社会福祉士の過去問
第30回(平成29年度)
人体の構造と機能及び疾病 問6
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問題
社会福祉士試験 第30回(平成29年度) 人体の構造と機能及び疾病 問6 (訂正依頼・報告はこちら)
精神疾患の診断・統計マニュアル( DSM-5 )において、「統合失調症」と診断するための5つの症状に含まれているものはどれか。正しいものを1つ選びなさい。
- まとまりのない発語
- 観念奔逸
- 強迫行為
- 抑うつ気分
- 不眠または過眠
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この過去問の解説 (4件)
01
1.DSM-5において、統合失調症と診断するための5つの症状は、1)妄想、2)幻覚、3)まとまりのない発語、4)ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動、5)陰性症状です。
2.観念奔逸とは、考え(観念)がどんどん浮かび、まとまりのない話に脱線(奔逸)していってしまう状態で、躁状態に見られます。統合失調症の診断症状ではありません。
3.強迫行為とは、行動などを過剰に繰り返してしまうことをいいます。統合失調症の診断症状ではありません。
4.抑うつ気分は、統合失調症の診断症状ではありません。
5.不眠または過眠は、統合失調症の診断症状ではありません。
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02
妄想
幻覚
まとまりのない発語
ひどくまとまりのない・緊張病性の行動
陰性症状(感情の平板化・意欲欠如)
のうちの2つ以上が、各々1ヵ月間ほとんどいつも存在することと、定められています。
2.観念奔逸とは、観念が過剰に現れて、全体として統一のない観念群をしゃべりまくることであり、躁状態の場合みられます。統合失調症の診断基準ではありません。
3.特定の行為を過剰に繰り返さずにはいられないことを強迫行為といいます。これは強迫性障害の症状で、統合失調症の診断基準ではありません。
4.「気分が落ち込んで、何もする気になれない」「憂鬱な気分」などのことを抑うつ気分といい、うつ病や躁うつ病に見られる症状です。統合失調症の診断基準ではありません。
5.不眠や過眠といった睡眠障害は統合失調症の判断基準に含まれません。
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03
①妄想
②幻覚
③まとまりのない発語
④ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動
⑤陰性症状(感情の平板化、意欲欠如)
の5つ。
よって、1が正解となります。
その他の選択肢については、以下のとおりです。
2.観念奔逸は、双極性障害でみられる症状です。次から次に考えが浮かんだり、考えがまとまらず発言に一貫性がなくなったりします。
3.強迫行為は、強迫性障害でみられる症状です。強迫観念から生まれた不安にかきたてられ、「過剰に手を洗う」「戸締りを何度も確認しに帰る」といった行動を起こします。
4.抑うつ気分は、うつ病でみられる症状。気分が落ち込み、やる気が起きない状態です。
5.不眠や過眠は、うつ病や双極性障害、不安障害などさまざまな精神疾患でみられます。統合失調症の患者にも現れますが、DSM-5の5つの症状には含まれていません。
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04
精神疾患の診断・統計マニュアル(DSM-5)による統合失調症の診断基準(5つの症状)は以下の通りです。
①妄想
②幻覚
③まとまりのない発語(頻繁な脱線または滅裂)
④ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動
⑤陰性症状(すなわち感情の平板化、意欲欠如)
これらの症状のうち2つ(またはそれ以上)、おのおのが1カ月間(または治療が成功した際はより短い期間)ほとんどいつも存在する。これらのうち少なくともひとつは①、②または③であることを診断の基準としています。
1.正答
まとまりのない発語は、統合失調症の症状です。
統合失調症では思考の障害が起こります。
考えにまとまりがなくなり、話が脱線したり、無関係な言葉を羅列したりと話に一貫性のある話ができなくなります。ひどくなると支離滅裂な会話になります。
2.誤答
観念奔逸は、次々とアイデアが浮かび、話の展開が早すぎたり、会話がまとまらないといった症状で、双極性障害(Ⅰ・Ⅱ)の躁状態のときにみられます。双極性障害は、躁病または軽躁病とうつ病を交互に繰り返す障害です。
3.誤答
強迫行為は、強迫性障害でみられる症状です。
強迫行為とは、強迫観念という不適切な思考やイメージによって過剰な不安を抱き、その苦痛を回避したり予防しようとしたりして行う行為です。手を洗っても不潔と思い過剰に手洗いをする、戸締りを確認しなければいられないなどの行為です。
4.誤答
抑うつ気分は、うつ病、双極障害(Ⅰ・Ⅱ)のうつ状態、気分変調症などに見られます。
抑うつは、「気分が落ち込んで何にもする気になれない」、「憂鬱な気分」などの心の状態が強くなり、様々な精神症状や身体症状がみられる症状です。
5.誤答
不眠または過眠は、双極性障害(Ⅰ・Ⅱ)の抑うつ状態のときやうつ病、気分変調症などでみられます。
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