精神保健福祉士 過去問
第27回(令和6年度)
問116 (ソーシャルワークの理論と方法(専門) 問5)
問題文
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問題
精神保健福祉士試験 第27回(令和6年度) 問116(ソーシャルワークの理論と方法(専門) 問5) (訂正依頼・報告はこちら)
- 住民が運営し、精神障害の有無にかかわらず集えるサロンの立ち上げを支援する。
- 精神科デイ・ケアでの話合いで、地域にある居場所の見学を企画する。
- 自治会と共に精神障害の理解に関する住民ヒアリングを行い、結果をまとめる。
- 障害福祉サービスの利用を希望する精神障害者のセルフプラン立案を支援する。
- 精神保健福祉ボランティアグループの定例会で、ファシリテーターを担う。
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この過去問の解説 (2件)
01
コミュニティワークとは
「社会的正義や社会的不平等に関わる問題に対して、地域住民を組織化し、その解決を図っていく」
ソーシャルワーク技術の一つとされています。
また、ケースワークが直接援助技術であるのに対して、コミュニティワークは間接援助技術とされます。
上記の記述と、地域住民とのかかわりの観点から選択肢を検討してください。
適切です。
「住民が運営し、精神障害の有無にかかわらず集えるサロンの立ち上げを支援する。」は
住民が参画し、活動の場も地域にあることから、コミュニティワークと評価できます。
適切ではありません。
「精神科デイ・ケアでの話合いで、地域にある居場所の見学を企画する。」は
精神科デイ・ケア利用者への直接支援にあたります。
適切です。
「自治会と共に精神障害の理解に関する住民ヒアリングを行い、結果をまとめる。」は
住民との協働・参画の面で、コミュニティワークと評価できます。
適切ではありません。
「障害福祉サービスの利用を希望する精神障害者のセルフプラン立案を支援する。」は
精神障害者への直接支援にあたります。
適切ではありません。
「精神保健福祉ボランティアグループの定例会で、ファシリテーターを担う。」は
精神保健福祉ボランティアグループに向けてのコンサルテーションにあたると考えます。
また、精神保健福祉ボランティアグループは、地域住民ではありますが、地域住民が主体となる地域援助とは評価しづらいと考えます。
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02
コミュニティワーク(地域援助技術)とは、特定の個人やその家族への直接的な援助とは異なり、特定のコミュニティや社会全体に働きかけることで、そこに住む人々の問題解決を目指すソーシャルワークの種類の一つです。
精神保健福祉士においては、精神障害者が地域で安心して暮らせるように、住民への啓発運動、社会資源の拡充、ネットワークの構築などがあてはまります。
各選択肢が、コミュニティワークの特性と一致しているかを見ていきましょう。
◯
精神障害者に対しても開かれたサロンを地域住民が主体的に運営していくことは、特定の精神障害者ではなく、地域全体のニーズに応える活動であり、これを支援することはコミュニティワークの典型ともいえます。
✕
地域にある居場所の見学は、特定の個人や集団に対しての直接的な援助であり、個別援助技術やグループワークの一環として捉えられます。
すでにある地域資源の活用を促進する活動ではなく、地域資源を生み出すことがコミュニティワークであるため、設問の回答としては不適切です。
◯
特定の個人ではなく、地域住民に対する啓蒙活動や問題解決の一環として住民ヒアリングを行うことは、コミュニティワークに含まれます。
精神障害者への理解度や不安に感じていることを知ることで、精神障害者が地域で安心して暮らしていくためには何が必要かを考えるきっかけになり、具体的な計画の立案につなげることができるでしょう。
✕
これは、クライエントに対する個別援助技術の典型的な例です。
コミュニティワークは個人を対象とするのではなく、地域全体への働きかけを指す言葉ですので、設問の回答としては不適切です。
✕
ボランティアグループの育成はコミュニティワークにおいても重要ですが、選択肢は特定の集団に対する支援であり、関わりとしてはグループワークに近いものです。
地域全体の変化や資源の拡充といったコミュニティ全体に働きかけるのがコミュニティワークであるため、設問の回答として適切とは言えません。
コミュニティワークは、地域住民や組織と連携し、地域全体の課題解決や資源開発を目指す活動です。
正解となる選択肢には、住民が主体となる活動や、地域全体への啓蒙活動と問題が含まれており、コミュニティワークの特性にも一致しています。
ボランティアグループへの支援も近いものがありますが、正答とされる2つの選択肢の方がよりコミュニティワークの中核に近いといえるでしょう。
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