精神保健福祉士 過去問
第27回(令和6年度)
問96 (現代の精神保健の課題と支援 問3)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

精神保健福祉士試験 第27回(令和6年度) 問96(現代の精神保健の課題と支援 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

A精神科病院に長期入院していたBさん(64歳)は、地域移行支援を受けた後、1年前からC生活介護事業所を利用しながら地域のアパートで一人暮らしをしている。Bさんの食生活は整っており、血圧・血糖値・コレステロールや中性脂肪には問題がなかった。しかし近頃は、長年の運動不足から筋力が低下したことによって、短時間の歩行でも息切れをし、足が上がりにくくC事業所内の階段もすぐには上れない状態が目立ち始めた。そこでC事業所では、Bさんやほかの利用者の状況も鑑み、運動プログラムを取り入れ、Bさんにも参加してもらうよう促すことにした。次のうち、Bさんの状態を表す症候群として、適切なものを1つ選びなさい。
  • コルサコフ症候群
  • メタボリック症候群
  • ロコモティブ症候群
  • 悪性症候群
  • ガンザー症候群

次の問題へ

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (2件)

01

各症例についての知識を問う問題です。

Bさんの状態をまとめると以下になります。

 

・地域のアパートで一人暮らし

・血圧・血糖値・コレステロールや中性脂肪には問題なし

・長年の運動不足

・息切れ、階段の歩行が困難

・運動プログラムで改善を図っている

 

これらの条件にあてはまるものを選択肢から探しましょう。

選択肢1. コルサコフ症候群

コルサコフ症候群は、アルコールの多飲によるビタミンB1の欠乏によって生じる疾患で、記憶障害や見当識障害の症状が見られます。

Bさんの症状にはあてはまりません。

選択肢2. メタボリック症候群

メタボリック症候群の診断には、高血圧、高血糖、脂質異常症のうち2つ以上が基準値以上であることが条件です。

Bさんはどれも基準値を超えていないため、あてはまりません。

選択肢3. ロコモティブ症候群

ロコモティブ症候群は運動器の障害によって、移動機能が低下することです。

歩行時の息切れや、階段を登りにくいなど、Bさんの症状と一致しています。

選択肢4. 悪性症候群

悪性症候群は、主に向精神薬の開始や中断・再開などによって、低確率で高熱、意識障害、筋強直などの症状が出ることを指します。

Bさんの症状にはあてはまらないため正解ではありません。

選択肢5. ガンザー症候群

ガンザー症候群は、刑務所のような閉鎖された環境下によるストレスによって発症し、意識混濁や幻覚、健忘などの症状が見られます。

Bさんは閉鎖的な環境下ではなく、症状も見られていないことから正解ではありません。

まとめ

ロコモティブやメタボリックなどの流行語にからめて出題されるケースは多く見られます。

こういった言葉に関しては、意味を理解しておくほうがよいでしょう。

参考になった数4

02

精神科あるいはその他の医療領域で使われる症状・病名の内容について問う問題です。

 

精神科関連の用語については、繰り返しその内容を理解するようにしましょう。

選択肢1. コルサコフ症候群

適切ではありません。

 

コルサコフ症候群は、記銘力障害・作話・失見当識を中心とした健忘症候群いうとされています。

 

主として、アルコール依存などによりビタミンB1が不足することが原因とされ、頭部外傷や脳卒中が原因となる場合もあるとされます。

 

これらの原因・症状は、Bさんにあてはまりません。

選択肢2. メタボリック症候群

適切ではありません。

 

メタボリック症候群は、高血糖・高血圧・脂質異常症の少なくとも2つ以上の症状がでる内臓肥満の状態をいいます。

 

これらの症状は、Bさんにはあてはまりません。

選択肢3. ロコモティブ症候群

適切です。


ロコモティブ症候群は、筋力の低下・関節可動域の制限などの加齢による衰え、あるいは運動器の障害によって、歩行が難しくなるなど要介護のリスクが高まる状態をいいます。

 

変形性関節症・脊柱管狭窄症・関節リウマチなどから起こる場合もあります。

 

食生活は整っていること、循環器系の病気は問題ないこと、長年の運動不足・筋力が低下していることなどの記述からBさんは、ロコモティブ症候群といえる可能性が高いです。

選択肢4. 悪性症候群

適切ではありません。

 

悪性症候群とは、無動、寡黙、筋固縮、高熱、けいれん、意識障害などの症状が現れる、向精神薬の重篤な副作用とされています。

 

Bさんにはあてはまりません。

選択肢5. ガンザー症候群

適切ではありません。 

 

ガンザー症候群は、刑務所のような閉鎖的な環境で生じる精神症状で、的外れ応答・健忘・意識混濁を主症状とする症候群です。

 

Bさんにこれらの症状は見られません。

参考になった数0