、認知症に限定したものではないため誤りです。

選択肢3. 精神科病院の主な役割は、精神疾患への早期介入である。

精神疾患への早期介入は、外来や地域の精神保健福祉センター、メンタルヘルス相談窓口などでの対応が多く、精神科病院は中程度以上や急性期の対応を主な役割としています。


 

選択肢4. 精神科救急情報センターは、精神科救急に関する文献検索サービスを関係機関に提供する。

精神科救急情報センターは、休日や夜間における精神科救急の受け入れ先を案内する役割を担っています。

文献検索サービスは担っておりません。

選択肢5. 認知症初期集中支援チームは、在宅の認知症が疑われる人や認知症の人に対して、多職種で集中的に支援し、地域で暮らし続けられるようにすることを目指す。

選択肢の通り。

認知症初期集中支援チームの目的は、在宅で暮らす認知症が疑われる人への早期の介入と集中的支援によって、短期間で医療や介護サービスにつなげることで、住み慣れた地域での生活を可能にすることです。

医師や看護師、ケアマネージャーなどの多職種で構成されています。

まとめ

「精神保健医療福祉の改革ビジョン」など、国が発表している施策については出題頻度も高いため、なるべく目を通すようにしておく必要があります。

参考になった数4

02

精神保健福祉センターや地域包括支援センターなど

各機関の意義・役割が問われている問題です。

 

問題で出題されて機関・チームのほか

保健所などの役割についても整理して覚えておくようにしましょう。

選択肢1. 精神保健福祉センターは、主に精神科医療機関への技術協力を行う機関として位置づけられる。

正しくありません。

 

精神保健福祉センターの業務は、企画立案、技術支援、人材育成、普及啓発、調査研究、精神保健福祉に関する相談支援、当事者団体等の育成及び支援、精神医療審査会の審査に関する事務など多岐にわたります。

 

その中の技術支援は、市町村や市町村を支援する保健所への支援体制が想定されており、精神科医療機関への技術協力は想定されていません。

選択肢2. 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムは、認知症の高齢者が地域で自立した生活を可能にすることが目的である。

正しくありません。

 

精神障害にも対応した地域包括ケアシステムは、精神障害の有無や程度にかかわらず誰もが安心して自分らしく暮らすことができるようとの概念です。

 

認知症高齢者に限定されていません。

 

 

選択肢3. 精神科病院の主な役割は、精神疾患への早期介入である。

正しくありません。

 

精神科病院の主な役割は、通院及び入院患者の治療です。

選択肢4. 精神科救急情報センターは、精神科救急に関する文献検索サービスを関係機関に提供する。

正しくありません。

 

精神科救急情報センターは、夜間・休日において、精神疾患を有する人やその家族から緊急的に医療相談を電話で受け付けし、相談内容に応じて、適切な助言、必要に応じて医療機関の紹介等を行う組織とされてます。

選択肢5. 認知症初期集中支援チームは、在宅の認知症が疑われる人や認知症の人に対して、多職種で集中的に支援し、地域で暮らし続けられるようにすることを目指す。

正しいです。

 

「在宅の認知症が疑われる人や認知症の人に対して、多職種で集中的に支援し、地域で暮らし続けられるようにすることを目指す。」ことは、認知症初期集中支援チームの目的です。

 

 

参考になった数1