社会福祉士の過去問
第29回(平成28年度)
社会保障 問55

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問題

社会福祉士試験 第29回(平成28年度) 社会保障 問55 (訂正依頼・報告はこちら)

諸外国における社会保障制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
  • アメリカには、国民保健サービス(NHS)と呼ばれる、原則無料の医療保障制度がある。
  • イギリスには、高齢者向けのメディケアという公的な医療保障制度がある。
  • ドイツの介護保険制度では、公的医療保険の加入者が年齢にかかわらず被保険者となる。
  • スウェーデンの老齢年金は、完全積立の財政方式に移行している。
  • フランスの医療保険では、外来診療に要した費用は保険者から直接医療機関に支払われるのが原則である。

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この過去問の解説 (4件)

01

1✕ NHS(国民保険サービス)はイギリスにおける、国民皆保険制度です。

2✕ メディケアとは、アメリカ合衆国における高齢者や障害者を対象とした公的医療保険制度です。

3〇 ドイツでは年齢制限がなく、0歳以上の医療保険加入者は全て被保険者となります。

4✕ スウェーデンでは、所得に基づく年金は「賦課方式」と「積立方式」に分かれます。

5✕ フランスでは、「償還払い」が基本となっており、患者が医療費全額を医療機関で一旦支払った後、保険者へ払い戻しの申請をすることで、患者自己負担分を除いた金額が返金されるシステムとなっています。

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02

1× アメリカには全市民対象の公的医療保障制度はありません。
2× メディケア、メディケイドはアメリカの公的医療保障制度です。
3○ ドイツの介護保険制度は、年齢制限なく医療保険制度の被保険者が介護保険の被保険者にもなっています。
4× スウェーデンの老齢年金は賦課方式と積み立て方式に分かれています。一定水準に年金額が満たない者には税財源の保障年金があります。
5× フランスの医療保険制度は、被保険者への償還支払いを基本としています。

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03

正答【3】

1.誤答
国民保健サービス(NHS)と呼ばれる、原則無料の医療保障制度があるのは、イギリスです。
アメリカの医療保障制度は、全国民を対象とした医療保障制度はなく、65歳以上の高齢者や障害者に対する「メディケア」、低所得者に対する「メディケイド」があります。


2.誤答
高齢者向けの「メディケア」はアメリカの医療保障制度です。
イギリスでは、税金を主な財源としている国民医療制度(NHS)と呼ばれる原則無料で医療提供する医療保障制度があります。


3.正答
ドイツの介護保険制度は、公的医療保険の被保険者が同時に介護保険の被保険者になります。そのため、年齢にかかわらず被保険者となり給付対象にもなります。
ちなみに、ドイツの公的医療保険は、一般制度(一般労働者・年金受給者・学生等が対象)と農業者疾病保険(自営業者を対象)があります。また、この公的医療保険は、一定以上の所得者や公務員は強制加入ではありません。


4.誤答
スウェーデンの老齢年金は、所得に基づく年金として「所得比例年金」「プレミアム年金」の2種類があり、低所得者や無年金者に対しては、税を財源とする「保証年金」から構成されています。

積立方式になっているのは所得に基づく「プレミアム年金」だけです。「所得比例年金は」賦課方式となっています。


5.誤答
フランスの医療保険では、外来診療に要した費用は、一旦自己負担して、後日費用が戻ってくるという「償還払い」となっています。
なお、現在では、2015年(平成27年)に成立した法律によって、保険者から直接医療機関へ支払う仕組みになってきています。

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04

正解は3です。

1.国民保健サービス(NHS)と呼ばれる、原則無料の医療保障制度があるのは、イギリスです。

2.高齢者向けのメディケアという公的な医療保障制度があるのは、アメリカです。

3.ドイツの介護保険制度では、公的医療保険の加入者が年齢にかかわらず被保険者となります。

4.スウェーデンの老齢年金は、賦課方式と積立方式からなっています。完全積立ではありません。

5.フランスの医療保険は、患者が医療機関に支払った後、保険者からその費用を払い戻す仕組みになっています。

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