社会福祉士の過去問
第30回(平成29年度)
社会理論と社会システム 問21
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問題
社会福祉士試験 第30回(平成29年度) 社会理論と社会システム 問21 (訂正依頼・報告はこちら)
「平成28年における少年非行、児童虐待及び児童の性的搾取等の状況について」( 警察庁 )に示された児童虐待に関する検挙状況についての次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
- 検挙件数は、身体的虐待よりも心理的虐待の方が多い。
- 被害児童数は、平成24年以降の5年間で変化はない。
- 加害者数は、養親・継親よりも実親の方が多い。
- 加害者数は、男性と女性で差がない。
- 被害児童数は、男児は女児の1.5倍である。
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この過去問の解説 (4件)
01
「平成29年における少年非行、児童虐待及び児童の性的搾取等の状況について」に基づいて、平成28年、平成29年の状況について解説します。
1.平成28年における件数は、身体的虐待が866件、心理的虐待が31件と身体的虐待の方が多くなっています。平成29年においても身体的虐待が904件、心理的虐待が44件と同じ傾向です。
2.被害児童数は、平成24年は539件、平成28年は1,108件と大幅に増加しています。平成29年も1,168件と増加傾向が続いています。
3.平成28年の加害者数は、養・継父が170件、養・継母が6件、実父が465件、実母が301件となっており、実親の方が多くなっています。平成29年においても養・継父が197件、養・継母が9件、実父が488件、実母が304件と同じ傾向です。
4.平成28年の加害者数は、父親等が792件、母親等が321件と男性の方が多くなっています。平成29年についても、父親等が848件、母親等が328件と同じ傾向です。
5.被害児童数は平成29年で男児580件、女児588件となっています。平成28年も同様で男児が女児の1.5倍ということはありません。
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02
2.被害児童件数は以下の通りです。
平成24年 539人
平成25年 526人
平成26年 757人
平成27年 853人
平成28年 1,108人
平成24年から25年では減少していますが、25年以降は増加傾向にあります。
3.加害者数は、実父465件、実母301件、継父・養父170件、継母・養母6件と、実親の方が多くなっています。
4.加害者数は、女性が321人、男性は792人と男性の方が多くなっています。
5.被害児童数は男児が574人で51.8%、女児が534人で48.2%となっています。
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03
平成28年の児童虐待の加害者は、実父465件・実母301件。養・継父170件、養・継母6件よりも多くなっています。
その他の選択肢については、以下のとおりです。
1.平成28年の検挙件数は、身体的虐待が866件、心理的虐待が31件です。
2.被害児童数は、平成24年から平成25年にかけて539件⇒526件に減少していますが、それ以降は757件⇒853件⇒1108件へと増加の一途をたどっています。
4.加害者は、男性のほうが多い傾向にあります。
5.被害児童の数は、男児と女児で大きな差はありません。
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04
1.誤答
平成28年における児童虐待の検挙件数で最も多いのは、身体的虐待が886件で全体の約8割を占め、前年比で27.5%でした。その他は、性的虐待162件、心理的虐待31件、ネグレクト22件となっています。
2.誤答
児童虐待の被害児童数は、平成18年以降増加傾向にあります。特に近年は急増しており平成28年には1000人を超えた1108人となっています。平成29年(1,168人)、平成30年(1,394人)、令和元年(1,991人)となっています。
3.正答
被害児童と加害者の関係で最も多いのは、実父で次いで実母、養父・継父、養母・継母となり、実親が加害者であるものが大半を占めています。
平成28年では、実父による加害は465件、実母による加害が301件、養父・継父は170件、養母・継母では6件でした。
4.誤答
設問3で説明したとおり、男性による加害が圧倒的に多く、男性の加害者792人(71.2%)となっているのに対して、女性の加害者は321人(28.8%)となっています。
5.誤答
被害者児童数は、男児が574人(51.8%)、女児が534人(48.2%)で、男児と女児の性差に大きな差はみられません。しかし、被害内容をみると身体的虐待は男児が多く、性的虐待に至ってはほぼ女児が被害者となっています。
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